著者
福谷 泰斗 皆川 直凡
出版者
日本応用教育心理学会
雑誌
応用教育心理学研究 (ISSN:09108955)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.47-60, 2022-02-28 (Released:2022-04-25)
参考文献数
42

本研究は,自己調整学習の理論に基づいて,まとめと学習活動の振り返りを記録するポートフォリオを中学校社会科授業の中でプログラムし,その成果を自己決定理論と関連づけて検討することを目的として行われた。そのため,まず,社会科を学ぶ理由について,生徒の自由記述をもとにして社会科学習動機づけ尺度を作成し,因子分析を経て標準化された尺度として完成させた。次に,社会科(歴史的分野)において学習者自身が既有知識と学習内容を関連づけながら記述するポートフォリオを導入した授業実践を行い,社会科学習動機づけ尺度を用いてその教育効果を検証した。その結果,内的調整,同一化的調整という2 つの自律的な学習の動機づけが向上し,他律的な学習の動機づけである取り入れ的調整が抑制されるという成果が得られた。
著者
皆川 直凡 島本 政志 Naohiro MINAGAWA Masashi SHIMAMOTO
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 鳴門教育大学 編 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.16-23, 2018

In this study, the class of drawing and manual arts introducing elements of moral education was conducted. In this class, introduction moving feeling and thinking was executed with giving special consideration to children's zone of proximal development. The results showed, the sixth-grade elementary school students think for themrselves, and conducted a graduation project to express feeling of gratitude toward family members.
著者
木原 資裕 皆川 直凡 立岡 裕士 藪下 克彦 内藤 隆 田村 隆宏 南 隆尚 町田 哲 久米 禎子 眞野 美穂 畠山 輝雄 小倉 正義 Motohiro KIHARA Naohiro MINAGAWA Yuuzi TATUOKA Katsuhiko YABUSHITA Takashi NAITO Takahiro TAMURA Takahisa MINAMI Tetsu MACHIDA Teiko KUME Miho MANO Teruo HATAKEYAMA Masayoshi OGURA
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 = Research bulletin of Naruto University of Education (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.334-348, 2021-03-10

Naruto University of Education offers an undergraduate class called "Awa (Tokushima) Studies", which is taught by twelve instructors whose specialties span history, geography, psychology, art, physical education, and linguistics. In this class, after studying the background and history of Ohenro, a pilgrimage route in Shikoku, in classroom lectures, the students and the instructors walk a part of the pilgrimage route on a one-night-two-day trip, in which interdisciplinary studies are practiced. This class is an ideal opportunity for teacher training and therefore can serve to strategically promote Naruto University of Education as a unique university in offering such a class.
著者
皆川 直凡
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
巻号頁・発行日
pp.200, 2007 (Released:2007-10-01)

日本固有の短詩型である俳句は,五七五の定型を原則とする。俳句を実験室において記憶し,それを検索しようとする場合,上五,中七,下五の順に検索すると考えられる。また,上五のあとに切れがある俳句と中七のあとに切れがある俳句とでは,検索のされ方が異なると考えられる。本研究では,プライミング・パラダイムを用いて,この仮説を検証した。実験参加者(大学院生)に俳句を解説文と共に提示し,理解させた後,プライミング・パラダイムによる実験を行った。各試行では,俳句の上五,中七,下五のうち二つを継時提示し,同じ俳句のものか否かを判断させた。その結果,上五のあとに切れのある俳句を用いた条件では,中七と下五のペアに対する反応が上五と他の句のペアよりも速く,中七のあとに切れのある俳句を用いた条件では,上五と中七のペアに対する反応が下五と他の句のペアよりも速いという,差異が認められた。