著者
友清 睦子 鈴木 雅実
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.67(1991-NL-084), pp.151-158, 1991-07-18

The primary goal of this paper is a statistical investigation of the comparative form of Japanese Spoken Language using appropriable data from the ATR spoken language corpus. The analysis includes the choice of comparative phrase markers as well as more general comparative form phenomena. In addition the paper also examines the semantics of the Japanese comparative form and compares them with those of the English and French comparative forms. Also considered are the problems of describing the comparative form in a dictionary oriented J-E MT telephone conversation task. Finally some examples of description following the markers of the Japanese comparative form are shown.
著者
大島 千佳 西本 一志 鈴木 雅実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.157-171, 2005-01-15

本論文では,演奏初心者の親が,初級者の子どもと容易にピアノ連弾できるようにするシステム“Family Ensemble” を提案する.近年,ピアノ・レッスンに連弾が取り入れられ,連弾を通じて生徒の練習意欲が高まったという報告がある.さらに連弾には,パートナーと呼吸を合わせることで,音楽性を育てるという効果がある.しかし子どもが,家庭内で演奏経験の乏しい家族と連弾を行うことは難しい.そこで,本研究で提案するFamily Ensemble では,子どもの親が担当する連弾のパートを,正確な音高列を出力する機能と,子供の演奏位置を追従する機能により支援することで,まったくの初心者の親が,演奏誤りの多い初級者の子どもとでも連弾できるようにした.Family Ensemble を使用する場合としない場合の両方について,合同練習を5 組の被験者ペアに行ってもらったところ,使用した合同練習では,連弾の回数とFamily Ensemble に支援されていない子供の独奏による練習回数が大幅に増加した.この結果から,Family Ensemble によりまったくの初心者と初級者によるピアノ連弾が可能になることだけでなく,支援されていない子どもの練習意欲が増すことが示された.さらに,初心者と初級者のペアでありながら,お互いに音楽的なアイデアや演奏技術について意見をかわしている様子が見られた.
著者
福岡 鮎美 藤井 悦子 唐澤 弥生 堤 秀樹 伊藤 恒夫 鈴木 雅実 杉本 哲朗
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.32, pp.129, 2005

生体に存在するタンパク質の多くは糖鎖を持つ糖タンパクであり、腎臓においては尿細管、糸球体の各細胞で糖鎖の種類と分布が異なることが知られている。レクチンは特定の糖鎖を認識する物質であり、組織中のレクチン結合性によって各種糖鎖の分布が検索可能である。近年、ミニブタは実験動物として安全性評価に用いられつつあるが、ブタ腎臓におけるレクチン結合性の報告はわずかにみられるものの、ミニブタにおける報告はない。そこで今回、Göttingen系ミニブタの腎臓における各種レクチンの結合性を検索した。Göttingen系ミニブタの雄(40週齢,ならびに260週齢)を使用した。腎臓の20%中性緩衝ホルマリン液固定・パラフィン標本を作製し、Lotus Tetragonolobus Lectin(LTL)、Ulex Europaeus Agglutinin I(UEA I)、Peanut Agglutinin (PNA)、Concanavalin A (Con A)、Dolichos Biflorus Agglutinin (DBA)、Ricinus Communis Agglutinin I (RCA I)、Soybean Agglutinin (SBA)、Wheat Germ Agglutinin (WGA)およびMaackia Amurensis Lectin I (MAL I)を用いたレクチン組織化学的検索を行った。尿細管では、近位尿細管がLTL, UEA I, ConA, DBA, RCA I, SBA, WGA, MAL Iに陽性を、中間尿細管(ヘンレループの一部)が全てのレクチンに陽性を、遠位尿細管がUEA I, PNA, ConA, RCA I, SBA, WGA, MAL Iに陽性を、集合管がUEA I, PNA, ConA, RCA I, SBA, WGA, MAL Iに陽性をそれぞれ示した。糸球体では、ボウマン嚢上皮がPNA, ConA, DBA, RCA I, WGAに、血管内皮がConA, DBA, RCA I, SBA, WGAに陽性を示した。メサンギウム細胞はConAで弱陽性を示した他は陰性であった。各組織のレクチン反応性に、週齢による差は認められなかった。以上、Göttingen系ミニブタにおいてもレクチンによる糖鎖の解析が可能であり、腎臓における糖鎖の解析は各細胞(尿細管の区分など)のマーカーとしての利用や、糖鎖分布からの機能解析に応用できるものと考えられた。
著者
森元 逞 田代 敏久 竹澤 寿幸 永田 昌明 谷戸 文廣 浦谷則好 鈴木 雅実 菊井 玄一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.1726-1735, 1996-09-15
参考文献数
21
被引用文献数
5

日本語から英語へ翻訳可能な音声翻訳実験システム(ASURA)を開発した. ASURAでは 分野間の移植性を確保できるよう 一般的な日本語話し言葉の表現を網羅するとともに 音声認識と言語翻訳のコンポーネントのいずれも 名詞や動詞などの分野に依存する辞書項目を容易に入れ替え可能な構成としている. また 音声認識や言語翻訳にともなって発生する暖昧さ(複数の候補)に対処するため 正しい候補を効率良く選択できるようにコンポーネント間 サブコンポーネント間で機能分担を行い また候補の探索メカニズムを組み込んでいる. 本論文では このようなASURAのシステム構成について述べ また システムの性能評価を行い このシステム構成の有効性を示す.We have developed the experimental speech translation system ASURA, which translates from Japanese to English. In order to keep high portability to various domains, most of the common expressions in spoken Japanese are covered, and both the speech recognition and language translation components are constructed so that domain-dependent lexical items such as nouns and verbs are easy to replace. Furthermore, all of the components and sub-components in the system share functionalities so that they can effectively reduce ambiguities created in the course of speech recognition and language translation processing. The candidate search mechanisms are also incorporated for the same purpose. This paper describes the configuration and performance evaluation of the system, and demonstrates the effectiveness of the configuration.
著者
高木 正則 河合 直樹 大信田 侑里 鈴木 雅実 木村 寛明
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.70-82, 2018-02-20

協調学習では,複数のグループが同時並行で学習を進めるため,教員が各グループの学習の進捗を把握するのは困難である.そのため,教員は各グループで行われた話し合いの内容や,学習課題の達成に対する各学習者の貢献度を把握することは難しい.本研究では,協調学習における各学生の学習課題の成果に対する貢献度の可視化を目的とし,協調学習時の発話に含まれる特性語の出現頻度に基づいた貢献度推定手法を提案した.実際の授業で記録した協調学習時の音声データから本提案手法により推定した貢献度と,協調学習の様子を撮影した映像を教員が閲覧して評価した貢献度の相関係数を分析し,本手法で推定された貢献度の妥当性を検証した.その結果,本提案手法で推定された貢献度は,教員が評価した貢献度の約半数と一致しており,中程度の相関があることが確認された.また,本提案手法は音声認識の精度が低くても,貢献度の推定精度が低くならないことが示され,学生1人1人の発話を正確に記録・認識することが困難な協調学習の場面で有効に活用できることが期待できる.
著者
鈴木 雅実 服部 元 小野 智弘
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

テキスト(言葉)を主体とするコミュニケーションについては,情報量を多くしたからと言って感動がより大きく伝わるとは限らず,説明過多の場合はむしろ逆効果であったりする。それとは対極的に,言葉を凝縮した短詩や名言などを通じて人と感動を共有する日本の文化的な特徴は見直されてよい。このような意思伝達と共感のスタイルをコンサイス・コミュニケーションと呼ぶことにして,その近未来的な支援のあり方について考察する。