著者
高石 孟 沼田 宗純 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.363-366, 2010

2010年2月27日,現地時間3時34分,南米チリ沖に発生した地震(Mw8.8)により津波が発生し,チリをはじめとして世界各国で被害が発生した.わが国もこの津波に対し,大津波警報を出し警戒したが,その背景には,1960年チリ沖地震(Mw9.5)による津波が各地を襲い,大きな被害を被った過去の教訓がある.本報告では,神奈川県平塚沖の神奈川県波浪等観測塔(旧防災科学技術研究所波浪等観測塔)により観測された.2010年チリ地震による津波観測データの分析を行い,津波波形とスペクトル分析から波高約40cmの津波が2月28日15時頃に平塚沖に到達したことが確認できた.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
目黒 公郎 越村 俊一 高島 正典 近藤 伸也 村尾 修 庄司 学
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は,津波災害経験の乏しい発展途上国を主な対象として,効果的な津波防災対策を実施する際に必要な総合的な津波防災戦略のモデルを提案するとともに,いくつかの発展途上国への具体的な導入考えた場合の課題を整理した上で,津波警報システムを構築するものである.その結果、津波を探知し,警報を出し,住民を避難させるまで,総合的に支援するシステムを長期的に維持する基盤が整った.
著者
大原 美保 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.555-560, 2008

本研究では, 首都直下地震時に想定される災害拠点病院および救急病院への重症患者の搬送ニーズを推計した.被災現場から救出された重症者が各病院に搬送される確率をエントロピーモデルにより表現した.モデルのパラメーターを変化させて, 患者搬送において最短距離が重視される場合や病院規模が重視される場合などのシミュレーションを行い, 様々な状況の定量化を目指した.この結果, 多数の重症者が想定される東京都東部での災害拠点病院の拡充, 周辺地域への適切な患者誘導などの事前の準備が必要であると考えられた.
著者
竹内 雅彦 越村 俊一 目黒 公郎
出版者
東京大学
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.103-106, 2008-05

スマトラ沖地震津波以降, 太平洋津波警報システムのインド洋地域への適用が進められているが, このシステムは高価で技術的にも扱うのが難しく, 維持管理の持続可能性には大きな不安がある.そこで本研究は, 安価で維持管理しやすく日常的に利用可能なシステムとして「多目的ブイを用いた津波警報システム」を提案し, 本システムの導入による人的被害軽減効果の検証と要求性能に関する検討を行った.津波シミュレーションに基づく被害の推計結果からは多目的ブイシステムの津波対策としての有効性が示唆された.[本要旨はPDFには含まれない]