著者
石原 知洋 四本 裕子 角野 浩史 玉造 潤史 中村 遼 小川 剛史 相田 仁 工藤 知宏
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.85-92, 2020-11-26

2020 年初頭から発生した COVID-19 により,多くの大学で 4 月からオンラインによる講義の配信を行っている.オンライン講義のメリットが明らかになる一方で,様々な要因から対面での講義の実施も求められている.そこで東京大学では,COVID-19 対応のためオンラインと,感染症対策を実施した上での対面講義の双方を実施するハイブリッド方式の講義を検討している.このハイブリッット方式では,対面講義のためキャンパスに来た学生が,対面講義の他にもその日のオンライン講義をキャンパスのネットワークを用いて受講することになる.このように多数の学生がキャンパスネットワークを用いてオンライン講義を受講するにあたって,どの程度のネットワーク設備があればそのような講義形態が可能であるかは自明ではない.そこで我々は,最もボトルネックになると想定されるユーザ端末の無線接続について,実際の教室を用いて多人数での同時オンライン講義の受講が可能であるかの評価実験をおこなった.本実験では,いくつかのオンラインの講義シナリオを設定し,ネットワーク状況やオンライン講義の音声・映像の品質を計測,確認した.本論文ではその実験結果および得られた知見について述べる.
著者
タイ タッチ バオ 森野 博章 相田 仁 齊藤 忠夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.506, pp.37-42, 1999-12-16

スケーラビリティのある多段接続網を用いた大容量可変長パケットスイッチのアーキテクチャを検討している。本稿では、パケットの分散入力の原理を導入し、再ルーティングの原理を用いた多段接続網を提案した。提案スイッチは複数段のノンバッファ単位スイッチで構成され、Shuffle Patternで多段接続され、リングトポロジーで繋いで、入力ポートをこのリング状に分散させる。スイッチに入力されるトラヒックは均等に各段に分散され、単位スイッチの利用効率の向上を図って、従来の再ルーティング型パケットスイッチよりも少ないハードウェア量で目標のパケット損失率を達成できる。また、不均一なトラヒックの場合でも、均一なトラヒックの場合とほとんど変わらない性能を示す。
著者
アルトゥンタシュ オヌル 金 炳錫 青木 輝勝 相田 仁 齊藤 忠夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.149-150, 1995-09-20
被引用文献数
1

近年の光通信、ATM交換技術の発展により、伝送速度150Mbps以上の高速ネットワークが比較的安価で容易に手に入れられるようになりつつある。しかし、このような高速ネットワークの上では、TCPのような従来のトランスポートプロトコルの処理がボトルネックとなり、高速ネットワークの性能を充分に生かしきれない可能性がある。本論文では、高速ATMネットワーク上で大容量データ通信を行う場合のTCPの性能について実験を行い、その結果をまとめる。
著者
森野 博章 ホアイソン グエン 相田 仁 齊藤 忠夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.289, pp.37-42, 2001-09-07

1〜10テラビット/秒の容量をもつ将来の大容量ルータのためのスイッチファブリックの実現方法として、多段接続網により数千ポートの入出力ポート対を扱う手法が考えられる。しかし従来の多段接続網方式の多くは固定長パケットスイッチングを対象として提案されており、回路設計を含めたIPパケットスイッチングへの最適化の検討はほとんど行われていない。筆者らは、IPパケットのための多段接続スイッチとして再ルーティングと最短経路ルーティングの原理に基づくリングシャッフルパターンスイッチを提案しているが、本稿では、本方式の回路構成方式の検討を行う。提案方式についてシミュレーションによる評価および回路設計を行い、この結果をもとに、64×64のサイズのスイッチをLSIに納めLSIを多段接続して4000ポート程度を扱うスイッチファブリックを実現する見通しについて示す。
著者
林 孝典 山崎 真一郎 森田 直人 相田 仁 武市 正人 土居 範久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.523-533, 2001-03-01
被引用文献数
20

本論文では, インターネットの複数経路にパケットを分配してデータ伝送する方式について検討し, 各経路へのパケット分配方法とパケット順序の並べ替えの効果をシミュレーションにより評価した.シミュレーションでは, 同じ回線速度の2経路を用いてファイル転送する場合を対象とした.また, ネットワーク品質として, 固定伝送遅延時間, 遅延ゆらぎ, パケット損失を考慮した.その結果, データ送信側ではパケットを送信バッファ待ち時間が短い経路へ分配し, データ受信側ではパケット順序の並べ替えを行うと同時に, 2経路からパケットを受信してもデータの連続性が更新されなかった場合は, パケット損失が発生したと判断して順序待ちを解除する方式が, 最も安定したスループットが得られることがわかった.また, 2経路の遅延時間差が4パケット時間以内の場合は, パケットを2経路に交互に分配する方法を用いれば, パケット順序の並べ替えを行わなくても, 前者の方式と同等の性能が得られることがわかった.
著者
目黒 浩二 青木 輝勝 相田 仁 斉藤 忠夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

伝送路の高速化により、伝送速度155[Mbps]以上の高速LAN・MANが実現され、この伝送路を効率良く使用するアクセス方式の研究がされてきた。現在までの代表的なアクセス方式としてATMR(ATM Ring)方式が提案されている。ATMR方式は、トラヒックの分布が、一様でない状態においてもアクセス公平性を保つために、帯域割り当て・リセットアルゴリズムを使用し制御を行っている。この方式では、帯域をすべて使用したノードは、伝送路が空いている状態においても送信できない。帯域割り当てをリセットするためのリセット時間がオーバヘッドとなり、伝送路に使用されない帯域が発生してしまう。本稿では、リセットアルゴリズムを使用せず、アクセス公平性を保ちアクセス時間の揺らぎを抑えたTDSR(Time Division Sloted Ring)方式について提案する。