著者
石井 卓
出版者
成蹊大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

多変数非正則保型形式のフーリエ展開を記述するために、実半単純リー群上の球関数の研究を様々な場合に行った。これら球関数は偏微分方程式系によって特徴付けられる。表現論的手法によりその方程式系を導出することから始め、保型形式への応用に耐えうる形でその解の積分表示を求めた。さらに、保型L関数への応用として、これら球関数の積分変換である、ゼータ積分の無限素点における計算を実行し、L関数の関数等式、正則性という大域的な結果を得た。
著者
中本 祐樹 吉敷 香菜子 石井 卓 稲毛 章郎 上田 知実 嘉川 忠博 朴 仁三 和田 直樹 安藤 誠 高橋 幸宏
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

【背景】手術技術の向上と内科管理の進歩によりFontan型手術の生存率は飛躍的に向上したが、Fontan手術適応ぎりぎりの症例に直面することも少なくない。またfenestrationを設けるべきかどうかの基準も一定の見解が無いのが現状である。【目的】Fontan手術の適応限界やfenestrationを設ける基準について検討すること。【方法】2010年1月~2013年12月までの4年間に当院でTCPCを行った128例を対象とした(IVC欠損例は除外した)。手術時年齢の中央値は2.5歳(1.0~37.0歳)。nonfenestrated TCPC手術(n-TCPC)を行った症例をN群(n=82, 64%)、fenestrated TCPC手術(f-TCPC)を行った症例をF群(n=46, 36%)とした。【結果】 病院死亡は2例(1.6%)、遠隔死亡は1例(0.8%)ですべてF群であった。術前カテデータでは、F群の方がN群よりSaO2が低く(83±5% vs 86±4%)、PAIも低かった(219±117 vs 291±129)。術後入院期間は、F群の方がN群より長かった(44±81日 vs 25±16日)が、術後ドレーン留置期間に差はなかった。術後カテデータでは、F群の方がN群より主心室の拡張末期圧が高く(9.2±3.4 vs 7.0±2.6)、肺動静脈間圧較差が小さく(4.5±1.4 vs 5.5±1.9)、SaO2が低かった(87±35 vs 94±2)。Qsに差はなかった。F群の3例(6.5%)、N群の2例(2.4%)でPLEを発症した。【考察】F群で死亡例やPLE発症例を多く認め、術後入院期間も長かったのは、術前条件が不良でFontan手術の厳しい症例が多かったことによる。術前のSaO2の低い、PAIの低い症例は、肺血管床の発育が不十分でありfenestrationを設けるべきである。しかし、fenestrationを設けた場合には術後主心室の拡張末期圧が高くなる可能性がある。【結論】肺血管床の乏しい症例はfenestrationを設けた方が良いが、心機能の悪い症例はfenestrationは無い方が良い。肺血管床が乏しく心機能も不良な症例のFontan手術適応は慎重に判断すべきである。
著者
宮本 紫織 石井 卓也 白石 泰郎 望月 美菜子 井上 智 四宮 博人
出版者
公益社団法人 日本水道協会
雑誌
水道協会雑誌 (ISSN:03710785)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.2-12, 2020

水道水中ハロ酢酸類9種(水道水質基準項目:3物質、要検討項目:6物質)について、前処理を必要としない直接注入- LC/MS/MS による一斉分析法を検討した。ハロ酢酸類2μg/L に高濃度マトリックス(塩化物イオン:177mg/L、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオン、炭酸イオン:100mg/L、硝酸イオン:100mgN/L)をそれぞれ添加し回収率を求めた結果、9種すべてのハロ酢酸類で71~118%の回収率が得られた。また、標準液の溶媒としてtert -ブチルメチルエーテル、メタノール、エタノール及び精製水を用いて長期保存試験を実施した結果、メタノールはメチル化、エタノールはエチル化が進み、ハロ酢酸類原体の濃度が減少した。この濃度低下は、保存温度が高く、さらには混合標準液とすることで顕著であった。ハロ酢酸類は、メタノール溶液(-20℃)保存においてもメチル化反応が進むため、標準溶液に用いる溶媒はtert -ブチルメチルエーテルが最適であることを確認した。
著者
石井 卓郎 Ishii Takuro
出版者
名古屋大学農学国際教育協力研究センター
雑誌
農学国際協力 (ISSN:13475096)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.89-121, 2010-02

わが国における陸稲育種研究は,食糧自給率の向上を目的として1929年に農林省が全国の五ヵ所(秋田,茨城,三重,鳥取,鹿児島)に陸稲育種指定試験地を設置したことに始まる。戦後の組織再編以降は,茨城県農業総合センターが唯一の指定試験地として品種育成を担ってきたが,作付面積の減少等の理由から2005年度で終了した。この77年の間に61品種が育成されている。この間の研究内容および成果は時代背景ごとに大きく分けると以下のとおりである。 1929-1950 食糧の増産が強く求められた時期である。とくに開拓地では,陸稲は経営が安定するまでの欠かせない食糧として重視された。品種育成は,耐干性の向上と多収性を目標として推進され,この結果,短強稈で栽培しやすく,当時としては良食味の「農林12号」や多収品種「農林糯26号」等が育成された。また,播種期や栽植密度,敷わら効果等の陸稲栽培に関する基本的な研究やカリ欠乏土壌やリン酸欠乏土壌等の開拓地で栽培するための品種比較試験が行われた。 1951-1970 引き続き食糧の増産が求められる中で,畑地かんがい設備が整備され始めた。水稲品種ではいもち病の多発等のため,畑かん栽培への転用が困難なことから,畑地かんがいを前提とした専用品種の育成が目標とされ,主に水稲と陸稲との交配により品種育成が進められた。この結果,強梓・多収品種「オカミノリ」(農林24号×水稲農林29号),良質・多収品種「ミズハタモチ」(越路早生×ハタコガネモチ)等が育成された。また,かん水栽培法や陸稲の麦間栽培法に関する研究が多くなされた。 1971-1988 米の生産調整が開始される中で,陸稲は野菜の連作障害を緩和する効果があることから,クリーニングクロツプとして野菜作の輪作体系に取り入れられ始めた。このため,野菜作との組合せが容易で干ばつ回避効果も期待される早生品種の育成が主目標とされ,早生熟期「トヨハタモチ」や「キヨハタモチ」が育成された。また,陸稲により連作障害が緩和される仕組みに関する研究や外国陸稲の耐干性(深根性)の評価と交配母本としての利用,ハウスを利用した独自の耐干性検定方法の開発が進められた。 1989-2005 野菜作を中心とする畑作経営が一段と集約化する中で,野菜作との組合せがより容易な極早生熟期で,安定生産が可能となる高度耐干性品種の育成を目標として品種育成が推進された。この結果,まず,外国陸稲「JC81」に由来する深根性を導入した中生・高度耐干性品種「ゆめのはたもち」が育成され,次に「ゆめのはたもち」の耐干性と「関東糯166号」の早生・耐冷性を集積することに成功した早生・安定多収品種「ひたちはたもち」が育成された。また,陸稲需要の拡大を図るための加工特性に関する研究やイネゲノム研究の進展にあわせて陸稲を遺伝資源として利用し,陸稲の有する新規いもち病圃場抵抗性遺伝子を水稲へ導入する研究が進められた。本発表では、主として演者らがこれまでに行ってきた研究成果をたどりながら、土壌環境の中で、とくに、土壌水分を中心にその作物根の発育や機能に及ぼす影響を、可塑性をキーワードに考えてみたい。 In 1929, the government breeding program began upland rice breeding research at five breeding stations (Akita, Ibaraki, Mie, Tottori and Kagoshima). Though only Ibaraki Agricultural Center continued upland rice breeding after the post war reorganization, upland rice breeding ended in March 2006 because of a sharp decrease in cultivation area. Sixty-one varieties were bred from 1929 to 2006. Many studies had been carried out on drought resistance and other similar conditions. The achievements of upland rice breeding in each time period are as follows: 1929-1950 The increase of crop production was strongly requested. Upland rice played an important role until farming managements stabilized particularly at reclaimed field. The breeding objectives in this period were mainly high yielding and drought resistance. As a result “Norin 12” which is a high yielding variety with relative short culm and “Norinmochi 26” which is a high yielding glutinous variety and others were released. There were also discussions on basic cultivation studies such as sowing time, sowing quantity and straw mulch effect as well as a variety of screening tests for reclaimed fields suffering from potassium and/or phosphorus deficiency. 1951-1970 The field irrigation systems began to be equipped in upland field, while the increase of crop production was still requested. As the paddy rice was not suitable for upland cultivation due to damage from blast disease, the specific varieties were requested for the cultivation at upland fields with irrigation systems. Therefore breeding was mainly promoted by a cross between paddy rice and upland rice. As a result high yielding varieties such as “Okaminori”, “Mizuhatamochi” and others were released. Additionally many studies on the cultivation methods using field irrigation and cropping systems with wheat or barley cultivation were carried out. 1971-1988 When the overproduction of paddy rice became a serious issue, upland rice began to be used as a rotation crop because it had an effect on the decrease in continuous cropping injury of vegetables. Thus, the breeding of early maturing varieties which made the rotation with vegetable cultivation efficient and were expected to have the effect on drought escape was promoted. As a result early maturing varieties such as “Toyohatamochi” and “Kiyohatamochi” were released and evaluations of deep rooting of foreign upland rice cultivars as well as their utilization as breeding materials were conducted. The greenhouse method for evaluation of drought resistance was also originally exploited. 1989-2005 As vegetable cultivation became more intensive, the very early maturing varieties with high drought resistance were requested for the stable management of crop rotation. As a result, first medium maturing variety “Yumenohatamochi” with deep rooting which was derived from foreign upland cultivar “JC81” was released. Then a very early maturing and stably high yielding variety “Hitachihatamochi” which had the drought resistance acquired from “Yumenohatamochi” and very early maturation and cold tolerance acquired from “Kantomochi 166” was released. Additionally, studies on the processing suitability for the promotion of upland rice consumption were discussed. Based on the idea of using upland rice as a genetic resource, the introgression of blast resistance genes from upland rice into several types of paddy rice by using DNA markers was also promoted.
著者
飯田 修一 出田 収 松下 景 春原 嘉弘 根本 博 前田 英郎 石井 卓朗 田村 泰章
出版者
農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター
雑誌
近畿中国四国農業研究センター研究報告 (ISSN:13471244)
巻号頁・発行日
no.10, pp.69-86[含 英語文要旨], 2011-02

「姫ごのみ」は,温暖地西部向きの良質な低アミロース米品種を育成することを目的として,低アミロース米の「ミルキークイーン」を母,良質,良食味の「中国169号」父とする交配後代より育成した品種である.1999年,中国農業試験場(現近畿中国四国農業研究センター)において交配を行い,以降,集団育種方に準じて育成を進め,2005年以降は系統番号「中系2855」を付して,生産力検定試験,系統適応性検定試験に供試してきた.2006年以降は系統名「中国192号」を付して地域適応性を検討してきた.2010年に「姫ごのみ」として,品種登録出願(出願番号第24753号)を行った.1. 出穂期は「柔小町」より7日早く,「ヒノヒカリ」と同等である.成熟期は「柔小町」より8日早く,「ヒノヒカリ」と同等である.瀬戸内平坦部では"中生の晩"にあたる.稈長は86cmで,「柔小町」より5cm短く,「ヒノヒカリ」と同等である.穂長は「柔小町」と同等で,「ヒノヒカリ」より1.8cm程度長い.穂数は「柔小町」と同等で「ヒノヒカリ」よりやや少ない.草型は"中間型"である.耐倒伏性は「ヒノヒカリ」並かやや劣る"やや強"である.2. 「姫ごのみ」の玄米千粒重は約21gであり,「ヒノヒカリ」と同等である.玄米の外観品質は,「ヒノヒカリ」,「柔小町」より明らかに優る.なお,低アミロース性があるため外観はわずかに白濁する.育成地における普通期移植栽培での玄米収量は「ヒノヒカリ」よりやや多収である.3. 「姫ごのみ」のアミロース含有率は,8.4%で,「ヒノヒカリ」と比べると明らかに低く,「ミルキークイーン」と同等である.アミロース含有率が低いため,炊飯米は「ヒノヒカリ」より柔らかく,粘りが強く食味の総合評価は「ヒノヒカリ」並の"上の中"である.4. いもち病真性抵抗性遺伝子はPiaを有すると推定され,葉いもち圃場抵抗性は"中",穂いもち圃場抵抗性は"中"である.白葉枯病抵抗性は"中",縞葉枯病抵抗性は"抵抗性",穂発芽性は"やや難"である.5. 出穂期から判断して,「姫ごのみ」は関東以西の地域に適するとみられる.
著者
村井 保 石井 卓爾
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.149-154, 1982-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
11
被引用文献数
31 49 8

ヒラズハナアザミウマの飼育法を検討した結果,以下のことが明らかとなった。1) ヒラズハナアザミウマは薄膜(シーロンフィルム)を通して液体飼料を吸汁でき,この薄膜を通して液中によく産卵することがわかった。2) ヒラズハナアザミウマは,蜂蜜液だけでは発育,産卵できなかったが,チャ,ナシ,イチゴ,チューリップ,マツなどの花粉と蜂蜜液の組み合わせでは,餌を交換しなくても幼虫が発育し,85∼90%の高率で羽化成虫を得ることができた。さらに,この方法により産卵も促進した。3) ハナアザミウマも花粉と蜂蜜液で飼育できることがわかり,訪花性アザミウマ類の簡易大量飼育の可能性が示唆された。4) 本法による発育調査の結果,ヒラズハナアザミウマ,ハナアザミウマとも,羽化までの発育は揃い,成虫の生存期間は長く,産卵数は極めて多いことがわかり,訪花性アザミウマ類にとって,本飼育法は,葉や果実を用いる飼育よりも本来の餌条件に適合していることがわかった。
著者
松下 景 春原 嘉弘 飯田 修一 前田 英郎 根本 博 石井 卓朗 吉田 泰二 中川 宣興 坂井 真
出版者
農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター
雑誌
近畿中国四国農業研究センター研究報告 (ISSN:13471244)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-14[含 英語文要旨], 2008-03

「はいいぶき」は苗立ちの良い巨大胚品種を育成する目的で巨大胚水稲「奥羽359号(後の「恋あずさ」)」を母,「中国151号」を父とする交配後代より育成した品種である。1996年中国農業試験場(現・近畿中国四国農業研究センター)において交配を行い,以後,系統育種法に準じて育成を進め,2003年以降は系統名「中国183号」を付して地域適応性を検討してきた。2006年度に「水稲農林418号」として登録された。1 出穂期は「はいみのり」より4~5日早く,成熟期は「はいみのり」より4日程度早い。瀬戸内平坦部では"中生の晩"に当たる。稈長は「はいみのり」並かやや短く,穂長は「はいみのり」並かやや短い。穂数は「はいみのり」より多く,草型は"穂重型"である。稈の剛柔は"やや剛",稈の細太は"中"で,耐倒伏性は「はいみのり」並かやや強い"強"である。芒は通常生じず,ふ先色・ふ色はともに"黄白"で,粒着密度は"密",脱粒性は"難"である。2 「はいいぶき」の発芽率は通常品種よりやや低いものの,「はいみのり」よりやや高い。出芽率は通常品種より低いが,「はいみのり」より明らかに高い。すなわち,「はいいぶき」は「はいみのり」と比較して苗立性が優れ,浸漬を十分に行った種子を2割程度多めに播種することにより機械移植が可能となる。3 「はいいぶき」の玄米の外観品質は「はいみのり」に優り,「日本晴」並である。4 「はいいぶき」の玄米千粒重は「はいみのり」並の19g程度で,胚芽重歩合は通常品種の2~3倍である。「はいいぶき」は搗精時の胚芽残存歩合が「はいみのり」より高く,胚芽精米としての利用に適する。「はいいぶき」玄米および胚芽精米の25℃水浸漬におけるGABAの生成量は,通常品種の2倍程度である。5 「はいいぶき」の発芽玄米の食味は「はいみのり」に優る。また「はいいぶき」は胚芽精米を用いた調理飯として,五目ちらし寿司などの混ぜご飯や炊き込みごはんに適する。6 育成地における普通期移植栽培では「はいいぶき」の玄米収量は「はいみのり」よりやや多収である。7 いもち病真性抵抗性遺伝子はPia,PiiおよびPikを有すると推定され,葉いもち圃場抵抗性は"弱",穂いもち圃場抵抗性は"やや弱"である。白葉枯病抵抗性は"やや弱",穂発芽性は"やや難"である。
著者
石井 卓郎 Ishii Takuro
出版者
名古屋大学農学国際教育協力研究センター
雑誌
農学国際協力 (ISSN:13475096)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.89-121, 2010-02 (Released:2013-03-05)

The proceedings included herein are the papers presented in the Seventh ICCAE Open Forum held in October 20th, 2006 at Nagoya University, Japan.