- 著者
-
石井 美和
- 出版者
- 一般社団法人 日本保育学会
- 雑誌
- 保育学研究 (ISSN:13409808)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.1, pp.105-116, 2021 (Released:2021-11-25)
- 参考文献数
- 35
本研究の目的は,保育者が子育て支援という新しい実践を形成するプロセスを通じて,どのように保育者アイデンティティを再構築するのかを明らかにすることである。その際,新制度派組織論における制度ロジック概念を参照することにより,保育者が用いる論理に着目する。本研究では,子育て支援に早くから取り組んできた幼稚園教諭1名へのインタビューデータを分析した。その結果,市場ロジックと共同体ロジックの矛盾が子育て支援実践の形成の契機となっていることが明らかになった。また,保育者は自律性を拡大する形でアイデンティティを再構築していることが明らかになった。