著者
岡本 直久 川田 真理絵 石田 東生 堤 盛人 谷口 綾子 諸田 恵士
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.801-806, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

本論文では、つくばエクスプレスの周辺地域における住民の交通行動の変化と、交通手段に対する意識の変化を把握し、つくばエクスプレス開業が住民に与えた影響を把握することを目的としている。2005年8月24日、つくば市と秋葉原を結ぶつくばエクスプレスが開業し、つくば市とその周辺地域では、路線バスの再編や駅の新設・道路整備などが行われ、地域内の交通体系が大きく変化したことが期待される。結果として、駅などの幹線公共交通へのアクセス手段について、つくばエクスプレス開業前に比べて住民がより合理的に交通手段を選択する傾向が示唆され、アクセス手段の交通サービスレベルが変化していることが伺えた。
著者
谷口 守 石田 東生 小川 博之 黒川 洸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.443-451, 1995-08-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

自動車交通問題の解決のためには、個人の交通手段選択を自動車から公共交通などにシフトさせることの重要性が指摘されている。しかし、そのための基礎となる都市の特性と交通手段選択の関係に関する実証的研究は不十分である。本研究では、全国の131都市を対象に、1970、80、90年の国勢調査報告の通勤・通学利用交通手段のデータを用い、各都市の通勤・通学交通手段分担率の地域的・時間的変化を把握すると共に、その都市特性との関連を判別分析、正準相関分析を通じて明らかにした。この結果、モータリゼーション化のばらつき特性、分担率変化の特性を把握するとともに、都市構造にまで言及しない交通政策の限界を指摘した。
著者
谷口 綾子 宮川 雄貴 石田 東生
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.54-64, 2014
被引用文献数
3

本研究では,2010年8月に開通したかしてつバス導入経緯に着目した物語を整備関係者・利用者へのインタビューより作成し,職員教育の一環として沿線自治体職員にその物語の読了を要請することで,物語が自治体職員の地域愛着に与える効果を把握した.物語の効果計測調査では,物語を読む群,物語と同一の内容を年表にまとめた資料を読む群,統制群の3群を設定し,群間や物語の評価の高低により地域愛着等に差があるかを分析した.その結果,物語を高評価した人はバスへの愛着が高く,バス利用意図も高いことが定量的に示された.さらに,資料群の感想は即物的・個別的内容に限られたが,物語群の感想は,公共交通の大切さや人と人とのつながりの大切さといった普遍的な記述が多いことが示され,物語読了の効果を質的に把握することができた.
著者
黒川 洸 谷口 守 橋本 大和 石田 東生
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.121-126, 1995-10-25 (Released:2018-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2

SPRAWL AREA HAS FORMED BY RAPID URBANIZATION IN METROPOLITAN SUBURBAN AREA. INFRASTRUCTURE IMPROVEMENT, SUCH AS PROVIDING ROAD, PARK AND SEWERAGE BECOME VERY DIFFICULT AND INEFFICIENT, IF SPRAWL AREA HAS ONCE FORMED. THIS RESEARCH AIMS TO CALCULATE THE EFFECT OF COST REDUCTION BY EXECUTING PRE-INFRASTRUCTURE IMPROVEMENT BEFORE OUTBREAKING URBAN SPRAWL. INCREASE OF PROPERTY TAX BY PRE-INFRASTRUCTURE IMPROVEMENT IS ALSO CALCULATED. IT IS CLARIFY THE COMPENSATION COST ACCOUNT FOR LARGEST PART OF ALL COST REDUCTION.
著者
岡本 直久 石田 東生 佃 晋太郎 古屋 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.871-877, 2003

高速道路におけるETCサービスの本格運用が開始されているものの, ETC車載器の普及は進んでいない. ETCは利用者数の増加に伴いその効果が増加するという特性を持つため, 現状のような低需要の状況では効果が発揮されない恐れがある.<BR>本研究では, 自動車保有者のETC車載器購入意思決定と, ETC車混入率がもたらす道路ネットワークサービスレベルへの影響とを関連づけた普及シミュレーションを作成した. シミュレーションに基づき車載器価格変動料金割引施策が, 車載器普及にどのような影響を与えるかを分析している. 特に車載器価格の初期低価が普及に大きな影響を与えることが明らかになった.
著者
谷口 守 石田 東生 岡本 直久 堤 盛人 谷口 綾子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

現在、エクメーネは荒廃が続いており、その構造面からの修復を本気で考えねばならない段階にある。特に都市域のコンパクト化やスマートシティ化といった政策や、およびエコロジカル・フットプリントなど適切な評価指標の開発も必要である。本研究ではそれら諸課題に主に統計的な観点から対応するとともに、対応する都市計画制度や意識改革に至るまで、次の時代のための新たな解決策の提示を行った。
著者
谷口 綾子 浅見 知秀 藤井 聡 石田 東生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.441-448, 2009 (Released:2009-11-20)
参考文献数
10

効率的な都市構造「コンパクトシティ」を実現するためには,土地利用規制とともに,人々の居住地を公共交通機関の近くに誘導する施策が不可欠である.本研究ではこうした認識の下,平成20年4月に転居予定の筑波大学の学生を対象に,居住地選択のための探索行動を行うであろう平成19年11月から平成20年3月の期間に,一般的な住宅情報とともにバス停位置の情報を提供するというコミュニケーションを実施し,これによりバス停近くの居住地選択を促すことが可能か否かを実証的に検証した.その結果,バス停位置を強調した情報を提供した群は,バス停を強調しない情報を提供した群よりも,バス停近くのアパートを選択する傾向が2倍程度高いという結果が示された.