著者
中村 淳路 横山 祐典 関根 康人 後藤 和久 小松 吾郎 P. Senthil Kumar 松崎 浩之 松井 孝典
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.174, 2013 (Released:2013-08-31)

地球上に存在するクレーターの形成年代や侵食過程について検討することは, 他の惑星表面のクレーターの形成過程を検討する上で重要である. 本研究は, インド・デカン高原上に位置する直径1.88kmの衝突クレーターであるロナクレーターについて, 宇宙線照射生成核種(10Be, 26Al)を用いた年代測定を行うことで, 形成年代と侵食過程の検討を行った. ロナクレーターは玄武岩上に形成され現在までよく保存されているクレーターとしては地球で唯一のクレーターであることから, 火星上のクレーターの比較対象として注目されている. しかし先行研究によるロナクレーターの年代推定は, 測定手法によって1.79 ka から570 kaまでと大きく異なっている. 本研究では10Be, 26Alを用いて新たにロナクレーターの表面照射年代を決定し, さらにイジェクタの露頭の14C年代測定を行うことで, 形成年代値の再検討を行なった.
著者
鈴木 かの子 松井 孝典 川久保 俊 増原 直樹 岩見 麻子 町村 尚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.4H3GS11d01, 2021 (Released:2021-06-14)

幅広いステークホルダーがSDGs(持続可能な開発目標)に取り組み,成功事例を共有することは重要である.そこで本研究は深層学習型の自然言語処理モデルBERTで,①活動事例や課題をSDGsに写像する分類器を構築すること,② SDGs間の連環関係 (nexus) を可視化すること,③地域課題とそれを解決しうる取り組み事例とのマッチングシステムを構築することを目的とした.まず,国連関連文書,日本の政府関連文書,内閣府が収集するSDGsの課題解決等に関する提案文書を収集し,各文書とそれに対応する複数のSDGsが対になったマルチラベルデータフレームを構築し,WordNetを用いたデータオーグメンテーションを行った.次に,訓練済み日本語BERTモデルをマルチラベルテキスト分類タスクでファインチューニングし,nested cross-validationでハイパーパラメータの最適化と交差検証精度の推定を行った.最後に,学習後のBERTモデルでSDGs間の共起ネットワークを可視化するとともに,地域課題と取り組み事例のベクトル埋め込みを行ってコサイン類似度を取得することで,マッチングシステムの開発を行った.
著者
増田 圭祐 松井 孝典 福井 大 福井 健一 町村 尚
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-33, 2017 (Released:2017-07-11)
参考文献数
55

群馬県みなかみ町にて捕獲した3科7属11種のコウモリ類(アブラコウモリPipistrellus abramus,ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus,ヒメホオヒゲコウモリMyotis ikonnikovi,カグヤコウモリMyotis frater,モモジロコウモリMyotis macrodactylus,テングコウモリMurina hilgendorfi,コテングコウモリMurina ussuriensis,キクガシラコウモリRhinolophus ferrumequinum,コキクガシラコウモリRhinolophus cornutus,ヒナコウモリVespertilio sinensis,ニホンウサギコウモリPlecotus sacrimontis)のエコーロケーションコールから,コウモリ類専用の音声解析ソフトウェアSonoBat 3.1.6pを用いて,コールの開始・終了時の周波数や持続時間をはじめとする75種類の特徴量を自動抽出し,Random ForestおよびSupport Vector Machineの2種類の機械学習法を階層的に組合せた識別器を構築し,種判別を試みた.その結果,6,348のコールに対して10×10分割の入れ子交差検証で評価したところ,属レベルで96.3%(SD 0.06),種レベルで94.0%(SD 0.06)の正答率で判別ができた.また,大阪府吹田市北部の屋外で収録したエコーロケーションコールに対して,構築した識別器を適用してコウモリ類の種を推定し,活動の分布を地図化するプロセスを開発した.これらの結果をもとに,考察ではデータの追加に伴い識別器の精度が向上する可能性があることと種内変異が識別精度に大きな影響を与えることを議論した.フィールドへの適用では,識別器でコウモリ類の空間利用特性を把握し,地理情報と連携させることの有用性を議論した.最後に,エコーロケーションコールに対して機械学習法を用いた種判別と音声モニタリングをする際の今後の課題について述べた.
著者
松井孝典著
出版者
集英社
巻号頁・発行日
2005
著者
門野 敏彦 重森 啓介 弘中 陽一郎 佐野 孝好 藤岡 慎介 境家 達弘 杉田 精司 黒澤 耕介 大野 宗祐 松井 孝典 中村 昭子 荒川 政彦 近藤 忠 藪田 ひかる
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高出カレーザーを用いてサブミリメートルサイズの弾丸および平板飛翔体を加速した.従来の加速方法ではこのサイズの飛翔体は秒速数kmまでしか加速できなかったが,本研究では秒速10km以上(最高秒速60km)に加速することに成功した.この技術を使って岩石標的に対して超高速度衝突実験を行い,衝突によって発生する高圧状態での岩石物質の状態方程式,高圧から解放後に発生する蒸気の組成や熱力学状態,クレーターサイズ,放出破片,クレーター深部の状態,など,これまで全く実験的データの無かった未知領域での知見を数多く得ることが出来た.
著者
前川 侑子 田口 華麗 牛込 祐司 佐藤 匠 小林 啓悟 芳賀 智宏 町村 尚 東海 明宏 松井 孝典
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.A71-A86, 2022 (Released:2022-09-05)
参考文献数
50

鳥類ではポイントカウントやラインセンサス等によりモニタリング調査が行なわれている.近年,費用対効果が高く,調査圧の少ない新しい調査として,録音データからAI技術により鳥類の鳴き声を自動で検出・識別する方法が試行されているが,その詳細な方法は定まっていない.そこで,本研究では,いくつかの異なる条件での鳥類の鳴き声の識別精度を比較することで,鳴き声の識別を行なう際の最適な条件を検討した.なお,条件としては,最適な音声の検出(長時間のデータから効率的な解析を行なうための前処理)方法・学習する音声の時間幅・学習の手法を検討した.対象種は,環境省レッドリストにおいて絶滅危惧Ⅱ類に指定されているサシバで,解析には2地点で録音したサシバの鳴き声を含む音声をもちいた.その結果,音圧が1-3dB上昇した時点を検出し,2-3sの時間幅で切り出した音声をもちいて,畳み込みニューラルネットワークにより学習を行なうことで,高精度で鳴き声を検出できることがわかった.交差検証と汎化性能のF値は最高でそれぞれ0.89,0.71であった.
著者
増原 直樹 岩見 麻子 熊澤 輝一 鈴木 隆志 松井 孝典 川久保 俊
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.37(2023年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.46-51, 2023-12-08 (Released:2023-12-08)
参考文献数
10

日本全国のSDGs 未来都市について,154 の未来都市計画の内容分析と15 の自治体担当者を対象とした聞取り調査結果を基に,SDGs 政策の重点ゴールの変化,総合計画におけるSDGs 対応の手法,庁内外への普及啓発の現状とSDGs 推進上の課題を明らかにした。SDGs 担当課だけでなく行政各課もSDGs マッピングの作成過程に参加することで普及啓発のねらいがあると考察されたほか,先行研究と比較したところ未来都市における課題と一般的な自治体における課題には異なるところがあり,先進的に取り組んでいるが故に生じる課題がいくつかの未来都市で明らかになった。
著者
岩見 麻子 後藤 侑哉 増原 直樹 松井 孝典 川久保 俊
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.37(2023年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.175-180, 2023-12-08 (Released:2023-12-08)
参考文献数
8

本研究ではSDGs に関する話題の動向を把握する方法として,新聞記事に対するテキストマイニングの有用性を検討することを目的とした。具体的には朝日新聞を対象に「SDGs」が含まれる記事を収集し,対象記事の件数や分量の時系列推移を把握するとともに,出現語の関係性の可視化を試みた。その結果,SDGs が採択された当初の2015・2016 年はSDGs の紹介や全球規模の問題について扱われていたのに対して,2017 年以降はそれらの話題を残しつつ徐々にSDGs の達成に向けて活用が期待される技術や国内の地域レベルの問題,自治体・企業・学校での具体的な事例・取り組みへと話題が変化していったことを明らかにすることができ,SDGs に関する話題の動向を把握する方法として,新聞記事に対するテキストマイニングの有用性を示すことができた。
著者
増原 直樹 岩見 麻子 松井 孝典
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.33(2019年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.43-48, 2019-11-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,SDGs 達成に向けた取組みの一つとして,政府が指定した国内29 のSDGs 未来都市に着目し,環境モデル都市,環境未来都市,SDGs 未来都市が相互に重複する取組みであることを実証するとともに,29 自治体のSDGs 未来都市計画が貢献しようとするゴールを集計した。環境未来都市の中ではゴール7やゴール11 に関する取組みが多かったのに対し,SDGs 未来都市では,それらに加えゴール8,9,13 に関する取組みが増えており,取組みの多いターゲット17.17 に関してグローバル指標とSDGs 未来都市が設定するKPI の傾向が異なっていること,京都市の事例からはローカライズ指標に関するデータ取得や指標範囲設定の困難さの存在を明らかにした。
著者
古林 知哉 松井 孝典 宮内 達也 町村 尚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.1B2OS02a5, 2014 (Released:2018-07-30)

日本ではニホンジカの増加や生息域拡大により,生態系や農林業への被害が増加している.アメリカではオオカミの再導入により植生の回復がみられたが,日本での活用のために定量的な解析が必要である.本研究ではマルチエージェント化した個体群動態モデルと生態系プロセスモデルBiome-BGCの結合し,ニホンジカの採食がC3grass植生へ与える影響の緩和に対してオオカミ再導入が与える効果を定量的に評価した.
著者
黒澤 耕介 小松 吾郎 薮田 ひかる 森脇 涼太 岡本 尚也 佐久間 博 松井 孝典
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.140-148, 2021 (Released:2022-02-10)
参考文献数
29

In this article we first review the roles of hypervelocity impacts in volatile partitioning on planetary surfaces and thermodynamics of shock vaporization/devolatilization of geologic materials. Impact experiment in an open system is essential to accurately estimate the shock pressure required for incipient vaporization/devolatilization, and we introduce a newly-developed open system experimental technique applied to two-stage light gas guns. This experimental apparatus allows us to measure impact-generated gases with a mass spectrometer at the same geometry of natural impacts with a limited risk of chemical contamination from the gun operation. The threshold pressures of vaporization/devolatilization for halite and gypsum were measured to be 18-31 GPa and <11 GPa, respectively. The new open system method is expected to serve as a powerful tool to explore the nature of shock vaporization/devolatilization of geologic materials.
著者
松井 孝典 池野 優子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.II_73-II_82, 2011 (Released:2012-03-16)
参考文献数
33

本研究では,自然生態系と人間システムを包含する共生システムが適切な状態を築く,すなわち,自然生態系のストックである気候条件や環境物,植物群集,動物群集とそれに対する人々の感覚器の反応や活動系が良好な共起状態を持つことで,文化的生態系サービスが持続的に享受できるという仮説の基で,その生態系サービスを得るための共生システムの構造を解析することを目的としている.具体的には,この文化的生態系サービスを受け取った教師信号が内包されていると考えられる事例ベースの一例として小倉百人一首を選定し,生態系サービスを介した共生システムの概念モデルの構築,それに基づいたコンポーネントの出現に関するコーディング,および自己組織化マップと階層クラスタリングによる構造解析を行った.これにより,共生システムのデザインを支援するための7つの文化的生態系サービスの生成および享受の構造に関する知見を得るとともに,(1)全体的には環境物を視覚することを基礎としながら,(2)文化的生態系サービスの享受には,動植物を感知する際の気候条件や気象現象や人間システム側の活動モードとの相互作用が存在する可能性があること,(3)自然物そのものだけでなく,自然素材から成るプロダクトも文化的生態系サービスの生成および享受の要因となり得る可能性があることが示された.
著者
木村 道徳 熊澤 輝一 岩見 麻子 松井 孝典
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.29(第29回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.55-60, 2015-11-25 (Released:2015-11-25)
参考文献数
13

地域活性化やまちづくりにおいては,地域資源を有効に活用するために,地域住民と地域資源のこれまでのかかわりを把握する必要がある。本研究では,滋賀県高島市を対象に,森林資源を活用する団体に対して半構造化インタビューを実施し,記録したテキストデータを,自己組織化マップ手法と対応分析を用いて可視化することを試みた。その結果,各団体が持つ関心テーマを特定することができ,活動内容などによって関心テーマが異なることがわかった。