著者
大科 枝里 小林 正典 金城 美幸 中川 美奈 大塚 和朗 赤星 径一 田邉 稔 松木 裕子 小林 大輔 岡本 隆一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.119, no.7, pp.683-691, 2022-07-10 (Released:2022-07-11)
参考文献数
24

52歳,女性.胆道閉鎖症にて生後120日で胆囊十二指腸吻合術が行われた.反復する胆管炎に対して内視鏡治療を行った際の胆汁細胞診でClass Vが検出された.マッピング生検で胆囊管肝管合流部に癌を確認し,肝外胆管切除術,胆管空腸吻合術を行った.胆管癌はBilIN-3までの粘膜内癌でR0切除であった.胆道閉鎖症に対する胆囊十二指腸吻合術はまれで,術後長期の胆管癌合併の報告はなく,文献的考察を加えて報告する.
著者
小林 正典 清水 勇樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.605-607, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
12
被引用文献数
5 4

〔目的〕本研究の目的は,インソール装着が立位歩行時の下肢の動揺性に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象〕20歳代の健常な成人男性(学生)22名を被験者に用いた.〔方法〕インソールを装着した場合と非装着の場合での開眼片脚起立時間,重心動揺の測定,足趾ピンチ力を計測,比較しインソールの影響を検討した.〔結果〕いずれの計測項目でもインソールを装着した場合に立位安定機能が低下する傾向が見られ,とくに開眼片脚起立時間と足趾ピンチ力で有意な低下が見られた.〔結語〕インソールの装着は,立位歩行時の足底筋を中心としたアーチ機能に影響を及ぼし,下肢の動揺性を増強させる可能性が示唆された.
著者
小林 正典
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.11, pp.23-42, 2018-03

建国当初、中国のガイドは、社会主義中国を代弁する政治的、外交的役割を担っていたが、改革開放後は旅行社との契約関係の下、その役割もビジネスの分野に傾斜していった。さらに中国人の渡航規制が緩和されるにつれ、旅行社とそこに所属するガイド及び添乗員の制度が確立し、ガイドと添乗員は中国の旅行遊覧事業を牽引する大きな役割を果たすようになった。ところが、ガイドと添乗員は制度的に独立した地位になく、現行制度上もその地位は旅行社との契約関係に従属する形でのみ保持しうるため、顧客獲得の競争激化に伴って、その賃金や報酬は徐々に削減されていった。その結果、悪質な手口で収入を得るガイドや添乗員が増加した。かかる問題に対し、中国政府は法整備によって旅行社、ガイド及び添乗員の活動を規制し、最近では行政改革の流れに呼応し、高度な情報処理技術を駆使した新たな監督管理制度を導入し始めている。リアルタイムで不正な行為をチェックできるようになると、悪質な業者は中国から駆逐されていくが、活動拠点は海外に移ることとなる。悪質な業者が流入する国や地域においては、これまで以上にトラブルを生じる可能性がある。問題を未然に防止するには、国際的に共通の取引約款やグローバルな監督管理のルールを整備し、第四次産業革命に向けて突き進む中国の監督管理システムと情報を共有しうるネットワークを構築するのが有効である。しかしながら、どの国や地域にとっても、中国の方式に組み込まれていくことには世論の反発が少なくないであろうから、グローバルな監督管理システムの構築は容易でないと考えられる。
著者
小林 正典
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.10, pp.41-58, 2017-03

中国政府は2013年に旅遊法を制定し、「零負団費」に象徴される悪質なパッケージツアーを規制するための条項を設けた。その結果、「零負団費」については立法上の対策が講じられているが、残された課題も少なくない。例えば、航空券とホテルを組み合わせた旅遊商品は、そのサービス内容如何によって旅遊者の権利利益を損なう危険性を孕んでいる。また、旅遊者が契約した業者が無登録旅行社であれば、契約自体が無効になる可能性もある。さらに、包価旅遊契約の解除によって代金が返還される場合、代金から差し引かれる「必要な費用」の範囲は必ずしも明確でない。「転団」には、現行の法律法規の枠内で解決できない問題がある。最近では制度上の弱点を狙って、旅遊法の厳しい規制を回避するパッケージツアーが登場し、周辺諸国を巻き込んで様々な影響を与えている。中国では早くも旅遊法改正の必要性が指摘されており、周辺諸国にとっても、中国の法整備の状況を注目しながら、消費者の権利利益の保護とツーリズム秩序の安定に資する政策の実施が求められている。
著者
横倉 浩三 小林 正典 佐尾 邦久 中川 寛之 神田 雅光 川瀬 雅樹 島村 好秀
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.235-242, 1992 (Released:2008-03-27)
参考文献数
8

An optimization program for single point mooring floating production systems, which are currently employed for marginal offshore oil field, was developed. This program is applicable for typical six kinds of single point mooring systems, i.e., CALM-Yoke type, Turret Mooring type, SALM hawser type, Articulated Column-Yoke type, SALS type, and Tower Soft Yoke type.Type program contains detail analysis programs and simplified optimization program. The detail analysis programs are developed based on the up-to-data theory and are capable of performing dynamic and static analysis of mooring system and flexible riser, vibration and fatigue analysis of mooring chain, downtime analysis of floating production system and other analysis. These functions were verified by using model test results and full-scale test results. Some results are presented.The simplified optimization program was developed for preliminary evaluation of mooring system for a specific oil field. Using the detail analysis programs, a series of calculation was carried out and the results were compiled as built-in database, which contributes to shor-ter calculation time. By using this program, the optimized dimensions of mooring system will be derived from the input of water depth, environmental data, and storage capacity.
著者
本間 禎一 木原 諄二 小林 正典 岡野 達雄 藤田 大介
出版者
東京大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1988

極高真空発生のための技術開発の基礎研究として進められた。到達真空度はポンプの性能と材料のガス放出によって決まるが、本研究ではポンプの具体的内容には言及せず、ポンプ構成材を含めた材料のガス放出の機構・評価・制御について扱っている。特にガス放出の定量とメカニズムの解明のために2種類の手法(昇温脱離TDS法とスル-プット法)を用い、またガス放出低減化のための手法も検討して以下の成果を得た。1.ガス放出機構を調べるためのTDS法の手法・装置試作・開発ガス放出機構を基礎的に調べる目的でTDS法を採用した。放出機構評価のためのパラメ-タ-である吸着分子の脱離の活性化エネルギ-、脱離の反応機構、拡散放出の場合の拡散係数などの信頼できる情報を得るために歪のないスペクトルを測定する最適条件、加熱方式を検討した。この考察に基づき、更に表面評価機能(低速電子線回折/オ-ジエ電子分光・光学系)を加えたTDS測定装置を試作した。2.ガス放出量評価のためのスル-プット法測定装置試作と測定スル-プット法に基づくガス放出速度測定装置を試作し、それを用いて各種表面処理(電解複合研磨、バフ研磨、TiN被覆)を施したステンレス剛製真空容器から放出されるガス放出速度を測定した。表面平滑化効果とそのベ-キング後の消失、電解複合研磨処理試料の大気暴露後の分圧(H_2O、H_2、CO、CO_2)測定による新しい知見、温度変動に追随する脱離挙動などの機構解明にもつながる情報・知見が得られた。3.表面改質ガス放出特性を向上させるための表面及び表層の改質方法について考察し、表面析出法(BNおよびグラファイト状炭素)によって低ガス放出材料が得られる可能性があることを示した。