- 著者
-
立田 晴記
坂巻 祥孝
- 出版者
- 一般社団法人 日本昆虫学会
- 雑誌
- 昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.3, pp.194-205, 2011-07-05 (Released:2018-09-21)
近年の幾何学的形態測定学の発達によって,生物の形態的特徴を「シェイプ」と「サイズ」に明確に区分して解析できるようになり,多数の標識点間の相対的な位置関係の変異(歪み)も評価できるようになった.そのため,従来検出が難しかった微妙な形態の違いや部分的な形態の歪みなどを量的に検出する精度が飛躍的に向上した.ここでは利用頻度が高い 1)多変量形態測定学,2)標識点の配置に基づく形態測定学,3)輪郭記述法の特徴を大まかに解説し,特に利用価値が高いと考えられる昆虫およびクモ・ダニ類を材料とした近年の幾何学的な標識点測定法と輪郭記述法の研究例を総説した.