著者
竹田 和由 大城 貴史 大城 俊夫 奥村 康
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.127-133, 2005 (Released:2005-09-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

有用微生物およびその代謝産物はプロバイオティクスとして,健康増進作用があると考えられている.今回,納豆菌から選択し得られた Bacillus subtilis AK 株の代謝産物である Extract of Metabolic Products of Bacillus subtilis AK (EMBSAK) の経口摂取が,NK 細胞活性に及ぼす影響を解析した.その結果ラットでは飲用群のうち 50%に NK 細胞活性の増強が認められた.ヒトボランティアを用いたEMBSAKの合成商品である SARABAGAN の 7 日間の飲用試験では,濃度依存的に末梢血中の NK 細胞活性が増強する被験者の数の増加が認められた.今回の研究により,反応性には個人差があるものの,SARABAGAN の経口摂取により NK 細胞活性を増強しうることが明らかとなり,SARABAGAN が補完代替医療として有用である可能性が示唆された.
著者
牧野 聖也 狩野 宏 浅見 幸夫 伊藤 裕之 竹田 和由 奥村 康
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.350b, 2014 (Released:2014-10-07)

【目的】昨年本学会において,我々はLactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1(1073R-1乳酸菌)で発酵したヨーグルトの摂取が男子大学生に対してインフルエンザワクチン接種後のワクチン株特異的抗体価の増強効果を発揮することを発表した.今回,より幅広い世代の男女に対して,1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルト(1073R-1ヨーグルト)がインフルエンザワクチン増強効果を発揮するか否かを明らかにすることを目的に二重盲検並行群間比較試験を実施した.【方法】インフルエンザワクチン株に対する特異的抗体価が40倍未満の20歳以上60歳未満の男女62名(25-59歳;平均年齢43.7歳;男性25名,女性37名)を2群に分け,1073R-1ヨーグルト群には1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルト,プラセボ群には酸性乳飲料を1日1本(112ml),インフルエンザワクチンを接種する3週間前から接種6週間後まで摂取させた.摂取開始前,ワクチン接種時,接種3週間後,接種6週間後,接種12週間後に採血を行い,接種したワクチン株に特異的な抗体価をHI法で測定した.【成績】インフルエンザA型H1N1,B型に対する抗体価はワクチン接種後にプラセボ群に比べて1073R-1ヨーグルト群で有意に高い値で推移した.【結論】1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトの摂取は,幅広い世代の男女に対してインフルエンザワクチン接種の効果を増強する可能性が示された.
著者
利光 孝之 牧野 聖也 北條 研一 鈴木 良雄 仲村 明 高梨 雄太 鯉川 なつえ 長門 俊介 櫻庭 景植 竹田 和由 奥村 康 澤木 啓祐
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.161-172, 2023-04-01 (Released:2023-03-13)
参考文献数
30

This study aimed to evaluate the effects of ingesting yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus (OLL1073R-1) on the immune function of healthy university men track and field athletes. Study design Randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study. A total of 37 track and field athletes aged ≥18 years were randomly assigned into two groups. For 2 weeks, two bottles of yogurt fermented with OLL1073R-1 and Streptococcus thermophilus OLS3059 or placebo sour milk were ingested daily to the participants. During the intake period, a 1-week training camp was held and participants were subjected to strenuous exercise. Natural killer (NK) cell activity, which is the primary endpoint, was significantly lower in the placebo group after ingestion than that at baseline; however, it remained unchanged during the pre-exercise level of the yogurt group. The two-way repeated measures analysis of variance showed an interaction effect in the NK cell activity change (P=0.018) and a significant difference between the groups after the 2-week ingestion (P=0.015). Among the secondary endpoints, cytokines and chemokines levels involved in activating innate immunity maintained or enhanced only in the yogurt group. ALT, LDH, and CK significantly elevated only in the placebo group. Furthermore, amino acid levels were significantly lower in the placebo group after ingestion than that at baseline; however, it remained unchanged during the pre-exercise level in the yogurt group. Consuming yogurt fermented with OLL1073R-1 prevents the decline in immune function associated with strenuous exercise. Additionally, the yogurt may contribute to stable physical condition.
著者
牧野 聖也 狩野 宏 浅見 幸夫 伊藤 裕之 竹田 和由 奥村 康
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.350b, 2014

【目的】昨年本学会において,我々は<i>Lactobacillus delbrueckii</i> ssp. <i>bulgaricus</i> OLL1073R-1(1073R-1乳酸菌)で発酵したヨーグルトの摂取が男子大学生に対してインフルエンザワクチン接種後のワクチン株特異的抗体価の増強効果を発揮することを発表した.今回,より幅広い世代の男女に対して,1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルト(1073R-1ヨーグルト)がインフルエンザワクチン増強効果を発揮するか否かを明らかにすることを目的に二重盲検並行群間比較試験を実施した.【方法】インフルエンザワクチン株に対する特異的抗体価が40倍未満の20歳以上60歳未満の男女62名(25-59歳;平均年齢43.7歳;男性25名,女性37名)を2群に分け,1073R-1ヨーグルト群には1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルト,プラセボ群には酸性乳飲料を1日1本(112ml),インフルエンザワクチンを接種する3週間前から接種6週間後まで摂取させた.摂取開始前,ワクチン接種時,接種3週間後,接種6週間後,接種12週間後に採血を行い,接種したワクチン株に特異的な抗体価をHI法で測定した.【成績】インフルエンザA型H1N1,B型に対する抗体価はワクチン接種後にプラセボ群に比べて1073R-1ヨーグルト群で有意に高い値で推移した.【結論】1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトの摂取は,幅広い世代の男女に対してインフルエンザワクチン接種の効果を増強する可能性が示された.
著者
竹田 和由
出版者
順天堂大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

NK細胞やNKT細胞は感染の初期防御において重要な細胞である。NK細胞やNKT細胞の感染防御機能に重要な分子を明らかにし、これらの細胞の活性を調節することで感染防御機構の制御を図ることを目的として研究を進めてきた。今年度は、NKT細胞の特異的リガンドによる活性化後の機能変化と、それを応用してNKT細胞の活性を高める手法を見出し報告した。NKT細胞は、CD1d上に提示された糖脂質をT細胞レセプターで認識し活性化する。生理的なリガンドとしてバクテリア由来のGSL-1等が知られており、またα-galactosylceramide(α-GalCer)によるNKT細胞の特異的な活性化が、腫瘍治療や感染防御に応用され始めているが、充分な成果は得られていない。我々は、特異的リガンドで活性化されたNKT細胞では、細胞表面のレセプターが一時的に消失し、その後、T細胞レセプターがNK細胞レセプターより早く再発現することを見出した。この現象はOCH刺激後に顕著で、OCH刺激後、抑制性NK細胞レセプターであるCD94/NKG2Aの発現の無いNKT細胞は、α-GalCerによる再刺激で10倍以上の量のサイトカインを産生した。また、このCD94/NKG2Aを介したNKT細胞の機能抑制はIFN-γにより増強されることを見出し、これがNKT細胞の活性化調節に重要であることを示した。この結果により、NKT細胞の活性を制御する自己に対する抑制性NK細胞レセプターが見出され、この機能調節によりNKT細胞の反応性を制御できる可能性が示された。また、1次反応と2次反応でNKT細胞のリガンドに対する反応性が異なることは、感染時期等によりNKT細胞が異なった反応をしている可能性を示しており、今後、感染時期を追って詳細にNKT細胞の反応性を解析し、感染防御機構におけるNKT細胞の真の機能を解明する必要性が示唆された。