著者
佐藤 健人 奥村 康
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.11, pp.858-862, 1987-11-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
1

1957年, センダイウイルスを用いてin vitroでの細胞融合がはじめて報告されて以来, この技術がなした最も重要な貢献はモノクローナル抗体の作製であったろう. いまや全世界の至るところでモノクローナル抗体の作製が行われている. 本稿では, その作製の手順と原理について概説する.
著者
奥村 康子 小田 雅子 齊藤 浩司
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.34-38, 2015 (Released:2015-06-28)
参考文献数
9

Objective: Consultation contents from medical consumers can become a useful information for medical workers.  However, report which investigated about them is limited.  In this study, we investigated the question contents from medical consumers with telephone.Methods: Nineteen hundred records on the consultation from medical consumers with telephone from 2007 to 2011 were subject to this study.  Using appropriate keywords and check the records, corresponding cases were extracted.Results: Resources of drug information which medical consumers used had various one such as the Internet, television, books, and newspapers.  However the medical consumers did not necessarily understand drug information correctly from the Internet and books.  This means that support by pharmacists was necessary in those cases.Conclusion: We think that information sharing in the medical consumers and medical workers based on a good relationship is important for proper use of drugs.
著者
竹田 和由 大城 貴史 大城 俊夫 奥村 康
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.127-133, 2005 (Released:2005-09-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

有用微生物およびその代謝産物はプロバイオティクスとして,健康増進作用があると考えられている.今回,納豆菌から選択し得られた Bacillus subtilis AK 株の代謝産物である Extract of Metabolic Products of Bacillus subtilis AK (EMBSAK) の経口摂取が,NK 細胞活性に及ぼす影響を解析した.その結果ラットでは飲用群のうち 50%に NK 細胞活性の増強が認められた.ヒトボランティアを用いたEMBSAKの合成商品である SARABAGAN の 7 日間の飲用試験では,濃度依存的に末梢血中の NK 細胞活性が増強する被験者の数の増加が認められた.今回の研究により,反応性には個人差があるものの,SARABAGAN の経口摂取により NK 細胞活性を増強しうることが明らかとなり,SARABAGAN が補完代替医療として有用である可能性が示唆された.
著者
奥村 康昭 遠藤 修一
出版者
The Japanese Society of Limnology
雑誌
陸水學雜誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.103-112, 2003-08-20
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

ブイ式の気象ステーションを設計・製作し,琵琶湖北湖南部の北小松沖に設置した。観測した項目は,風向・風速・気温と水温か湿度である。データはMCA無線で研究室まで伝送される。観測期間は1998年から2001年の4年間であるが,漁船の当て逃げや,基地局への落雷,太陽電池の能力不足によって,かなりの欠測がある。<BR>全観測期間の平均風速は3.0m s<SUP>-1</SUP>であり,同期間の彦根気象台の平均風速(2.7m s<SUP>-1</SUP>)の1.1倍である。<BR>月平均風速は1月~3月が大きく,6月が一番小さい。彦根と同じく北西と南東の風が卓越する場合が多いが,南~南南東が卓越することもある。<BR>湖上の気温の年較差は33.3℃であり,彦根の同期間の年較差41.3℃より小さい。また,日較差の年平均値は4.9℃であり,湖外の値よりかなり小さく,湖による気温変化に対する緩和作用を示している。<BR>2001年の相対湿度の年平均値は75%であり,彦根の71%より少し大きくなっている。簡単なセンサーで比較的精度良く測定できたと考えられる。
著者
牧野 聖也 狩野 宏 浅見 幸夫 伊藤 裕之 竹田 和由 奥村 康
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.350b, 2014 (Released:2014-10-07)

【目的】昨年本学会において,我々はLactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1(1073R-1乳酸菌)で発酵したヨーグルトの摂取が男子大学生に対してインフルエンザワクチン接種後のワクチン株特異的抗体価の増強効果を発揮することを発表した.今回,より幅広い世代の男女に対して,1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルト(1073R-1ヨーグルト)がインフルエンザワクチン増強効果を発揮するか否かを明らかにすることを目的に二重盲検並行群間比較試験を実施した.【方法】インフルエンザワクチン株に対する特異的抗体価が40倍未満の20歳以上60歳未満の男女62名(25-59歳;平均年齢43.7歳;男性25名,女性37名)を2群に分け,1073R-1ヨーグルト群には1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルト,プラセボ群には酸性乳飲料を1日1本(112ml),インフルエンザワクチンを接種する3週間前から接種6週間後まで摂取させた.摂取開始前,ワクチン接種時,接種3週間後,接種6週間後,接種12週間後に採血を行い,接種したワクチン株に特異的な抗体価をHI法で測定した.【成績】インフルエンザA型H1N1,B型に対する抗体価はワクチン接種後にプラセボ群に比べて1073R-1ヨーグルト群で有意に高い値で推移した.【結論】1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトの摂取は,幅広い世代の男女に対してインフルエンザワクチン接種の効果を増強する可能性が示された.
著者
岸川 禮子 宗 信夫 井上 定三 上村 正行 家守 千鶴子 河田 賢治 栗田 建一 城崎 拓郎 竹田 和夫 野上 兼一郎 三橋 勝彦 宿久 修 山田 篤伸 奥村 康 西間 三馨 石川 哮
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.127-136, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
24

通常の薬物治療を行っているスギ花粉症患者を対象に,カテキンより強力な抗アレルギー性を有すると報告されているメチル化カテキン含有品種べにふうき茶の飲用効果を,やぶきた茶飲用群と花粉飛散時期に比較検討した. 福岡県内 12 施設の耳鼻咽喉科医院を受診したスギ花粉症患者 486 例に,単盲検法に準じてべにふうき茶飲用群(A 群)とやぶきた茶飲用群(B 群)に分けて 2005 年 2 月 1 日から毎日,スギ,ヒノキ科花粉飛散終了まで飲用させた.症状の重症度,薬剤使用量および QOL 障害度をスコア化して 2 群間内で比較した. A 群と B 群との間で眼・鼻症状の日毎推移・QOL 障害度に差はなかった.しかし,スギ花粉飛散時期において合計薬剤スコアが A 群において低く,とくに飛散ピーク時期以降 A 群が B 群より低く推移する傾向が得られた (p < 0.1). 花粉飛散時期に通常量のべにふうき茶を飲用することで,スギ花粉症増悪時に薬剤使用量が対照茶より少なく経過する傾向が得られたことから,補完的治療対策の 1 つの選択肢となる可能性が示唆された.
著者
張 蘇平 平野 隆雄 村島 直哉 廣瀬 俊一 北川 龍一 奥村 康
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.300-306, 1991-06-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
10

肝硬変症患者血清中の免疫複合体(IC),とくにC3ネオアンチゲンに結合するC3b結合免疫複合体(C 3b-IC)とiC 3b/C 3dg結合免疫複合体(iC 3b/C 3dg-IC)の産生,およびそのクリアランスに重要な役割を担っている補体リセプター(CR 1), factor Iおよびfactor Hの動態について検討した.肝硬変症患者血漿中において,高率にC 3b-ICが検出されたがiC 3b/C 3dg-lcは正常人,慢性肝炎患者との間に有意な差は認めなかった.また,肝硬変患者において,補体リセプター(CR 1)と血漿factor Hは高値を示したが, factor I値はコントロール群と比較して低値を示した(p<0.01).このことは,肝硬変患者において免疫複合体(IC)の異常産生,そのクリアランスに重要な補体C3カスケードのメカニズムの異常の存在が推測された.すなわち, factor I値の低値による機能不全のためC 3b〓C 3dgへの変換が障害され,それを補うためCR 1, factor Hの産生充進として働いていることが推察される.このように肝硬変患者におけるC3カスケードの異常評価の検討をすすめることは,肝障害時における補体系動態の解析に重要であることが示唆された.
著者
宮内 輝幸 奥村 康 平野 隆雄 片山 仁
出版者
順天堂大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

近年、医療の分野における診断器機はめざましい発展をとげており、とりわけX線CTやDSAなどの開発・改良は著しく、もはやこれらなくしては高度医療が成り立たなくなっているといっても過言ではない。その結果として必然的に水溶性ヨード造影剤の使用頻度が増し、それにつれて多彩な副作用の発生が臨床上重視されている。しかしながらその発生機序についてはすべてが解明されているわけではなく、一部の症状では明らかに何らかのアレルギー反応の関与が疑われるものの、良好な実験モデルが作成できないことなどの理由から、とくに免疫学的機序の研究が遅れている。そこで我々は、今後の研究の展開の一助となることを期待して、実験系の確立すなわち動物(マウス)の免疫方法、抗体産生系の確立および免疫学的検出法の確立をめざし、以下の実験方法を試みた。抗マウス抗体であるDNP-KLHをBALB/cマウスに免疫し、血清中のIgEを増加させる抗体産生系を確立させ本研究に応用した。DNP-KLHを免疫した群と水溶性ヨード造影剤だけで免疫した群、さらに両者を同時に免疫した群にわけて、各群のIgE抗体産生の程度を比較した。抗体検出方法としてはELISA、PCA、FACSを用いた。その結果、1.水溶性ヨード造影剤は免疫反応に直接的には関与しない。少なくとも抗造影剤抗体の存在は否定的であると考えられた。2.しかしながら、水溶性ヨード造影剤の存在下で本来のIgE抗体産生が増強する可能性がある。3.この反応・変化にはインターロイキン(IL-4)が関与していると考えられた。4.現在までのところ造影剤の種類(イオン系と非イオン系、モノマー型とダイマー型)によって免疫反応への影響の仕方に有意差があるかどうかについては断定的な結論は出せない。遅発アレルギーの検討とあわせて今後に残された研究課題と考える。
著者
利光 孝之 牧野 聖也 北條 研一 鈴木 良雄 仲村 明 高梨 雄太 鯉川 なつえ 長門 俊介 櫻庭 景植 竹田 和由 奥村 康 澤木 啓祐
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.161-172, 2023-04-01 (Released:2023-03-13)
参考文献数
30

This study aimed to evaluate the effects of ingesting yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus (OLL1073R-1) on the immune function of healthy university men track and field athletes. Study design Randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study. A total of 37 track and field athletes aged ≥18 years were randomly assigned into two groups. For 2 weeks, two bottles of yogurt fermented with OLL1073R-1 and Streptococcus thermophilus OLS3059 or placebo sour milk were ingested daily to the participants. During the intake period, a 1-week training camp was held and participants were subjected to strenuous exercise. Natural killer (NK) cell activity, which is the primary endpoint, was significantly lower in the placebo group after ingestion than that at baseline; however, it remained unchanged during the pre-exercise level of the yogurt group. The two-way repeated measures analysis of variance showed an interaction effect in the NK cell activity change (P=0.018) and a significant difference between the groups after the 2-week ingestion (P=0.015). Among the secondary endpoints, cytokines and chemokines levels involved in activating innate immunity maintained or enhanced only in the yogurt group. ALT, LDH, and CK significantly elevated only in the placebo group. Furthermore, amino acid levels were significantly lower in the placebo group after ingestion than that at baseline; however, it remained unchanged during the pre-exercise level in the yogurt group. Consuming yogurt fermented with OLL1073R-1 prevents the decline in immune function associated with strenuous exercise. Additionally, the yogurt may contribute to stable physical condition.
著者
牧野 聖也 狩野 宏 浅見 幸夫 伊藤 裕之 竹田 和由 奥村 康
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.350b, 2014

【目的】昨年本学会において,我々は<i>Lactobacillus delbrueckii</i> ssp. <i>bulgaricus</i> OLL1073R-1(1073R-1乳酸菌)で発酵したヨーグルトの摂取が男子大学生に対してインフルエンザワクチン接種後のワクチン株特異的抗体価の増強効果を発揮することを発表した.今回,より幅広い世代の男女に対して,1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルト(1073R-1ヨーグルト)がインフルエンザワクチン増強効果を発揮するか否かを明らかにすることを目的に二重盲検並行群間比較試験を実施した.【方法】インフルエンザワクチン株に対する特異的抗体価が40倍未満の20歳以上60歳未満の男女62名(25-59歳;平均年齢43.7歳;男性25名,女性37名)を2群に分け,1073R-1ヨーグルト群には1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルト,プラセボ群には酸性乳飲料を1日1本(112ml),インフルエンザワクチンを接種する3週間前から接種6週間後まで摂取させた.摂取開始前,ワクチン接種時,接種3週間後,接種6週間後,接種12週間後に採血を行い,接種したワクチン株に特異的な抗体価をHI法で測定した.【成績】インフルエンザA型H1N1,B型に対する抗体価はワクチン接種後にプラセボ群に比べて1073R-1ヨーグルト群で有意に高い値で推移した.【結論】1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトの摂取は,幅広い世代の男女に対してインフルエンザワクチン接種の効果を増強する可能性が示された.
著者
岸川 禮子 宗 信夫 井上 定三 上村 正行 家守 千鶴子 河田 賢治 栗田 建一 城崎 拓郎 竹田 和夫 野上 兼一郎 三橋 勝彦 宿久 修 山田 篤伸 奥村 康 西間 三馨 石川 哮
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.127-136, 2007
被引用文献数
1

通常の薬物治療を行っているスギ花粉症患者を対象に,カテキンより強力な抗アレルギー性を有すると報告されているメチル化カテキン含有品種べにふうき茶の飲用効果を,やぶきた茶飲用群と花粉飛散時期に比較検討した.<br> 福岡県内 12 施設の耳鼻咽喉科医院を受診したスギ花粉症患者 486 例に,単盲検法に準じてべにふうき茶飲用群(A 群)とやぶきた茶飲用群(B 群)に分けて 2005 年 2 月 1 日から毎日,スギ,ヒノキ科花粉飛散終了まで飲用させた.症状の重症度,薬剤使用量および QOL 障害度をスコア化して 2 群間内で比較した.<br> A 群と B 群との間で眼・鼻症状の日毎推移・QOL 障害度に差はなかった.しかし,スギ花粉飛散時期において合計薬剤スコアが A 群において低く,とくに飛散ピーク時期以降 A 群が B 群より低く推移する傾向が得られた (p < 0.1).<br> 花粉飛散時期に通常量のべにふうき茶を飲用することで,スギ花粉症増悪時に薬剤使用量が対照茶より少なく経過する傾向が得られたことから,補完的治療対策の 1 つの選択肢となる可能性が示唆された.<br>
著者
本山 智祥 首藤 晃一 奥村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.622-633, 2005-03-01
被引用文献数
1

ユビキタスサービスの提供に向け, ハンドオーバ機能を有しかつ数十Mbit/sの広帯域サービスを提供可能にするシステムの実現技術が課題となっている.Mobile IPをベースにした方式など種々の取組みが行われているが, 瞬断時間性能やシステムコスト等の問題があり, まだ本命となる方式は明らかになっていない.我々は, Mobile IPをコアネットワークとし, その足回りとして, スヌーピングルータ(SR)と市販無線LAN装置を組み合わせたSRモバイルシステムを提案している.標準化が進んでいるMobile IPと, 低価格・広帯域化が進んでいる無線LANを, SRを介し連携させることにより安価でスムースハンドオーバ可能な広帯域モバイルサービスを実現することを目指すものである.本論文では, SRモバイルシステムの構成とハンドオーバ処理のための主要構成機能の設計について述べるとともに, 試作装置によるシステム実験結果を報告する.その結果, レイヤ3以上の制御のみで約200msの瞬断時間でハンドオーバが可能であることを明らかにするとともに, いっそうの短縮を目的とした瞬断時間の発生要因について考察する.
著者
ニヨンサバ フランソワ 秋山 俊洋 キアツラヤノン チャニサ 梅原 芳恵 スミスリッティ リッティ 池田 志斈 奥村 康 小川 秀興
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

LL-37のタイトジャンクション(TJ)バリア機能に及ぼす影響を調べた結果,LL-37がケラチノサイトの分化マーカーとTJ構成タンパクの発現を増加し,さらに,TJバリア機能を強化した.また,β-デフェンシン-3がLL-37同様にRac1,非定型的PKC,グリコーゲン合成酵素キナーゼ3とPI3Kの経路を介して,TJバリア機能を調整することが分かった.また,LL-37等の抗菌ペプチドがバリア機能の調節だけではなく,痒みの抑制と抗炎症作用にも関与することを確認した.これらの結果は,LL-37等が皮膚の感染防御とアトピー性皮膚炎等の病変形成のメカニズムと治療法に大きなインパクトを与えると考えられる.
著者
奥村 康 八木田 秀雄 中内 啓光 熊谷 善博
出版者
順天堂大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

抑制性T細胞に限らず、T細胞の機能発現のために、標的との結合に不可欠の数々の免疫機能分子の解析、その発現機序等の解析を通し、T細胞の免疫系での調節性の役割を解析した。1)抑制性T細胞株の確立とその細胞膜分子の解析 抗原に得異的な抗体産生抑制性T細胞株を確立し、その抗原レセプターを介するシグナルがいかなるリンフォカインを産生するかを指標に、抑制性T細胞の機能の多面性を解析した。また、この抑制性T細胞膜上の遺伝産物に対する抗体の確立と、その抗体の反応分子の検索を進めた。また、これらの抑制性T細胞の疾患における意義を解析するため、各種の自己免疫病、特にリウマチにおける抑制性T細胞をその細胞膜表面分子を指標に解析した。2)リンパ球機能分子のコードする遺伝子の単離とその分子に対するモノクローナル抗体の確立 T細胞の抗原レセプター以外に、いくつか重要な補助分子としてリンパ球機能分子と総称される膜分子が、リンパ球の分化と機能発現に大きな役割をしていることが明らかになりつつある。マウスのT細胞に焦点をあて、抑制性T細胞、細胞障害性T細胞の機能発現に不可欠な分子CD8、CD2等の遺伝子の単離同定、またそれらの遺伝子導入した細胞を用いて、その分子の免疫反応での役割を解析した。その分子に対するモノクローナル抗体を確立し、これらの機能分子の動きを調べた。3)細胞障害性リンパ球の最終エフェクター分子の解析 T細胞やNK細胞の細胞エフェクター分子のひとつであるperforinの遺伝子の単離に成功し、その分子の免疫応答で果たす役割を分子免疫学的に解析した。
著者
関口 真良 中島 隆 奥村 康行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1209-1218, 2006-04-15

いつでもどこでもネットワークにつながるユビキタス時代の到来により,ユーザはその場にある端末を利用して自分の環境へアクセスできるようになる.この際,ヘテロジーニアスな環境から一様にアプリケーションを操作できるシステムが必要である.本論文では,サーバベースコンピューティングを利用し,単一なユーザ環境を提供するための,ユビキタスな各端末で動作するシンクライアントについて述べる.特に,ユビキタス端末の中でもスペックの厳しい携帯電話上で動作するシンクライアントを実現することを目標とする.携帯電話の狭帯域・高遅延な通信特性を克服するために,UI コンポーネントベースの軽量プロトコルと,ユーザイベントの予測に基づいた投機的実行の2 つの手法を提案し,携帯電話上でも高速なレスポンスを実現できることを述べる.また,プロトタイプシステムと,その上で動く2 つのアプリケーションについても述べる.In the coming ubiquitous age, people can browse their own information space anytime and anywhere. In that age, it is important to provide the unique interface for users whenever and wherever they are. In this paper, thin client system is proposed, which provides unique interface, operates on the several terminals, and is based on Server-Based Computing technology. To achieve comfortable operation even on a cellular phone, two techniques are proposed. One is UI component based lightweight protocol. The other is speculative execution mechanism based on user event prediction. These two proposals can achieve quick response even on a cellular phone. In addition, two applications implemented on the prototyping system are described.