著者
肥前 洋一 船木 由喜彦 河野 勝 谷口 尚子 境家 史郎 荒井 紀一郎 上條 良夫 神作 憲司 加藤 淳子 井手 弘子
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

領域全体の主題である実験社会科学の確立に向け、政治学分野の実験研究を発展させた。具体的には、実験室実験・fMRI実験・調査実験を実施して「民主主義政治はいかにして機能することが可能か」という課題に取り組むとともに、政治学における実験的手法の有用性を検討する論文・図書の出版および報告会の開催を行った。
著者
荒井 紀一郎
出版者
中央大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、選挙における「雪崩現象」のメカニズムを実験によって明らかにすることであった。実験の結果、多くの有権者は自分が少数派になる危険性を認識すると、それまで有していた政策選好とは異なっても多数派に従う傾向にあり、選挙を繰り返すことで、「選挙に勝つ」こと自体が有権者の投票目的になる可能性があることが示された。このことは、定期的に選挙を行うという現代の選挙民主主義システム自体が、「雪崩現象」を引き起こしやすくさせるメカニズムを有していることを示唆している。
著者
荒井 紀一郎
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010-01

制度:新 ; 報告番号:甲3115号 ; 学位の種類:博士(政治学) ; 授与年月日:2010/5/19 ; 早大学位記番号:新5387
著者
西澤 由隆 河野 勝 荒井 紀一郎 中條 美和 村上 剛 金 慧 広瀬 健太郎
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-07-18

本研究の目的は、現行のいわゆるヘイトスピーチ対策法(正式名称:本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)を超える新しい法規範形成の可能性を視野に入れつつ、現代日本のヘイトスピーチに関する心的基盤を実証的に明らかにすることであった。より具体的には、いかなる条件のもとでこのような差別や言葉の暴力を一般の日本人が許容するのか、またその理由は何か、といったヘイトスピーチに関わる心的メカニズムについて、サーベイ実験の手法を用いつつ検討した。
著者
河野 勝 荒井 紀一郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.5-18, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
25

現代の民主主義は,エリートレベルでの「競争」とマスレベルでの「代表」という,2つの異なる政治過程との関連において特徴づけられ,理解されてきた。本稿の目的は,戦後日本を題材にして,様々な調査データを効果的に組み合わせて利用することにより,競争プロセスと代表プロセスとが織りなす交差の動態を明らかにする。まず,記述統計に依拠して,圧力団体が一般有権者を念頭において行う活動のパターン,また有権者の側の圧力団体への関与のパターンを,検証する。続いて,平均構造モデルを用いて,競争と代表のプロセスが互いに影響を及ぼしあう「行動的共振(behavioral synchronization)」とでも呼べる現象を浮き彫りにする。具体的には,分野ごとまた時代ごとに異なる圧力団体の影響力や戦略に応じて,当該団体に関与する人々の政治的有効性感覚が変動することを示す。
著者
山崎 新 荒井 紀一郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.120-134, 2011 (Released:2017-07-03)
参考文献数
24

政治的洗練性は,政治的態度の形成や投票行動を説明する主要な要素として,これまでの政治意識・投票行動研究において様々に用いられてきた概念の1つである。これまでの研究の多くは,この概念を表す指標を調査データから作成するために,複数の質問項目を「まとめる」過程で各質問項目固有の情報が捨象された結果,政治的洗練性の程度の解釈が曖昧になる傾向があった。そこで本稿では,まず項目反応理論によって洗練性の測定に用いた質問項目の評価をより明示的に行った。次いで,洗練性が有権者の政治的態度の安定性に与える影響を検証した。分析の結果,投票義務感とイデオロギー位置については洗練性が高いほど態度は安定していたが,政治的有効性感覚については洗練性が高いほど態度が変化する傾向があることが明らかとなった。
著者
荒井 紀一郎
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

目的本研究の目的は、市民の政治参加について動態的なモデルを構築し、そのモデルの妥当性を実証することによって、市民が政治的な活動に参加するメカニズムを明らかにすることにある。目的を達成するため、本年度は以下2点を中心に研究を実施した。(1)自律的な主体(市民)の相互作用がシステム全体(社会)にもたらす特性や影響をモデル化できるマルチエージェントモデリングを用いた新たな政治参加モデルの構築(2)有権者が持つ様々なアイデンティティ(以下ID)の変化が投票参加や投票方向にもたらす影響を明らかにするための実験の実施実施状況(1)市民が自身の行動と選挙結果をもとに学習しながら適応的に参加/不参加を決定していくモデルを構築し、シミュレーションによってモデルの振る舞いを観察した。その結果、従来の政治参加を表す数理モデルよりもより現実に近い参加率、選挙結果を予測することができた。また、有権者の若い時期での投票経験と支持政党の連勝がその後の参加に大きな影響を与えている可能性があることが示された。本研究で得られた知見をもとに昨年5月の日本選挙会及び、10月の国際シンポジウムにて報告を行った。(2)科学研究費補助金を用いて、インターネットによる実験世論調査を実施した。この調査は、日本の会社員1000名を対象に彼らの社会的IDと党派性を測定し、実験群と統制群に分けた上で実験群の被験者には彼らのIDに対する刺激を与え、IDが投票参加と投票方向に与える影響を明らかにしようとするものであった。調査は本年8月下旬に実施した。調査の結果、有権者は自分が属している政治集団が、自分が属している社会集団の中において少数派である場合には、政治的なIDには依らないで意志決定を行う可能性があることが示された。本研究の内容は、昨年10月に開催された実験社会科学コンファランスおよび、本年2月に行われた国際コンファランスにて報告を行った。