- 著者
-
瀬戸 英伸
花垣 博史
荒木 典子
谷 昌寛
- 出版者
- Meeting of Osaka Dermatological Association
- 雑誌
- 皮膚 (ISSN:00181390)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.1, pp.42-47, 1994 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
1
Pachydermodactylyの16歳男性例を報告した。13歳時より, 両側第II指から第V指の近位指節間関節部皮膚の背面および側面に, 無症候性腫脹が生じてきた。病理組織学的に, 過角化を伴った表皮肥厚を認め, 真皮は膠原線維の増生による真皮肥厚を認めた。また, 真皮上層から中層にかけて弾力線維の数の減少, 断裂, 縮小化を認めた。電顕的に, 弾力線維は分枝傾向が強く, エラスチン内のmicrofibrilが減少し, エラスチンに取り込まれていないmicrofibrilがエラスチン周囲に多数認められた。自験例は, 臨床的組織学的にPachydermodactylyの典型例と考えられるが, 電顕像において, cutislaxa様のelastolysisが認められた点が, その病因を考える上で興味深いと考えられた。