著者
對馬 誠也 内藤 秀樹 小板橋 基夫
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.109-113, 1995-04-25

イネもみ枯細菌病に対するイネの感受性の経時的な変化を3品種 (コシヒカリ, 黄金晴, あそみのり) を供試して検討した. 開花前後の籾に細菌懸濁液を噴霧接種し, 24時間湿室に保持後温室に移して発病を調査した. その結果, 籾の感受性は開花日に最も高く, ついで開花後3日間は高く経過したが, 開花後4日以降と開花前の籾では顕著に低かった. 開花前に接種した籾では, 開花日に再度相対湿度95%以上の条件下に置かれた時に激しい発病が見られ, 感受性の高い期間の高湿度条件が発病に重要であることが示唆された. 一穂での開花頻度 (観察値) と籾の日別発病度 (実験値) から, 穂の日別感受性値 (相対的累積感受性値, TP)を求め, 試験で得られた穂の日別発病度 (実験値) と比較したところ, 両者における感受性の経時的変化はほぼ一致した. このことから, 穂の感受性は穂を構成する籾の開花頻度に大きく依存していることが示唆された. そこで, 穂の日別発病度 (実験値) と本田での出穂頻度 (観察値) から本田のイネ群落での感受性を推定した結果, 得られた値 (相対的累積感受性値, T_t) は3品種ともに出穂期 (出穂率40%以上の日) 後急速に増加し, 同4〜5日後に最も高く, 同12日後には著しく低下した. 以上から, 本病に対するイネ群落の感受性の高い期間が出穂期から11日間程度ときわめて短いことが示された.
著者
筒井 美紀 本田 由紀 阿部 真大 櫻井 純理 櫻井 純理 堀 有喜衣 居郷 至伸 御旅屋 達 伊藤 秀樹 福田 詩織 田近 恵子 喜始 照宣 小柏 円
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地方分権化は就労支援政策においても進められているが、その理念と実践は労働法制・行政組織法と矛盾しており自治体と支援機関は構造的ジレンマを強いられている。しかし関係者はその相対的自立性によって、法やルールの柔軟な解釈や資源の転用戦略を駆使するとともに、社会本体の変革意識を有している。とはいえ労働市場に関しては、進んでいない。変革的ビジョンを解釈する文化的資源の不足が、政治的迷走を引き起こしている。
著者
武藤 秀樹 須川 成利
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.1319-1325, 2008-08-01
被引用文献数
1 1

A novel wave optical simulation method (a localized boundary element method) has been developed. This method enables us to execute 3-D wave optical simulation with much smaller memory space and much shorter calculation time than conventional boundary element methods or FDTD(Finite Difference Time Domain) methods. The color shading characteristics of inner lens structures in CCD image sensors and the light-gathering power and crosstalk of light waveguide structures in CMOS image sensors can be analyzed by this method. This method was found to be powerful and useful for wave optical analysis of image sensors.
著者
近藤 秀樹 小出 洋 三宅 芳雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.19-27, 2007-08-15
被引用文献数
1

我々は PC 上でのユーザの活動履歴を包括的に記録し活用する NecoLogger というシステムを開発した。履歴の中から必要に応じて有用な一連の活動の様子を取り出して、当面の問題解決に役立てるためのシステムである。本論文では、開発したシステムの設計と実装方式、複数ユーザの利用から得られた運用実績について報告する。膨大な活動履歴から必要に応じて過去の活動から有益な情報を得るため、人が思い出せる断片的なキーワードでも活動を取り出せるよう、できるだけ多くの検索可能なテキスト情報を記録しておく必要がある。本システムでは打鍵履歴のような PC の操作内容だけでなく、画面に表示されている文字列も検索可能にするために、OS レベルの API をフックし、画面上のテキスト情報をアプリケーションにとらわれずに記録する手法を実現した。人の活動は画面全体に広がっているため、画面の様子から活動内容を読み取れるよう、画面イメージを記録することも重要である。しかし動画で記録し続けると情報量が膨大になり、現実的ではなくなる。そこで人の活動がまとまりを持つことを利用し、画像を断続的に記録することで情報量を削減し、実用的に活動履歴を記録するよう工夫した。また、規模の大きなシステムは漸次的に開発できるほうが良いが、一方で、履歴を扱うシステムは開発初期から一貫して履歴を蓄積し続けなければならないため、開発中にデータ構造を変更するのが困難である。そこで、十分に拡張性のある中間フォーマットを設計し、柔軟なシステム開発を可能にした。これらの工夫によって、2年以上にわたって、活動履歴を実際に蓄積・活用しつつ、同時に、ユーザの利用実態に適合した有用なシステムを漸次的に開発することが可能になった。We have developed NecoLogger, a recording-retrieving system that records the entire activity of personal computer use. Using NecoLogger, users can retrieve useful information and utilize it for their current problem solving. In this paper we report the overall design of the system and the details of its implementation. We also report the operational findings to show the usefulness of this system. In order to retrieve user activities efficently, we record the textual information on the screen regardless of the applications software by utilizing API hooks in OS. We also record screen images intermittently to restore the entire activity of a user. Logging the user's entire activity requires large amount of data area and it is necessary to reduce the amount to a practical level. We reduce the amount by taking screen shots at the optimal interval. Since our system should be developed extensively in the course of the development, we had to modify data structures quite often to store logging data. We adopted the XML format to meet the requirement. By adopting these methods mentioned above, we have been able to accumulate logging data continuously and have developed the system progressively to meet the newly found requirements based on the actual uses of the system.