著者
竹鼻 ゆかり 馬場 幸子 朝倉 隆司 伊藤 秀樹
出版者
一般社団法人 日本学校保健学会
雑誌
学校保健研究 (ISSN:03869598)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.351-361, 2021-02-20 (Released:2021-03-10)
参考文献数
24

Background: Female students with mild intellectual disability at special-needs high school and part-time high school are vulnerable to sex crimes. Nevertheless, their situation is not clarified well. How their teachers are involved in their problems remains unknown.Objective: This study was designed to use a teacher's narrative viewpoint to elucidate the state of high-risk sexual behavior of female students with mild intellectual disability at special-needs high school and part-time high schools and to explore how teachers should care for and support such students.Methods: Relevant data were obtained from a group interview and individual interviews of seven special-needs high school teachers and two part-time high school teachers. The interviewees responded to the following inquiries: “What are recognizable high-risk sexual behaviors of female students with mild intellectual disability?” “What are the backgrounds of female students' sexually high-risk behaviors?” and “How do teachers care for and support female students?” The responses were categorized.Results: High-risk sexual behaviors of female students with mild intellectual disability were categorized from a teacher's narrative viewpoint into three categories: “money-related dating and labor and sex industry,” “improper sexual activity,” and “dangerous sexual behavior.” Several factors were related to female students and their background. The personal characteristics were of two categories: “intellectual delay” and “low self-esteem.” Their background comprised two categories: “complex home environment” and “impact of the information society.” A teacher's care and support of female students included the following: “individual and polite education,” “sex education according to the current situation,” “education for independence,” and “cooperation.” When providing support to female students, the troubles which teachers often experienced were the following: “difficulty of sex education,” “necessity of support and guidance after graduation,” and “difficulty of surrounding social systems.”Conclusion: These results are expected to help prevent and support problem behaviors, giving advice from a professional viewpoint.
著者
佐藤 秀樹 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
Journal of Health Psychology Research (ISSN:21898790)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.93-102, 2021-03-15 (Released:2021-03-13)
参考文献数
29

The differential effects of rumination on attentional breadth was investigated by experimentally manipulating rumination from the perspective of thought content and valences of thinking-time. We randomly assigned 68 undergraduate and graduate students to negative, neutral, long-, and short-time thinking groups. Then, we administered a questionnaire, conducted a rumination manipulation and the modified Attentional Breadth Task. In this task, there are Close and Far conditions that have a narrow and wide attentional range depending on the location of the target stimulus, and ΔAttentional Narrowing Index (ΔANI) representing the differences between the correct response rate for a target in Close and Far conditions are calculated, such that higher ΔANI values indicate a narrower attention range. Results indicated that state rumination and negative emotions worsened and attentional breadth decreased when participants focused on negative thoughts for a long time. Moreover, a causal relationship between rumination and attentional breadth was suggested. Also, factors narrowing attentional breadth through rumination were identified based on the attentional scope model. It is suggested that future studies should consider whether depression or negative cognitive processing is worsened by narrowing attentional breadth.
著者
伊藤 理紗 矢島 涼 佐藤 秀樹 樋上 巧洋 松元 智美 並木 伸賢 国里 愛彦 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.13-22, 2019-01-31 (Released:2019-06-08)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究では、(1)安全確保行動を恐怖のピークの前でとるか後でとるか、(2)恐怖対象への視覚的な注意の有無が、治療効果に及ぼす影響を検討した。ゴキブリ恐怖の大学生を対象に、四つの条件のいずれか一つに割り当てた:(a)恐怖ピーク後注意あり群、(b)恐怖ピーク後注意なし群、(c)恐怖ピーク前注意あり群、(d)恐怖ピーク前注意なし群。群と時期(エクスポージャー前・エクスポージャー直後・フォローアップ時)を独立変数、ゴキブリ恐怖を従属変数とした分散分析の結果、メインアウトカムである行動評定の恐怖度の変数において、時期の主効果が有意であった。また、セカンダリーアウトカムである想起時の回避度において、交互作用が有意であった。単純主効果の検定の結果、a・b群はフォローアップ時の回避度の改善が認められないのに対し、c・d群は改善が認められた。最後に、治療効果が認められた原因について考察した。
著者
石川 清一 岩本 真帆 正田 健 加藤 達洋 岩崎 良和 宮本 俊八 赤井 祐一 佐藤 秀樹 蓮沼 理 水野 滋章 加藤 公敏 森山 光彦
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.98-99, 2008-06-15 (Released:2013-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

症例は70歳男性。癒着性腸閉塞にて癒着剥離術を施行したが,退院約1カ月後より腹痛,下血を認め再入院となった。大腸内視鏡検査,サイトメガロウイルス抗原検査よりサイトメガロウイルス腸炎を合併した潰瘍性大腸炎と診断した。UCの経過中やステロイド投与例においてCMV腸炎の合併を認める報告はあるが,本症例のように明らかな免疫不全患者ではなくステロイド投与歴もない初発のUC患者の合併は稀であるため報告した。
著者
伊藤 秀樹 堀下 歩美 保坂 亨
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.29-34, 2011-03

本研究では,長期欠席(不登校)の児童・生徒への支援の一環として教育委員会で行われている家庭訪問相談員事業について,A県3市の聞き取り調査の結果から,事業実施上の工夫と事業が抱える課題の背景・解決策を検討した。事業実施上の工夫については,活動の安全面の確保に焦点を当てて検討し,(1)学校・保護者・指導主事・相談員の4者による事前打ち合わせ,(2)支援事業の使い分け,(3)相談員の2人ペアでの家庭訪問,(4)保護者在宅時の訪問,という4つの工夫を見出した。事業が抱える課題については,(1)保護者の非協力・拒否,(2)義務教育終了後の対応,(3)支援の非継続性という3つの課題に着目し,その背景と解決策について検討を加えた。
著者
竹本 良章 小林 賢司 月村 光弘 高澤 直裕 加藤 秀樹 鈴木 俊介 青木 潤 近藤 亨 齊藤 晴久 五味 祐一 松田 成介 只木 芳隆
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-8, 2016

3次元積層技術を用いた多層フォトダイオードCMOSイメージセンサによるマルチバンドイメージングを実証した.このイメージセンサは,フォトダイオードアレイを有した複数の基板を積層し,それぞれのフォトダイオードアレイを独立して駆動する事で,最適化した駆動条件でそれぞれの画像を取得できる.また積層構造を活かし,これまでの2次元構造で用いられたようなRGB (Red, Green, Blue)画像に限らずIR(赤外)画像も同時に取得するといったマルチバンドイメージングが実現可能である事を確認した.この際にそれぞれのフォトダイオードアレイでRGB画像とIR画像を同一デバイスで同時に撮像可能であり,RGB画像の画質劣化を引き起こす事もない.このような特徴を活かし,これまでのIRイメージセンサとRGBイメージセンサを組み合わせたシステムと比較し,より小型・安価かつ多機能なシステムの実現が期待される.
著者
佐藤 秀樹
出版者
日本土壌動物研究会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.23, pp.37-48, 1981-05
著者
伊藤 秀樹
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.117-126, 2013-03-10

The purpose of this research is to reexamine the mechanisms of generational reproduction of inequality occurring on the safety net in the upper secondary education, by looking at koto sensyu gakko. In Japan's upper secondary education, many students who have underprivileged family background were accepted by “non-mainstream schools”. But these schools may contribute the problem of generational reproduction of inequality which school education have confronted for a long time. / Out of the interviews with five koto sensyu gakko's teachers, following two findings are found. Firstly, almost all the students succeed in entering post-secondary education or in being employed full-time. These five schools are cases overcoming the restriction of students'careers by the tracking systems. But secondly, there are new mechanisms of generational reproduction of inequality relate to students'career choice. It is different by the family background both whether children can enter the nonmainstream school that suits his or her needs and whether students can enter post-secondary education, which is easily to entry into the steady occupational life.
著者
伊藤 秀樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.69-90, 2013-11-30 (Released:2015-03-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

本研究の目的は,生徒指導上の課題が集中する後期中等教育段階の学校(以下,「課題集中校」)で,生徒指導上の指導が受容されるメカニズムについて考察することにある。 課題集中校の生徒指導に関する先行研究では,①生徒たちは地位達成・学業達成へのアスピレーションが低く,教師の指導を受け入れる必要性をもたない存在であること,②教師=生徒間の葛藤を解消して生徒を学校にとどめておくためには,生徒の社会化から撤退するしかないこと,を示してきた。 しかし,課題集中校の中には,教師の指導に反発・無視していた生徒の大多数が,その指導を受け入れるようになる学校も存在する。本研究では,そうした事例である高等専修学校(Y校)でのインタビューと参与観察の結果から,生徒指導上の指導が受容されるようになるメカニズムを,「志向性」という新たな概念枠組みのもとで探究した。 Y校の生徒たちの語りからは,地位達成・学業達成のアスピレーションに集約されない,「成長志向」「被承認志向」「年長役割志向」といった3つの「志向性」との関連のもとで,生徒指導の受容の契機が生まれていることが見出された。 これらの知見からは,逸脱行動ではなく「志向性」という資源へと働きかける,生徒指導の「志向性基盤アプローチ」の重要性が示唆された。
著者
伊藤 拓水 安藤 秀樹 半田 宏
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.819-824, 2011

およそ半世紀前に鎮静剤として開発されたサリドマイドは,1960年代始めに催奇性が発覚し,一度,市場からの撤退を余儀なくされた.しかし,ハンセン病や血液癌の一種である多発性骨髄腫といった難病に対して著しい効果を有することから再び脚光を浴び,現在は厳しい統制を受けながらも,その処方が認可されている.このようにサリドマイドは,半世紀以上の歴史を有するきわめてよく知られた薬剤であるが,その催奇性メカニズムは長い間不明であった.最近になり,磁性ナノ微粒子(半田ビーズ)を用いたアフィニティ精製により,サリドマイド催奇性における主要な標的因子であるセレブロン(cereblon,CRBN)が単離・同定され,その分子機構が解明された.
著者
鹿志村 芳範 安藤 秀樹
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.19-26, 1995 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
清水 浩行 佐藤 秀樹 林 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2457-2465, 1997-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
3

本論文では, 日本語文の文節間係り受け解析を評価関数を用いた数値問題として取り扱う方法を提案する. 本手法は, 依存構造規則を記述した文法などを利用する一般の解析手法とは異なり, 文に対する解釈の妥当性を構文原理に基づいて構成した評価関数(ポテンシャルエネルギー)の評価値の大小(力学的安定度)によってはかるもので, 評価関数の最小化に置き換えることで係り受け解析をエネルギーの安定点を求める数値問題に帰着する. また, 本手法による係り受け解析は組合せ最適化問題の一種と考えることができるので, 実際の解析(最適解の検索)に要する計算コストの削減に各種の最適化問題求解アルゴリズムの利用が可能となる. 本研究では, その一例としてニューラルネットを用いた方法を試み, 実際にその有効性を確認した. 更に本研究では, 従来実験による経験といったあいまいな手法で決定し, 解析対象によらず固定の値で解析を行っていた最適化問題の評価関数の各コスト項の係数(重み)を数式により理論的に決定し, 対象ごとに固有の値を与える方法をとった. これによって利用する構文原理群の解析に与えるべき影響力の序列を評価関数に反映させることができ, より的確な解析を可能にした.
著者
唐澤 秀武 佐藤 秀樹 伊藤 暢浩 林 達也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.171-172, 1995-09-20

グループウェアはグループによる協調活動を支援する為のコンピュータシステムである。われわれが日常的に行なっている共同作業の一つに、文書の共同執筆があるが、現在この種の作業は依然として紙ベースで行なわれている場合が多く、共同執筆全体の一貫した電子的サポートには至っていない。エディタによる初稿の作成、手書きによる文書へのコメント、電話による詳細の打合せ等、共同執筆作業は様々なツール(エディタ、プリンタ、FAX、電話など)を用いて行われる。共同執筆作業においてはこれら多様なツールと作業形態が不連続につながっており、この不連続性が共同執筆作業の効率を下げる要因となっている。本研究では、このような作業の不連続性を解消し、文書作成/レビューの作業全体を一貫してサポートするシステムについて考察し、その実装を行った。
著者
佐藤 秀樹
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.32(第32回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.323-328, 2018 (Released:2018-12-07)
参考文献数
2

筆者は,バングラデシュ・クルナ市において,ウエイスト・ピッカーによる有価廃棄物の分別・回収を通じた資源循環や環境保全へ貢献する役割の認識および彼らの社会的差別・偏見の緩和,並びに地域住民の適切なごみ管理をテーマとした環境教育教材(フリップカード,カルタ,ボードゲーム,アクションプランシート)を開発した。今回の研究では,次世代を担う小中学校40校の生徒(小学生1,690人, 中学生828人)に対して開発した教材の学習理解度を把握することを目的とした環境教育プログラムを実施した。その結果,8割以上の小中学生から理解を得ることができ,参加した教師,保護者からだされた意見集約では教材の有用性・必要性が明らかとなった。
著者
佐藤 秀樹
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.151-156, 2016-11-28 (Released:2016-11-28)
参考文献数
5

バングラデシュ・クルナ市では,「ウエイスト・ピッカー」と呼ばれるインフォーマルセクターの労働者が街のごみ集積場や最終処分場で有価廃棄物を収集し生計を立てている。手袋や長靴を身につけない人が多いため, 彼らの約70%は皮膚そう痒の疾患を患っている。彼らの労働衛生の環境改善に関する必要性は指摘されてきたが,能力向上を図るための衛生教育は十分でない。そこで,本研究では彼らの衛生教育の必要性と教材開発の内容に関する方向性を考察した。その結果,視覚教材開発や体験学習を通じて,「ごみ」,「安全管理」,「健康」の視点から,彼らの生活環境やメンタルケアを含めた教育の重要性が認識された。