著者
伊藤 徹魯 藤田 明良 久保 金弥
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物保護 : Wildlife conservation Japan (ISSN:13418777)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.51-66, 2001-07-31

We studied nine marine mammal records from two old Korean texts, Chinese writting, Goshu-enjimon-chosen-sanko (Goshu's long, scattered manuscripts) and Chosen-Ocho-jitsuroku (A Korean True Account on the Monarchial Age). Four of the records were identified or assumed to be on the Japanese sea lion (Zalophus californianus japonicus) and five on larga seals (Phoca largha). The Japanese sea lion lived from the end of 17th c. to the beginning of the 19th c. and the larga seal from the 3rd c. B.C. to the end of 18th c. Two places where the sea lion are reported to have lived were Ullung-do in the Sea of Japan, and the estuary of the Tumangang in northeastern Korea, bordering on Russia. One place that the seal is reported to have lived was Kangnung located on the eastern coast of the Korean Peninsula. The other four places were somewhere around "the eastern waters", broad area containing the Bo Hai, Huang Hai and Sea of Japan. We confirmed that sea lions had had a breeding colony at Ullung-do at the end of 18th c., and estimate that their population size was substantial during three periods, the end of 17th and 18th c. and the beginning of 19th c.
著者
曽田 三郎 岡 元司 松浦 章 山崎 岳 太田 出 佐藤 仁史 藤田 明良 岸田 裕之 曽田 三郎 鹿毛 敏夫 佐藤 亜聖
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、国家間の次元ではなく、よりミクロな地域に視点を置き、東アジア海域における交流の歴史を、多角的に分析することにある。これまで、海は国境という観点からとらえられることが多かった。我々は、多くの地域を相互につなげる交流の場という海の役割に注目した。具体的には、浙江省の寧波と江蘇省や福建省の海港地域に着目して、文化的・経済的交流の諸相を分析し、東アジア海域における日中交流の歴史的展開を解明した。
著者
村井 章介 豊見山 和行 石井 正敏 佐伯 弘次 鶴田 啓 藤田 明良
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

研究代表者1名・研究分担者27名・海外共同研究者15名・研究協力者9名を5つの班に分け、基本的に各班ごとに、海外調査・国内調査・研究会・シンポジウム等の活動を行った。構成員全員を対象としたものも含め、研究会・シンポジウムの報告の多くは研究成果報告書に収録されており、現地調査の記録は本プロジェクトのホームページhttp://www.l.u-tokyo.ac.jp/~phase817/に掲載している。構成員全員で行った活動としては、(1)発足時の研究会、(2)秋田・青森両県調査、(3)中国石浙江省調査、(4)総括シンポジウム「海をかける人・モノ・情報」、(5)研究成果報告書の刊行、の5つがある。第1班「博多・対馬・三浦と日朝(韓日)関係」は、多島海域という特色をもつ日朝間の境界領域で活動する諸人間類型に着目し、(1)韓国慶尚南道・全羅南道調査、(2)九州大学・対馬調査、(3)シンポジウム「中世日韓交流史」、を実施した。第2班「使節・巡礼僧の旅」は、日中間を往来した旅人たちの足跡を文献研究と現地調査との両面からたどり、(1)中国江蘇省調査、(2)五島列島調査、(3)『参天台五台山記』研究報告会、を実施した。第3班「琉球ネットワーク論」は、福建地方との関係を軸に日本列島から東南アジアまでを結ぶネットワークとしての琉球の役割に注目し、(1)中国福建省調査、(2)久米島調査、(3)シンポジウム「朝鮮と琉球」、を実施した。第4班「倭寇ネットワーク論」は、東アジア・東南アジアの沿海民やヨーロッパ人までも含む倭寇という集団を対象に経済・政治・信仰などの諸側面から海域世界の成り立ちに迫り、(1)台湾調査、(2)薩摩半島・島嶼部調査、(3)五島列島・平戸調査、を実施した。第5班「世界観と異文化コミュニケーション」は、異なる文化や民族の相互間に生じるコミュニケーションのあり方を通訳と古地図に着目して追究し、(1)ポルトガル調査、(2)7回におよぶ地図・絵図調査(国内)、(3)シンポジウム「物・人・情報の動きから見たアジア諸地域の交流史」、(4)4回におよぶ研究会、を実施した。