著者
谷口 彰治 幸野 健 細見 尚子 東 奈津子 山本 直樹
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.389-391, 2000
被引用文献数
1

液体窒素凍結療法や電気焼灼術などの通常の治療にて軽快しない難治性の尖圭コンジロームに対し,ヨクイニンによる漢方治療を行い有効性を評価した。計11症例にヨクイニンエキス錠1日6.0gを12週間投与したところ,有効以上は36.4%,やや有効以上(有効率)は72.7%であった。副作用として一過性の軟便が1例に認められた。以上よりヨクイニンは尋常性疣贅や青年性扁平疣贅と同様に,尖圭コンジロームに対しても抗疣贅作用を期待できると考えた。
著者
谷口 忠大 山川 宏 長井 隆行 銅谷 賢治 坂上 雅道 鈴木 雅大 中村 友昭 谷口 彰
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2M6OS19d04, 2022 (Released:2022-07-11)

本発表では著者らが提案し推進する全脳確率的生成モデル(WB-PGM: Whole-Brain Probabilistic Generative Model)のアプローチとその展望について概説する。世界モデルはセンサ・モータ情報を行動主体の主観的な視点からコーディングする予測モデルである。マルチモーダルな情報を統合し、複雑な身体を統御し、環境に適応できる人間の知能、および発達的なロボットの構成をその延長線上で捉えようとすると、その認知アーキテクチャとしての構造を検討する必要が現れる。WB-PGMは、人間の全能の構造に学ぶとともに、予測学習を基礎に据えた確率的生成モデルにより認知アーキテクチャを構築しようというアプローチである。本発表ではその基本的な考え方と展望に関しての報告する。
著者
谷口 彰
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

複雑な実世界環境に適応するためにロボット自身における不確実な事象や知識に対する効率的な環境や人とのインタラクションの実現は,重要な喫緊の課題である.本研究では能動的に環境内を動き回り,人に問いかけることで知識獲得していくロボットの実現を目指す.そのため計算論的神経科学の分野で提唱されている自由エネルギー原理に基づく能動的推論をロボットの場所概念学習に適用する.こうした統一的な理論枠組みを基盤に自在な質問生成によるロボットの知識獲得を実現することで,人とロボットの言語的インタラクションおよびロボットによる生活支援のために大きく貢献する.
著者
谷口 彰良
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.212-215, 2007
参考文献数
16

気道粘液はその適度な粘性により気道におけるウイルス・細菌の排除をスムーズにしている。しかし,"かぜ"などの疾患では気道粘液の粘性に変化が現れ,いわゆる"たん"が発生する。その結果,ウイルス・細菌の排除が困難となり,病気の発生や悪化を招く。アミノ酸誘導体の一種であるL-カルボシステインは"たん"の粘性を正常に近づけ,病態を緩和することが知られている。最近の研究により,どのような作用機序で"たん"の粘性を正常に戻すかが明らかになりつつある。そこで,本稿ではこの化合物がどのように生体に作用するかを解き明かす研究の一部を紹介する。
著者
石橋 祐二 井上 義雄 谷口 彰良
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.699-704, 2012 (Released:2012-06-01)
参考文献数
31
被引用文献数
2

Human bronchial mucins, such as MUC5AC, have traditionally been defined as a family of high-molecular weight glycoproteins. Changes in the contents of sugar chains on MUC5AC are among the fundamental features in inflammatory respiratory disease. The changes have been shown to lead to unfavorable alterations in the viscosity of mucus, resulting in impairment of mucociliary transport, vulnerability to viral/bacterial infection as sugar chains play an important role in adhesion of some viruses and bacteria to the epithelium, and finally inflammatory cell infiltration in the airway. Recently, we found that expression of some glycosyltransferases associated with the contents and structure of sugar chains is regulated by phosphatidylinositol-phospholipase (PI-PL) C signaling in cells. L-Carbocisteine, a mucoregulatory drug, normalized or balanced fucosylated and sialylated sugar chains, such as sialyl Lewis x through inhibition of PI-PL C signaling. We prepared MUC5AC fusion protein with tandem repeats associated with MUC5AC, and confirmed that L-carbocisteine inhibited the increases in viscosity associated with sialyl Lewis x expression levels. In addition, the clinical study (2008) noted that L-carbocisteine reduced the frequency of common colds and exacerbation of symptoms in patients with COPD. These favorable effects in patients may be due to normalization of sugar chain contents on mucins. We suggest that the inhibitory effect on infection of airway epithelial cells by rhinoviruses, respiratory syncytial virus, and influenza viruses by treatment with L-carbocisteine may also be based on the regulation of sugar chain contents or structures on mucins.
著者
谷口 彰 萩原 良信 谷口 忠大 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

人間の生活環境で動作するロボットは,未知環境においても適応的に環境の地図を生成し場所の概念を学習することが求められる.本研究では,周囲環境からの観測情報に基づき地図と場所概念を逐次的に獲得する手法SpCoSLAMを提案する.実験では,SpCoSLAMのオンライン学習アルゴリズムにより未知環境からの場所概念獲得が可能となることを示す.
著者
河平 一宏 木原 綾子 蔭山 充 谷口 彰治
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.175-178, 2015 (Released:2015-11-13)
参考文献数
13

症例は70歳代,女性。以前より他院呼吸器内科で咳と慢性副鼻腔炎のため増悪時のみ治療をされていた。2012年6月頃より全指趾爪の肥厚,成長遅延,一部の黄色変化をきたし,上記病院皮膚科で黄色爪症候群と診断されたが治療されなかったため同月当院を受診した。当科でも黄色爪症候群と診断し,クラリスロマイシン内服,ステロイド外用による治療を行ったが効果なかった。しかし,副鼻腔炎に対して処方された辛夷清肺湯内服を開始したところ,副鼻腔炎とともに爪症状も改善した。過去の症例においても呼吸器疾患の改善に伴い黄色爪の改善が報告されており,呼吸器疾患と黄色爪との関連が示唆された。(皮膚の科学,14: 175-178, 2015)