著者
横野光 稲邑哲也
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-207, no.6, pp.1-7, 2012-07-19

本論文では日本語のガ格要素に対して,副助詞「は」を用いて表現するかどうかを推定するモデルを提案する.「は」は主題を表すために用いられることが多く,提案モデルはそれに着目し前文脈において対象要素がどのような使われ方をしているかを考慮する.新聞記事を対象とした実験により,文中要素のみに着目した既存手法よりも提案モデルの方が良い性能を示すことが明らかになった.
著者
水地 良明 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

複数エージェントによるマルチモーダルな対話経験の蓄積を目的としたクラウド型VRプラットフォームSIGVerseでは、独自のAPIに依存して、仮想環境の構築やVRデバイスの利用、ロボット制御における開発リソースの再利用性が課題となっていた。本稿では、課題解決のアプローチとして、ゲームエンジン(Unity)とロボットミドルウェア(ROS)を統合した新たなソフトウェア構成について提案する。
著者
稲邑 哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.698-701, 2013-06-15

実世界で活動するロボットが人間と対話をしながらタスクを遂行するための知能の開発・実現には,ハードウェアとしてのロボットの開発・メンテナンスに加え,実際の対話実験を膨大な回数行い,機械学習を経て対話戦略を獲得したり,評価をしたりする必要がある.その大きいコストによる対話知能研究の困難性を打破するべく,仮想環境内のロボットと実世界の人間の間で大規模・長時間の対話実験を実現する枠組みを提案する.単にロボット1台と人間一人の間の対話だけでなく,インターネット上のサーバにユーザを集結することで,多人数間の対話を容易にし,かつ実世界のロボットへ獲得した知識を転送することも可能としている点が特徴である.
著者
稲邑 哲也 タン ジェフリートゥ チュアン 萩原 良信 杉浦 孔明 長井 隆行 岡田 浩之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.698-709, 2014-06-15 (Released:2014-07-17)
参考文献数
19

ロボカップ@ホームはHuman-Robot Interaction (HRI) 研究の発展のために,今後重要な位置づけを持ったコンペティションである.HRIにおける研究開発では,膨大な量の対話実験による経験データベースが必要となる場合が多いが,実機のロボットでは実験実施のコストが高く,また,シミュレーションでは人間とロボットとの身体的インタラクションに制約が生じる.そこで,没入型のユーザインタフェースと,複数のクライアントが同時に同一の仮想世界にログイン可能な機能の双方をロボットシミュレータに搭載し,HRI研究を促進させることの可能なロボカップ@ホームシミュレーションの枠組みを提案する.また具体的なシステム実装に必要となる基盤技術の設計指針を示す.
著者
稲葉 雅幸 水内 郁夫 岡田 慧 吉海 智晃 花井 亮 山崎 公俊 稲邑 哲也 五十棲 隆勝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

本研究は, 等身大ヒューマノイドプラットフォームに対して, 視聴覚・全身触覚・動的全身反応行動などの高位の情報処理技術を搭載した知能ロボットカーネルを統合し, 人からの多様な働きかけに対して対応するための行動を実現するために必要な機能とシステム構成を明らかにした.
著者
稲葉 雅幸 岡田 慧 水内 郁夫 稲邑 哲也
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.45-61, 2006-04-26
被引用文献数
4

ロボットは身体ハードウェアが決まればその身体にとっての認識と行動のソフトウェアをプログラミングする対象である.近年のロボットは人間のような姿形に近づいたヒューマノイドロボットの研究が進んでいる.本稿では,幾何モデルを搭載したオブジェクト指向言語Euslispにより,人間型のロボットを対象に小型から等身大,筋駆動型ヒューマノイドのロボットプログラミング環境を実装している研究をとりあげ,身体ハードウェアが進化してもソフトウェアの継承を行いながら発展させてきている環境を紹介する.
著者
橋本 敬 稲邑 哲也 柴田 智広 瀬名 秀明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.407-412, 2010-05-15

社会的生物であるヒトが持つ社会的知能とはどのようなものか,それはいかにしてできたかという問いは,人間や生命の謎に挑む新しい総合科学である「ロボティック・サイエンス」の中でも最重要な問いの一つである.すでに,この問いを追求する科学として社会的知能発生学(sociointelligenesis)の研究が進められている.社会的知能発生学の目標は,社会的知能を理解したい,社会的知能をそれ自体だけではなくその発生から理解し,究極的には社会的知能発生学の理論を作るということである.また,社会的知能を持った人工物のデザインと実装は,目標の一つでもあり,理解へ至る手段としても用いられる.すなわち,社会的知能発生学では,構成を通した理解である構成論的アプローチが重要な位置を占める.この構成論的な社会的知能理解を推し進めるため,近年,SIGVerseという新たなシミュレーション・プラットフォームを開発する動きがある.本稿では,このSIGVerse を科学の方法に位置づけるための議論を行う.以下では,社会的知能発生学を,ひいては,ロボティック・サイエンスを「科学」として確立するため,科学の考え方について知識進化プロセスの視点からまとめる.その上で,リアリスティック・シミュレーションと構成論的シミュレーションという2 タイプのシミュレーションを対比させることを通して,構成論的アプローチを科学的知識進化の中に位置づける.続いて,社会的知能発生シミュレータSIGVerse を紹介し,SIGVerse が社会的知能発生学という「科学」の進展にどのような役割を担うのかを論ずる.
著者
稲邑 哲也 タン ジェフリートゥ チュアン 萩原 良信 杉浦 孔明 長井 隆行 岡田 浩之
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.698-709, 2014

ロボカップ@ホームはHuman-Robot Interaction (HRI) 研究の発展のために,今後重要な位置づけを持ったコンペティションである.HRIにおける研究開発では,膨大な量の対話実験による経験データベースが必要となる場合が多いが,実機のロボットでは実験実施のコストが高く,また,シミュレーションでは人間とロボットとの身体的インタラクションに制約が生じる.そこで,没入型のユーザインタフェースと,複数のクライアントが同時に同一の仮想世界にログイン可能な機能の双方をロボットシミュレータに搭載し,HRI研究を促進させることの可能なロボカップ@ホームシミュレーションの枠組みを提案する.また具体的なシステム実装に必要となる基盤技術の設計指針を示す.
著者
谷口 彰 萩原 良信 谷口 忠大 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

人間の生活環境で動作するロボットは,未知環境においても適応的に環境の地図を生成し場所の概念を学習することが求められる.本研究では,周囲環境からの観測情報に基づき地図と場所概念を逐次的に獲得する手法SpCoSLAMを提案する.実験では,SpCoSLAMのオンライン学習アルゴリズムにより未知環境からの場所概念獲得が可能となることを示す.
著者
稲邑 哲也 水地 良明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

知的システムによる生活支援には生活現象の予測モデルが欠かせない.モデル化の対象には人々の動作/会話・空間的に広がる環境物体等の要素が含まれ,モデル化は質・量的に容易ではない.そこで初期の生活現象モデルに基づいてVR内でシミュレーションを行い,人々がVRにログインして対人対物インタラクションを重ねることでデータ収集・モデル化・シミュレーションのサイクルを効率的に回すフレームワークについて提案を行う.
著者
稲邑 哲也 中村 仁彦 戸嶋 巌樹 江崎 英明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.256-263, 2004-03-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22
被引用文献数
10 15

During the behavior imitation, human being doesn't practice simple coordinates transformation, but acknowledge the others' behavior, understands the behavior after abstraction into symbol information, and generates one's self behavior. A framework “Mimesis” in cognitive science and “mirror neuron” found in biology field show that the behavior generation process isn't independent of behavior cognition process, but generation and cognition process have close relationship each other. Focusing on these facts, we propose a new method which carry out the behavior cognition process and behavior generation process at the sanie time, and co-evolve these two processes using the proto-symbol and mimesis framework. We also propose a mathematical model based on Hidden Markov Models in order to integrate the behavior cognition and generation process, which has an advantage that the model have three functions; 1) behavior memorization, 2) behavior recognition, and 3) self behavior generation, by itself. Finally, feasibility of this method is shown through experiment in a humanoid simulator.
著者
横野 光 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

大学入学試験の物理の問題には与えられた状況において特定の物理現象が発生したときの物理量の値を求める形式のものがある.本研究はこのような問題を対象として,物理シミュレータによってその状況を再現し,得られた結果から問われている物理現象を示す箇所を抽出することで解答するシステムの構築を目指す.本論文ではそのシステムに必要となる要素技術について議論する.
著者
萩原 良信 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ロボットの汎用的な物体認識の構築には,物体の見え方に関する学習が不可欠である.しかしながら,場所や時間に関するコストの高さから十分な学習データを準備する事が困難な場合がある.本研究では,仮想環境においてこれらの物体の見え方の変動を効率的に獲得し,ここで得られた画像データベースから計算した画像変換フィルタを実環境のロボット視覚に応用する事で,未知の物体の見え方を予測して認識する方法を提案する.
著者
石坂 唯 林 摩梨花 神埼 秀 岡田 慧 水内 郁夫 稲邑 哲也 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp."1P1-E05(1)"-"1P1-E05(4)", 2006

In the future, demand for robots which can comfort or relax human would increase. But there is no certain approach to develop such robots now. We propose a friendly robot system as a platform to repeat the process of trial and error. In this paper, we describe several sensory and soft-textured suits like animal skins for covering the robot system and software system having mapping function for reforming interaction modality easily. Finally we report our interaction test at an event site.