著者
谷口 洋志
雑誌
IERCU Discussion Paper
巻号頁・発行日
no.253, 2015-06

中国首相の李克強氏は、遼寧省党書記時代の2007年に、GDP統計よりも電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の3指標のほうが信頼できるという趣旨のことを述べた。本稿では、3指標のうちの鉄道貨物輸送量を取り上げ、実質GDPと鉄道貨物輸送量の関係、鉄道貨物輸送の全国と地区別の動向などから、李克強氏の発言は支持できないことを論じる。
著者
谷口 洋 西川 ゆみ 横山 きのみ
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

前漢までの文学は、作者とされる人物の伝説とともに伝承された。司馬相如の場合、戦国の伝説の枠組みをとどめつつ、庶民の欲望を体現したキッチュなヒーローとして語られてゆき、その人物像が「長門賦」にまつわる伝承につながってゆく。宋玉ともなると、伝承と「作品」との境界すら曖昧であり、その「作品」は、むしろ後世における文学概念の定立に伴って析出されたものである。前漢の賦は現存数は少ないとはいえ、史書の伝記に収められ、比較的完全な形で伝わるが、それも作者の伝説と結びついているためである。以上の研究に加え、これまでの国内の辞賦研究の全体を見渡すことのできる文献目録を作成した。
著者
風間 孝 クレア マリィ 河口 和也 清水 晶子 谷口 洋幸 堀江 有里 釜野 さおり 菅沼 勝彦 石田 仁 川坂 和義 吉仲 崇
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

英米起源のクィア・スタディーズを日本の文化・社会において適用する場合の可能性を明らかにするために研究を行った。その結果、(1)ナショナリズムとグローバリゼーションに関わる問題系が、日本におけるジェンダーやセクシュアリティの政治的・文化的な統御と管理とを考えるにあたっても欠かすことのできない問題として急激に浮上しつつあること、(2)セクシュアリティおよびジェンダーが階層・階級、人種・民族、地域、国籍といった軸と交差しながら存在しているとの視座から研究を進めていくことの重要性、を確認した。
著者
千本 英史 小川 豊生 山口 眞琴 増尾 伸一郎 谷口 洋
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

サンスクリット仏典での「偽書」のあり方、中国漢文文献における「偽書」の取り扱い方について報告を受け、討議・調査した。それらが東アジアの漢字文化圏(朝鮮・韓国、ヴェトナム、日本)においてそれぞれどのように受け継がれて、「偽書」を生み出していったかについて、調査し、個々の事例に則してその実態を考究した。この三国にあっては、ことに中国との関係をめぐって、また近代植民地支配の中での「偽書」の性格に大きな違いが見られた。
著者
梶原 苗美 瀬口 春道 松本 衣代 デル サス エバ ガルシア 松本 衣代 谷口 洋
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

伝統的食生活で知られるニューギニア高地民族の健康栄養調査を実施した。インドネシア、パプア州高地地区の農山村部に住むパプア州住民の多くは未だサツマイモを主食とする新石器時代の食生活の名残を強く残した食生活を営んでいた。しかし、都市化の進展、或は都市部移住者では食生活の変遷、欧米化傾向が著しく、住民生活の都市化比率に比例してメタボリックシンドロームのリスクが急上昇しつつあることが明らかになった。