著者
室橋 春光 河西 哲子 正高 信男 豊巻 敦人 豊巻 敦人 間宮 正幸 松田 康子 柳生 一自 安達 潤 斉藤 真善 松本 敏治 寺尾 敦 奥村 安寿子 足立 明夏 岩田 みちる 土田 幸男 日高 茂暢 蓮沼 杏花 橋本 悟 佐藤 史人 坂井 恵 吉川 和幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

発達障害は生物学的基盤を背景とし、社会的環境の影響を強く受けて、非平均的な活動特性を生じ、成長途上並びに成人後においても様々な認知的・行動的問題を生ずる発達の一連のありかたである。本研究では発達障害特性に関する認知神経科学的諸検査及び、社会的環境・生活の質(QOL)に関する調査を実施した。脆弱性と回復性に関連する共通的背景メカニズムとして視覚系背側経路処理機能を基盤とした実行機能やワーキングメモリー機能を想定し、事象関連電位や眼球運動等の指標を分析して、個に応じた読みや書きなどの支援方法に関する検討を行った。また、QOLと障害特性調査結果の親子間の相違に基いた援助方法等を総合的に検討した。
著者
豊巻 敦人 渡辺 隼人 柳生 一自 室橋 春光
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.41-49, 2013-04-30 (Released:2014-01-07)
参考文献数
21
被引用文献数
1

社会的認知の偏奇を中核障害とする自閉症スペクトラム障害においても安静時機能画像によるDefault mode networkを評価した検討が多くあるが必ずしも所見は一致していない。機能画像ではなく,脳波・脳磁図を用いたDefault mode networkの評価も関心が持たれてきおり,本研究では脳磁図による機能的結合の解析を行い,自閉症スペクトラム障害でDefault mode networkの異常の有無を検討した。信号源波形の位相同期性による機能的結合について自閉症スペクトラム障害ではベータ帯域において前部帯状皮質と後部帯状皮質の結合強度が低下している傾向が観察された。また内側面の局所的な結合強度の増大は,細部への注意やコミュニケーション能力と相関していた。これらのことから,脳磁図計測でも自閉症スペクトラム障害の認知特性に寄与するDefault mode networkの異常を評価出来ることが示された。
著者
久住 一郎 伊藤 侯輝 豊巻 敦人 橋本 直樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

北海道内の精神科医療機関初診患者において初診患者(16-30歳)157名を対象に精神病発症高リスク状態(ARMS)患者の有病率を検討したところ、25名(15.9%)であった。統合失調症の病態に関係する生物学的マーカー(中間表現型)として、社会認知の基盤となるbiological motion(BM)知覚、自発的な意思に関わる遂行機能(スイッチング課題)、作業記憶過程(Sternberg課題)における事象関連同期が有用であることを見出した。