著者
豊田 健太郎 五十嵐 由美子 今井 星香 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.117-120, 2019-03-01 (Released:2019-03-01)

大学図書館では,貸出ログや入館ログといった利用データを用いて,図書館利用者の行動やニーズを分析し,サービス改善に繋げることは従来までも行われてきたが,それらのデータからでは,施設の空席情報や滞在時間,館内での利用者の行動など,可視化できていない部分も多い。本研究では,種々のIoT(Internet of Things)デバイスを用いて,慶應義塾大学理工学メディアセンター(図書館)における利用状況把握の実証実験を行っている。本稿では,利用者の資料探索行動に焦点を当て,BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンと専用スマートフォンを活用した資料探索時の行動,移動軌跡を推定する手法について報告する。
著者
宇佐美 悠 豊田 健太郎 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.289, pp.19-24, 2014-10-30

人が直接検査を行うことが困難な橋脚等の構造物モニタリングの実現に,太陽光や振動といった環境エネルギーを電力に変換するエナジーハーベスティング(EH: Energy Harvesting)技術が注目されている.しかしながら,環境から収集できる電力は少ないため,センサ端末は長期間パケットを受信できないスリープモードで動作し,パケット到着率が低下するという問題がある.そこで本論文では,各橋脚に複数のセンサ端末が存在し,シンクがデータを収集するモデルにおいて,橋脚内のセンサ端末が協調して充電期間を制御することで,高パケット到着率を達成する方式を提案する.提案方式では,各センサ端末は充電後に一定確率で同一橋脚内のセンサ端末に充電状態に遷移させるためのビーコン信号を送信する.これにより,各橋脚内に1つも受信可能なセンサ端末が存在しない時間を短くし,パケット到着率を向上させる.さらに,各センサ端末は,同一橋脚内のセンサ端末が送信したパケットをオーバーヒアした後,次の橋脚内のセンサ端末に送信する.これにより,各センサ端末はパケット送信機会が増え,パケット到着率が向上する.本方式の有効性を示すため,計算機シミュレーションを用いて,各橋脚に同数のセンサ端末を配置した通常橋に加え,橋梁の中央の橋脚に向かうにつれて端末が少なくなるアーチ橋をトポロジモデルとして,パケット到着率を評価する.提案方式は従来方式と比較して,パケット到着率を向上できることを示す.
著者
豊田 健太郎 池崎 秀和 平林 和之 三村 昭彦 那須 賢二 戸塚 昭
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.49-58, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
13
被引用文献数
4

清酒の味を味覚センサー(味認識装置)で評価した結果,以下の知見を得た。1.BT0センサーは疎水性部分を持つペプチドに応答し,清酒の後味(膨らみ感,味の幅)の評価に活用できる可能性が示された。純米酒では,BT0センサーの出力が高く出る傾向が認められ,清酒の後味(膨らみ感)に着目した官能検査との間で相関が認められた。2.CT0センサーは有機酸塩に応答し,清酒の「濃醇感」の評価に活用できる可能性が示された。3.BT0とCT0の2本のセンサーを用いて,清酒の「後味」及び「濃醇感」という2つの項目によって清酒の味を識別することができた。4.清酒の味わいの違いを表示する方法を提示した。
著者
豊田 健太郎 笹瀬 巌
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-7, 2012-12-07

IP 電話の普及に伴い,販売促進および宣伝といった迷惑電話の出現が問題視されている.着信側は電話に応答して初めてその電話が迷惑電話であるかを判定できるため,迷惑電話を着信前に判定することは,事前に内容を確認できる E メールのスパム判定より困難である.これまで,通話頻度,平均通話時間などの特徴量を用いて,迷惑電話を発信するアカウントを判別する方式が検討されてきた.しかしながら,迷惑電話発信者は複数アカウントを用いることにより,これらの判定方式を用いた場合の判定精度を低減できる.これは従来提案されてきたいずれの手法も単一の特徴量毎に判定を行っているため,各特徴量の閾値の設定が困難になるためである.そこで本論文では,多くのユーザが 1 つの SIP サーバを利用することに着目し,教師なし Random Forests に複数の特徴量を入力し,各ユーザの通話の特徴に関する類似度を基に迷惑電話を発信するアカウントを分類する方式を提案する.教師なし Random Forests を用い,複数の特徴量を用いて各ユーザ間の類似度から分類を行うことで,発信の特性が異なる迷惑電話発信者を,事前学習なしで分類することが可能となる.また,迷惑電話発信者が発信する相手は通話毎に異なり,その通話先から電話が掛け返される割合が低いことに着目し,これらの割合を顕著に表す特徴量を2つ提案する.実際の通話記録およびコンピュータによって生成された通話データを用い,本方式の有効性を示す.As VoIP (Voice over IP) grows rapidly, it is expected to prevail tremendous unsolicited advertisement calls, referred to SPIT(SPam over Internet Telephony). SPIT detection is more difficult to execute than email SPAM detection since the callee or SPIT detection system does not tell whether it is SPIT or legitimate call until he/she actually takes a call. Recently, many SPIT detection techniques are proposed by finding outliers of call patterns. However, most of these techniques suffer from setting a threshold to distinguish that the caller is legitimate or not and this could cause high false negative rate or low true positive rate. It is because these techniques analyse call pattern by a single feature e.g. call frequency or average call duration. In this paper, we propose a multi-feature call pattern analysis with unsupervised Random Forests classifier, which is one of the excellent classification algorithms. By introducing unsupervised Random Forests, we calculate the proximity among users to be classified and detect several types of SPIT callers without a training data. We also propose two features that exploit the fact that a victim differs every call and few people call back to its SPIT caller. We show the effectiveness of Random Forests based classification without supervised training data and which features contribute to classification.