著者
宮下 浩二 小林 寛和 越田 専太郎 浦辺 幸夫
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.379-386, 2009-06-01 (Released:2009-07-28)
参考文献数
31
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to identify the angles of the shoulder complex which consist of glenohumeral joint, scapulothracic joint, and thoracic joint at the maximum external rotation (MER) of the shoulder complex during throwing in baseball players, and to analyze the correlation of each angle.The subjects were 19 collegiate baseball players. Throwing motion data was collected by three high-speed cameras and the three-dimensional (3D) coordinates of the shoulder complex were established by direct leaner translation method for the MER calculation. A 3D analysis was performed to obtain the external rotation (ER) angle of the glenohumeral joint, the posterior tilt angle of the scapula, and the extension angles of thoracic at MER of shoulder complex. The mean (±SD) value of the MER was 145.5±10.3°. The mean (±SD) values of the glenohumeral ER, the scapula posterior tilt angle and the thoracic extension angle at MER were 105.3±16.0°, 24.3±15.0°, and 9.1±7.2°respectively. Multiple linear regression analysis was used to relate the MER angle to each joint angle. The final linear regression model included the posterior tilting angle of scapula ( r=0.56, p<0.05), and external rotation of the glenohumeral joint ( r=0.40, p<0.05). Significant negative correlation was observed between the posterior tilting angle of the scapula and external rotation of the glenohumeral joint ( r=-0.52, p<0.05). This finding suggested that scapula motion could be very important for the prevention of throwing injuries.
著者
松田 雅弘 高梨 晃 川田 教平 宮島 恵樹 野北 好春 塩田 琴美 小山 貴之 打越 健太 越田 専太郎 橋本 俊彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.679-682, 2011 (Released:2011-11-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

〔目的〕股関節外転筋疲労前後の片脚立位時の重心動揺と中殿筋・脊柱起立筋の活動との関係を明らかにすることを目的とした.〔対象〕神経学・整形外科学的な疾患の既往のない健常成人男性22名(平均年齢21.4歳)とした.〔方法〕股関節外転筋疲労前後で片脚静止立位時の重心動揺と筋活動量の変化を計測した.疲労前後の重心動揺と筋活動量を対応のあるt検定,重心動揺と筋活動の関係をpearsonの相関を用いて求めた.〔結果〕疲労後にX方向の重心動揺が有意に増加し,中殿筋の活動は減少,右脊柱起立筋の活動は有意に高まった.右脊柱起立筋の活動の増加と重心動揺に正の相関がみられた.〔結語〕筋疲労により筋の作用に関連する方向の重心動揺が増大し,代償のための筋活動が増加したと考えられる.
著者
宮下 浩二 越田 専太郎 浦辺 幸夫 工樂 義孝 小林 寛和 横江 清司
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C0172, 2008

【目的】投球動作の肩最大外旋位で疼痛を生じる選手が多く、投球障害を発生しやすい肢位である。肩関節外旋運動は、主に肩甲上腕関節外旋運動、肩甲骨後傾運動、胸椎伸展運動により構成されている。しかし、投球動作においてこれらの関節がなす角度を詳細に分析した報告は少ない。本研究では、肩最大外旋位における肩甲上腕関節外旋角度と肩甲骨後傾角度および胸椎伸展角度を明らかにし、さらに肩最大外旋角度と各関節角度との関係を分析することを目的とした。<BR>【方法】対象は男子大学生19名(年齢22.2±1.5歳、野球歴9.8±3.6年)とした。対象にオーバーハンドスローでの全力投球を行わせ、ステップ脚の足部接地時からリリースまでの肩外旋角度を三次元動作解析にて算出した。肩外旋角度は前腕と体幹のなす角度とした。これは肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、胸椎など肩関節複合体としての外旋角度を示す。肩甲上腕関節外旋角度、肩甲骨後傾角度、胸椎伸展角度を算出し、肩外旋角度が最大値を呈した時(肩最大外旋角度)の各角度をもとめた。さらに、肩最大外旋角度を目的変数、肩甲上腕関節外旋角度、肩甲骨後傾角度、胸椎伸展角度を説明変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。さらに、各角度の相関についてピアソンの相関係数を用いて解析した。危険率5%未満を有意とした。なお、本研究は当大学の倫理審査委員会の承認を得て行った。<BR>【結果】肩最大外旋角度は149.6±9.5°であり、その時の肩甲上腕関節外旋角度は102.7±17.4°、肩甲骨後傾角度は25.1±14.2°、胸椎伸展角度は9.7±6.6°であった。肩最大外旋角度(MER)に対して、肩甲上腕関節外旋角度(G)、肩甲骨後傾角度(S)が関連する因子として選択された。重回帰式はMER=0.30G+0.47S+106.8であった。また肩甲上腕関節外旋角度と肩甲骨後傾角度は有意な負の相関が認められた(r=-0.48)。<BR>【考察】投球動作で肩最大外旋位を呈した際の肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、胸椎のなす角度を明らかにできた。肩最大外旋角度は過去の報告とほぼ同様に約150°であったが、この位相において肩甲上腕関節外旋角度は約100°にとどまっていた。肩最大外旋角度に影響を及ぼす要因としては肩甲骨後傾角度が最も強く、同時に肩甲上腕関節外旋角度と肩甲骨後傾角度は負の相関があることが示された。これは、肩甲骨後傾運動が減少することで肩甲上腕関節外旋角度が増大することを示しており、投球障害肩の予防的観点からも投球動作における肩甲骨の運動の重要性が確認された。今回は肩最大外旋位における各関節の影響を分析したが、今後は各角度の最大値との関係も分析する必要がある。これにより胸椎伸展運動の重要性も示されると考える。
著者
越田 専太郎
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.121-126, 2019-04-30 (Released:2019-11-13)
参考文献数
38

Judo has been recognized as a high-risk sport for shoulder and elbow injuries. However, there is a lack of scientific evidence regarding their prevention strategies. Also, to the author’s knowledge, there is no intervention study aiming for the prevention of shoulder and elbow injury for judo athletes. Therefore, this overview paper provides current information regarding the epidemiology, common pathology, and injury situation/mechanisms of judo-related shoulder and elbow injuries. In addition, based on previous epidemiological data, the author suggests a possible prevention strategy for the injuries, and the future direction of judo injury prevention research.In judo, glenohumeral (GH) joint injuries (including the GH anterior dislocation), acromioclavicular joint separation, and fracture of the clavicle are the most common acute types of shoulder injuries, whereas elbow posterior dislocation and ulnar collateral ligament (UCL) injury are the most common acute types of elbow injuries. Chronic-overuse elbow injuries are also common in judo athletes, especially occurring on the turite side (the side on which the sleeve is grabbed).It has been reported that judo-related shoulder and elbow injuries frequently occur when falling on an outstretched arm (i.e. FOOSH mechanism) or a shoulder directly. Furthermore, arm lock techniques are the frequent cause of acute UCL injuries. Seoi-nage techniques may be associated with the occurrence of both acute and chronic types of shoulder injuries as well as chronic elbow injuries in judo athletes.Recognizing the high-risk situation and improving the breakfall (i.e. ukemi) may play an important role in preventing judo-related shoulder and elbow injuries from occurring. Likewise, young judo athletes who overuse seoi-nage techniques need to be identified, due to the greater risk of elbow injury associated with these actions.
著者
田中 浩介 浦辺 幸夫 是近 学 勝 真理 大窪 伸太郎 松井 洋樹 大林 弘宗 菅田 由香里 越田 専太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0397, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】非接触型の膝前十字靭帯(ACL)損傷は、ジャンプ着地動作、ストップ動作、カッティング動作などのスポーツ動作時に多く発生している。近年のビデオ解析により、動作時の脛骨の過剰な回旋や脛骨の前方移動がACL損傷を助長する可能性があると考えられている。我々は動的に脛骨の移動量および大腿骨、脛骨の回旋角度を測定可能な膝関節動作解析装置(以下、装置)を製作し、3次元での運動解析を行っている(2005)。本研究は、装置を用いてACL損傷好発肢位を抑制するために開発された膝サポーターの効果を運動学的に解析することを目的とした。【方法】対象は下肢に特別な既往のない女性10名とした。対象は課題動作として、30cm台から両脚での着地動作を行った。装置を用いて着地動作中の大腿骨および脛骨の回旋角度を測定した。角度表記は外旋をプラス、内旋をマイナスとした。本研究で用いた膝サポーターは、ACL損傷の受傷好発肢位を抑制するために開発されたものであり、テーピング効果をより得られるように工夫された構造を有している。測定は、膝サポーター非装着時、比較のための既存膝サポーター装着時、開発された膝サポーター装着時にそれぞれ行い、膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度に差がみられるか検討した。【結果】足尖接地時における大腿骨および脛骨回旋角度(平均値±標準偏差)は、それぞれ膝サポーター非装着時に33.6±14.9度、-27.0±15.8度、既存膝サポーター装着時に21.7±11.7度、-21.3±12.1度、開発された膝サポーター装着時に5.8±2.3度、-4.3±0.4度であった。大腿骨に対する脛骨の回旋角度は膝サポーター非装着時に-62.4±37.3度、既存膝サポーター装着時に-43.1±23.4度、開発された膝サポーター装着時に-10.1±2.7度であった。いずれも膝サポーター非装着時、既存膝サポーター、開発された膝サポーターの順に絶対値は小さな値となった。【考察】本研究では、膝サポーター装着によりジャンプ着地時の大腿骨および脛骨の回旋角度が変化するかを確かめた。膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度の絶対値は減少する傾向がみられ、開発された膝サポーターのほうが、既存のサポーターよりも回旋角度の抑制が強かった。また、足尖接地時には、いずれも脛骨は大腿骨に対して相対的に内旋していたが、開発されたサポーター装着時に最も小さな値であった。ACLは走行上、下腿が内旋した際に伸張される。開発された膝サポーターの装着により、着地初期の内旋角度は非装着時と比較して、およそ1/6まで減少していた。以上のことより、開発された膝サポーターは着地時のACLに加わるストレスを減少させ、ACL損傷を予防することができる可能性が示唆された。