著者
杉田 和俊 松本 真理子 稲葉 洋平 遠藤 治 内山 茂久 欅田 尚樹
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.253-257, 2013-03-05 (Released:2013-04-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

This research examined gas chromatograph/mass spectrometer (GC/MS) measurements for nicotine and 4-ethenylpyridine, which are passive smoking markers of environmental tobacco smoke. Since the object ingredient was a polar compound, a comparison examination was performed using both a non-polar column (DB-5) and a mid-polar column (DB-17) for analysis. Of the two columns, as a result of comparing the peak shape, sensitivity, and linearity, it was found that DB-17 is suitable for measuring nicotine and 4-ethenylpyridine, which is a substitute compound of 3-ethenylpyridine. When the nicotine concentration determined by the GC/MS method was compared with that of the GC/FID method, which was the regulating method, the concentration as determined by the GC/MS method was about 30% lower than that of the GC/FID method. It was suggested that measurements by GC/FID include other organic components. When tobacco smoke (the gaseous and particle components of mainstream smoke and sidestream smoke) was measured using this GC/MS condition, nicotine was detected in all samples, except for the gaseous component of the mainstream smoke, and 3-ethenylpyridine was only detected in the gaseous component of sidestream smoke.
著者
高木 敬彦 遠藤 治 後藤 純雄 河合 昭宏 村田 元秀 松下 秀鶴
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.312-321, 1986

自動車から排出される変異原物質の総量をモニターするための手法検討の一環として, 使用済ガソリンおよびディーゼルエンジンオイルの変異原性と走行距離との関係をサルモネラ菌TA100およびTA98株を用いて調べた。エンジンオイルの採取は両車ともに市中走行条件下でオイル交換直後から, 5000kmまで1000km毎に行った。又, 合わせて市中走行のガソリン車12台, ディーゼル車7台からもオイルを採取し, その変異原性を調べた。<BR>エンジンオイル中の変異原物質抽出法を検討した結果, メタノールを抽出溶媒にした還流抽出法が効果的であった。ガソリン車のエンジンオイルはTA100, TA98株に対してS9mix添加および無添加条件下で変異原性か認められたが, ディーゼル車のエンジンオイルはTA100株S9mix無添加条件下では変異原性がほとんどみられなかった。また, TA100株S9mix添加条件下で, 両車のエンジンオイルの変異原性と走行距離との間に相関関係がみとめられた。今回調べた市中走行車についてみると, ガソリンエンジンオイルの変異原性がディーゼルエンジンのそれに比べて高い傾向にあった。ガソリンエンジンオイル車の場合, 総走行距離が30000km以上になると, 走行距離1km当たりの変異原性 (TA100株+S9mix) が高くなる傾向がうかがわれた。
著者
高木 敬彦 峡谷 香澄 遠藤 治 後藤 純雄 光崎 研一 村田 元秀 松下 秀鶴
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.193-199, 1992-04-15

相模原市の大気の汚染度を変異原性の面から把握するため浮遊粉じんを1年間定期的に採取し調べた. 浮遊粉じん量は季節別に有意差はみられなかったが, その溶媒抽出物(タール状物質)の冬期の濃度は他の季節に対して有意に高いことが判った. 変異原性はTA100, TA98株の両菌株に対してS-9mix添加の有無にかかわらずみられることや, その高さは採取日により数倍〜数十倍大きく変動し, 日曜日, 盆, 正月など産業活動の低い時期には変異原性も低くなる傾向を示した. 季節別では冬期が夏期や春期に比べて有意に高いことが判った. また, S-9mix無添加系が添加系よりも高い日が比較的多く認められたことからTA98NR株を用いてニトロアレーン類の存在を調べた結果, その存在は冬期よりも夏期に多いことが判った.