著者
今田 啓介 酒井 洋介 大塚 智宏 鈴木 順 樋口 淳一 飛鷹 洋一 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.75, pp.163-168, 2008-07-29

NEC により開発が進んでいる ExpEther は,PCI Express と Ethernet を統合するネットワークインタフェースである.本稿では,ExpEther を対象とする RDMA 通信機構を実装したネットワークインタフェースコントローラを利用するためのソフトウェア環境が RDMA 通信機構の性能に与える影響についての評価を述べる.実験用システムにおいて,RDMA 通信に必要な通信用バッファの Physical Buffer List (PBL) の取得に要する時間を測定した結果,1MByte の領域に対して 8.35μsec で済み,同じ領域に対するピンダウン処理の時間の半分程度であり,十分実用的であることがわかった.また PCI Express NIC に対するメモリアクセスをユーザレペルで行った場合のメモリアクセスレイテンシは 0.58μsec であり,カーネルを経由した場合と比べて 54.3% 削減できることを確認した.ExpEther by NEC is a network interface for a bridge between PCI Express and Ethernet for network connected virtual computer environment. In this paper, evaluation of the software environment which supports access to ExpEther network interface card (NIC) is described. On our experimental system, it takes 8.35μsec to get Physical Buffer List (PBL) for RDMA data transfer using 1MByte buffer. It is almost a half of time for pin-down the same memory area, and practical. The user-level memory access latency was 0.58μsec, and the overhead of using the kernel corresponding to 54.3% of execution time is removed.
著者
朝比奈 良太 千村 直輝 酒井 洋樹 神志那 弘明 前田 貞俊
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-163, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

ダプソンおよびグルココルチコイドに対する反応性が低い角層下膿疱症の疑われた症例に対して,シクロスポリンを用いたところ皮疹が早期に改善した。本症例の病変部皮膚におけるサイトカイン遺伝子転写量を解析したところ,IL-8およびTh17サイトカインの転写量が高値であった。これらの結果より,本症例の病態にはTh17サイトカインが関連している可能性が示された。
著者
酒井 洋 鈴木 文直 吉井 章 米田 修一 野口 行雄 吉田 清一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.941-945, 1990-10-20

16歳女性.健診の胸部X線写真で右後縦隔に5×4cm大, 第10胸椎の破壊を伴った球形の腫瘤陰影を指摘され, エコー下生検で骨巨細胞腫と診断, 手術にて全摘, 胸椎掻爬, 腓骨移植が行われた1例である.胸椎より発生したものとしては本邦11例目であり, 縦隔腫瘍像を塁した胸椎巨細胞腫としては本邦で2例目である.
著者
柳井 徳磨 後藤 俊二 杢野 弥生 平田 暁大 酒井 洋樹 柵木 利昭 吉川 泰弘
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.41-48, 2003-03

サル類,特にマカク属において結核症は依然として重要な感染症である。アカゲザルに発生した牛型結核症および非定型抗酸菌症(鳥型結核菌症)の病理学的特徴について示す。アカゲザルの群れに牛型結核菌症が集団発生した。13例が急性の経過で瀕死に陥り,剖検では,肺,脾臓,肝臓,リンパ節および胸壁に著明な黄白色結節が認められた。組織学的には,いずれも肺および付属リンパ節,肝臓および脾臓に中心部が高度な乾酪壊死を示す結節状病変がみられた。結節状病変では,中心部は高度に乾酪壊死し、これを取り囲んで類上皮細胞,稀にランゲルハンス型巨細胞,さらにリンパ球の浸潤が認められた。抗酸菌染色では,乾酪壊死巣内には,少数の陽性桿菌が認められた。一方,非定型抗酸菌は,SIVに感染し免疫抑制状態にあるアカゲザルの腸管の粘膜と腸間膜リンパ節に肉芽腫性病変を引き起こした。多数の抗酸菌を容れた泡沫様大食細胞が肥厚した腸管粘膜および腸間膜リンパ節に認められた。マカク属は結核菌と非定型抗酸菌の双方に高い感受性を示すことから,集団発生の可能性に留意する必要がある。