著者
荒巻 吏志 野上 裕子 服部 寛士 泉 清徳 古賀 さとみ 堤 千代
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22007, (Released:2023-10-13)
参考文献数
31

【目的】訪問リハビリテーション利用者に対する転倒リスク評価の一助とするために,居宅で行える身体機能評価と転倒との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】訪問リハビリテーション利用者88名を横断的に調査した.過去1年間における転倒歴の有無で2群に分け,カルテ情報および身体機能評価(握力,SS-5,開眼片脚立位),FRI-21を群間で比較し,関連を分析した.身体機能評価は,転倒歴を判別するカットオフ値を求め,オッズ比と95%信頼区間を算出した.【結果】転倒歴有り群は,無し群より身体機能が有意に低く,FRI-21は高い結果であった.身体機能評価のカットオフ値とオッズ比は,握力は17.50 kg,3.95(95%CI: 1.56~10.00).SS-5は18.38秒,8.17(95%CI: 2.74~24.38).開眼片脚立位は5.58秒,4.60(95%CI: 0.88~23.94)であった.【結論】訪問リハビリテーション利用者に対する居宅で行える身体機能評価は,転倒歴との関連が認められ,転倒リスクを評価する指標となる可能性が示唆された.
著者
森本 康裕 野上 裕子
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.600-604, 2009-07-01

脳神経外科手術時の血糖管理は,他の手術時とは異なるいろいろな側面を持っている。 ブドウ糖は脳で代謝される主な基質であり,低血糖は避けなければならない。逆に,高血糖状態で脳虚血が起こると神経学的予後を悪化させるという報告が多い。この両面から,脳神経外科手術時には血糖値に注意が払われてきた。血糖値の上昇を避けるため,手術中には糖を含まない輸液を用いるとされてきた。また,ブドウ糖投与は脳浮腫の原因となる。しかし,レミフェンタニルを使用するようになったことで,少量のブドウ糖負荷では血糖値を上昇させることはなくなった。近年,重症患者における厳密な血糖管理〔intensive insulin therapy(厳重血糖管理)〕が患者の予後を改善するとして注目されている。しかし,この厳重血糖管理については見直しがされてきている。さらに,急性脳障害患者への適応は議論の分かれるところである。 本稿では,脳神経外科手術時,特に脳障害患者に対するブドウ糖の投与と血糖コントロールについて,最新の知見を紹介したい。

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II