著者
峰松 一夫 矢坂 正弘 米原 敏郎 西野 晶子 鈴木 明文 岡田 久 鴨打 正浩
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.331-339, 2004-06-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
14
被引用文献数
7 5

【目的】若年者脳血管障害の頻度や臨床的特徴を明らかにする.【方法】統一形式の調査票を用い,1998年と1999年の2年間に入院した発症7日以内の51歳以上の脳卒中症例の概略と,1995年から1999年までに入院した発症1カ月以内の50歳未満の脳卒中症例の詳細を全国18施設で後ろ向きに調査した.【結果】合計7,245症例のデータが集積された.発症1週間以内入院の全脳卒中に占める若年者脳卒中の割合(調査期間補正後)は,50歳以下で8.9%,45歳以下で4.2%,40歳以下で2.2%であった.背景因子を51歳以上(非若年群)と50歳以下(若年群)で比較すると,高血圧(62.7%vs.48.5%),糖尿病(21.7%vs.13.6%),高コレステロール血症(16.5%vs.13.1%)及び非弁膜性心房細動の占める割合(21.2%vs.4.7%)は非若年群の方が高く(各p<0.01),男性(58.9%vs.62.8%),喫煙者(19.3%vs.27.3%)と卵円孔開存例(0.7vs.1.2%)は若年群で多かった(各々p<0.01,p<0.01,p=0.08).TIAの頻度に差は無かったが,脳梗塞(62.6%vs.36.7%)は非若年群で,脳出血(20.8%vs.32.1%)とくも膜下出血(7.3%vs.26.1%)は若年群で高かった(各p<0.01).若年群の原因疾患として動脈解離,Willis動脈輪閉塞症,脳動静脈奇形,抗リン脂質抗体症候群などが目立ったが,凝固系の検査や塞栓源の検索は必ずしも十分ではなかった.外科的治療は37.5%で,退院時の抗血栓療法は31.9%で施行された.退院時転帰は26.0%で要介助,死亡率は8.8%であった.【結論】全脳卒中に占める若年者脳卒中の割合は低く,その背景因子は非若年者のそれと大きく異なる.若年者脳卒中への対策の確立のためには,全国規模のデータバンクを構築し,適切な診断方法や治療方法を明らかにする必要がある.
著者
山田 浩二郎 鈴木 明人 山本 直之 須賀 啓臣 天野 尽 茅野 俊幸 杉本 一郎 速水 広樹 杉木 大輔 池上 敬一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.629-637, 2015-10-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
12

目的:平成25年9月2日,埼玉県東部地域に発生した竜巻への対応時に行われた県下初の消防相互応援を受けた警防本部活動を検証し,課題を抽出して,今後の実災害および訓練における進むべき方向を探る。対象と方法:地域MC協議会の承認を受け,各消防組織の活動報告書の収集・関係者へ聴取等を行い,MIMMSの考え方に基づき整理し,まとめる。結果と考察:初期対応;発災は119番通報の集中により認識され,その6分後に警防本部の立ち上げが開始された。一方,発災認識10分後には救急車両は全て出動していた。車両の不足を主因とし,37分後ブロック応援,101分後県下応援要請が行われた。情報収集;119番回線,一般加入電話は応需状態が約90分間連続し,また通報の整理に難渋した。指揮;当初被災地域の把握は,それが細長く形成されたことおよび119番通報応需時出動隊との交信が困難となり遅滞した。その後人員・資器材の充足および被災概要の把握が進み,機能した。指揮支援は発災地域の消防が起案し円滑に実施された。中規模災害時の受援消防本部を想定した訓練が不足していたことなどの課題が明らかになり,今後の施策に生かせるものと考える。
著者
鈴木 明宏 茂庭 優貴 石井 賢治 藤原 誠助 永富 良一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00450-16-00450, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
10

Amount of daily physical activity is strongly associated with the prevalence of lifestyle-associated diseases, and thus maintaining a certain level of physical activity is recommended. Amount of physical activity, namely energy expenditure, is commonly estimated from linear regression analysis of oxygen uptake during steady-state exercise of different intensities. Short-duration exercise, mainly walking lasting less than 3 minutes, has been reported to account for over 90% of the daily energy expenditure of healthy adults. The estimation of energy expenditure by ACSM Metabolic Equations used well, however, is based on steady-state exercise of more than 5 minutes, and energy consumption of shorter duration exercise is not commonly considered. Oxygen consumption remains elevated for some period of time after exercise. Then, the estimation of energy expenditure for short duration exercise must include excess post-exercise oxygen consumption (EPOC). The amount of EPOC change in duration exercise. Therefore, we attempted to elucidate the energy expenditure for VO2 kinetics. Ten healthy participants aged 19-54 y walked and ran for 1, 3 and 5 minutes on a treadmill at constant speed. Oxygen consumption during and post-exercise was measured using a portable gas analyzer in breath-by-breath mode. A best-fit exponential equation to estimate oxygen consumption from exercise duration and walking speed was generated. The root mean square (RMS) of estimate equations was calculated using Leave-one-out cross validation. The RMS(1.44~2.14 ml/kg/min) was lower, and the results of the Bland-Altman analysis revealed neither fixed nor proportional bias with the exception of the decent walking and running. An equation for the estimation of oxygen consumption at shorter durations of exercise was successfully generated. Accumulation of additional data may further improve the equation.
著者
小泉 武夫 忍田 憲一 石橋 信治 鈴木 雄三 鈴木 明治
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.192-196, 1975

1.飲酒に供した酒類により, 尿の臭いが特徴づけられることはしばしぽ飲酒者の体験により知られるところである。本報告では熟し香構成成分解明の手掛かりを得ようと, 清酒とそれ以外の酒類 (ぶどう酒, ピール, ウイスキー, 甲類焼ちゅう) を飲酒した場合の尿中揮発成分について比較した。<BR>2.飲酒することにより排尿中の成分は, 飲酒前に比べて複雑に増加することを知った。<BR>3.ガスクロマトグラフィー分析で, 清酒飲酒後の尿中に14成分の存在を推定したが, 他の酒類の場合でもほぼこれに近い尿成分であった。<BR>4.薄層クロマトグラフィー分析により塩基性区分を検討したところ, 飲酒に供した酒類の別により検出成分に差がみられた。特に清酒飲酒の場合特異的であり, これら尿中塩基化合物は, 清酒飲酒の際の尿の不快臭に重要な要因となっているものと推察した。
著者
鈴木 明
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.527-533, 1988 (Released:2010-07-23)
参考文献数
25

細胞骨格蛋白の中間径フィラメントは, 細胞の癌化の過程をとらえる指標とひとつとして, 最近注目を集めている. 腎癌は近位尿細管上皮細胞から発生すると言われているため, 上皮細胞由来のサイトケラチンは, 腎細胞悪性化の適切な指標と推測される. また, ビメンチンは, 中胚葉由来細胞に特徴的に認められる. 今回, 我々は腎癌患者7例の手術によって摘出された腎の組織を用い, 二次元電気泳動法および免疫組織化学的方法を施行し, サイトケラチンおよびビメンチンの癌化に伴う変化を検討した. 塩基性型サイトケラチンの亜分画を検討したところ, 腎癌はサイトケラチンNo. 4のみの存在が同定されたが, 正常部髄質ではサイトケラチンNo. 1, 2, 3, 4, 6の5つの亜分画を検出し得た. また, 正常部皮質ではNo. 1, 4の2つの亜分画を検出した. 酸性型サイトケラチンを検討したところ, 腎癌と正常部組織のサイトケラチン表現型は非常に類似していたが, 腎癌ではサイトケラチンNo. 12が欠損していた. 一方, ビメンチンは腎癌の7例全例で認められた. 免疫組織化学的に検討しても, サイトケラチンとビメンチンの存在は, 腎癌全例で確かめられた. 以上の生化学的, 免疫組織化学的な特性から, 所謂腎癌は単なる腺癌ではなく, 肉腫のもつ性格をもあわせもっている腺癌であると考えた方が, 臨床的な特性を説明するうえにも矛盾がないように思われる.
著者
一色 玲子 三村 晴香 鈴木 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
巻号頁・発行日
pp.262-262, 2008 (Released:2008-11-10)

目的 今日の家庭科における布を用いたものづくりの意義を再考し,指導方法や内容の検討に資する情報を得るために,学校教育終了後,日常生活において手芸・裁縫活動をおこなう機会があるのか,技能は役に立っているかなどの実態を明らかにしたいと考えた。ここでは,子どものために製作活動をする機会が多いと考えられる幼稚園児をもつ母親を対象に,それらの活動に対する意識と実態を探ることを目的とした。第1報では,製作技能および製作活動の意識と実態を調査により明らかにした。 方法 広島県H市内の幼稚園3園の園児の母親320名を対象に,留置法による質問紙調査を実施した。調査時期は2007年9月,有効回答率77.2%(247名,平均年齢34.3歳)であった。調査項目は,裁縫道具の所有率と使用頻度,製作技能の習得状況および習得方法,製作活動の実態,製作活動をおこなう条件等であった。 結果 (1)玉結び,玉どめ,なみ縫いなどの基本的な技能の習得率は全体の9割以上,それらの技能を家庭科で習得したと回答した者は6~7割であった。(2)「日常生活で製作活動をする」と回答した者は全体の64.8%,「技能は生活に役立つ」86.2%,「手芸・裁縫が得意であることは生活を豊かにする」69.7%であった。また,好き嫌いの意識に関わらず日常生活において製作活動がおこなわれていた。(3)製作活動をする理由は,「必要に迫られて」,「好きだから」,しない理由は,「製作時間が十分にない」,「作り方がわからない」が上位であった(複数回答)。(4)製作活動をおこなう条件として,時間の確保(55.3%)と活動できる場所や機会(44.7%)を求める回答がみられた。
著者
鈴木 明美
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.13-24, 2008-06

本稿は、明治期に渡豪した初期移民、柏木坦の半世紀にわたる足跡を考察し、オーストラリアにおける日本人移民史の一端を明らかにすることを目的とする。オーストラリアにおける日本人移民は、北部のトレス海峡に位置する木曜島で真珠貝採取業に従事した自由・契約労働移民とクィーンズランド州のサトウキビ農園で契約労働に従事した人々に大別できる。移民のなかには、オーストラリアに定住し、実業家となったり、契約労働期間終了後に別の事業に従事した人々がいる。これらの人々は、連邦結成後、白豪主義が導入されたオーストラリアで、外国人登録をして生活していたが、第二次世界大戦開戦と同時に、「日本人」であることを理由に、「敵性外国人」として強制収容された経験を持つ。終戦後、ほとんどの「日本人」が本国送還されたが、木稿で取り上げる柏木坦は、オーストラリア人の妻とオーストラリア生まれの娘がいたことなどを理由に、残留を許可された少数の「日本人」のうちの一人である。和歌山県出身の柏木は、木曜島で日本人コミュニティーのリーダー的存在として活躍後、ブリスベンで実業家として成功した。オーストラリア連邦公文書館には、敵性外国人として強制収容された「日本人」の個人ファイルが保管されており、一部を除いて公開されている。木稿は、公文書館のファイルをもとに、オーストラリアにおける日本人移民史を個人の記録から読み解こうとするものである。
著者
成田 紀子 鈴木 明子 菊池 裕 一戸 正勝 池渕 秀治 田中 東一 沢田 純一
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.36, pp.39-44, 1992-12-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
8

Seeds of Job's tears (Coix lachryrna jobi var. ma-yuen) are commonly used as herbal drug and health food in Japan, but mycotoxin contamination such as aflatoxin and zearalenone (ZEN) on Job's tears products is often problematic. Thus, a mycological examination on 35 samples of raw seed materials and commercial products of Job's tears was carried out. Aspergillus flavus, Curvularia spp., Bipolaris coicis, Fusarium pallidoroseum (=F. semitecturn), F. equiseti and F. moniliforme were detected as predominant fungi in the samples. Of the Fusarium species isolated, F. pallidoroseurn was most dominant. ZEN producing ability of these Fusariunn isolates on seeds of Job's tears in cultures was measured by HPLC analysis. The isolates of F. pallidoroseum, F. equiseti and F. moniliforme produced ZEN, with maximum yields of 55, 244 ng/g, 137 ng/g and 54 ng/g, respectively. Among tested 12 samples of the commercial Job's tears products, ZEN contamination was found in 3 hulled seeds (21; 25; and 44 ng/g), 2 crucked products (6; 29 ng/g) and 3 powdery products (23; 46 and 116 ng/g).
著者
川島 信吾 植田 広 佐藤 恒久 鈴木 興太 鈴木 祐二 山口 裕充 内崎 紗貴子 鈴木 明
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.816-819, 2010-09-15

麻酔科関連の学会では一つの目玉になる企画として,学術機器展示がある.機器展示場は最新機器の特徴や情報を得る絶好の場であるが,研修医や若手医師のなかにはそれぞれの企業とのやり取りが苦手で有効に活用できていない場合がみられる.ベテランの医師でも効率よく回れないブースの配置もある.そこで,日本臨床麻酔学会第29回大会では,初の機器展示場のラウンドツアーを企画・実行した.担当のモデュレータが,各企業ブースへ案内をするツアーである.参加者には高評価をいただき,今後も継続してよい企画であると考え,反省点も含めて紹介する.
著者
川村 伸悟 鈴木 明文 吉岡 喜美雄 西村 弘美 奈良 正子 安井 信之
出版者
医学書院
雑誌
Brain and Nerve 脳と神経 (ISSN:00068969)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.475-480, 1986-05-01

抄録 体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials:SEP),早期陰性成分N1振幅値(P1-N1 peakto peak amplitude)の再現性と,SEP記録方法の内,特に加算回数と体性感覚刺激強度の妥当性につき検討した。対象は,正常人15例,平均年齢29歳である。体性感覚刺激は,2本の針電極を手関節部正中神経上皮膚に刺入し,持続時閥1msecの低電圧矩形波刺激により行った。SEPの記録は,体性感覚刺激と反対側頭頂部頭皮より記録した脳波を平均加算して行った。N1振幅値の再現性を検討した結果,(1)加算回数は多いほど再現性は高くなった。しかし,臨床応用の場で刺激間隔1秒の時には,250回が限界と考えた。(2)刺激強度は,thumb twitchが生じる刺激電圧よりわずかに大きな電圧とする限り,N1振幅値の再現性への影響はなかった。(3) SEPの成分は刺激後500msec以降には認めず,刺激間隔を1秒とすることは妥当であった。但し,刺激間隔を一定にすると,規則的な背景脳波をaverage outできない場合がある。(4)加算回数250回,刺激強度thumb twitch threshold,刺激間隔1秒の条件下ではSEP反復記録におけるN1振幅値比の変化し得る範囲(95%信頼区間)は,0.440以上1.62以下と考えられた。
著者
杉山 健治 上田 泰久 鈴木 泰之 逸見 旬 浅見 優 木暮 一哉 田村 岳久 齋藤 智幸 鈴木 明恵 平塚 尚哉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.CbPI1250-CbPI1250, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 上位頚椎と下位頚椎は解剖学的構造や機能に異なった特徴を持っており,さらに頚椎と肩関節複合体との解剖学的連結も強いことが数多く報告されている。臨床においても肩関節可動域制限を有している症例に対して頭頚部からの介入により肩関節可動域が変化することを経験する。しかし,頭頚部のアライメントと肩関節可動域の関係性を示した報告は少ない。そこで,本研究では,頭頚部のアライメント変化と肩関節の可動域との関係を検討することを目的とした。【方法】 対象は肩関節・頚部・顎関節に整形外科疾患の既往のない健常成人男性12名(年齢24.8±2.8歳)とした。被験者の利き手はすべて右利きとした。測定肢位は,頚部を正中位にした背臥位(以下,頚部正中位)・頭部を右側屈位にした背臥位(以下,頭部右側屈)・頭部を左側屈位にした背臥位(以下,頭部左側屈)・頚部を右側屈位にした背臥位(以下,頚部右側屈)・頚部を左側屈位にした背臥位(以下,頚部左側屈)の5肢位とした。頭部の左右側屈位は,下顎下端中央と剣状突起・左右ASISの中点の3点を結ぶ線(基本軸)と左右外眼角の中点と下顎下端中央を結ぶ線(移動軸)のなす角度が10度になる肢位とした。頚部の左右側屈位は,頚切痕と剣状突起・左右のASISの中点の3点を結ぶ線(基本軸)と左右外眼角の中点と頚切痕を結ぶ線(移動軸)のなす角度が10度になる肢位とした。測定内容は,肩関節の水平内転・2nd positionでの内旋・2nd positionでの外旋の自動運動時の関節可動域とした。関節可動域は,日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が制定する「関節可動域表示ならびに測定法」に準じて被検者の右上肢で測定した。なお,頭頚部の左右側屈位のアライメント設定および関節可動域の測定は同一検者が行い,代償動作の確認を他検者と2名で行った。測定肢位と測定運動はランダムに実施し,頭頚部の5肢位における肩関節可動域の変化を調べた。統計処理はSPSSを用い,一元配置分散分析後に多重比較(Bonferroni)を行い,有意水準は5%未満とした。【説明と同意】 本研究の内容を書面と口頭にて十分説明し,同意書に署名を得た上で行った。【結果】 水平内転では,頚部正中位53.8±7.7度,頭部右側屈60.4±7.2度,頭部左側屈48.0±6.6度,頚部右側屈52.1±6.9度,頚部左側屈52.1±8.9度であった。頭部右側屈は他4肢位と比較して有意に可動域が増大した(p<0.05)。また,頭部左側屈は頚部正中位より有意に可動域が減少した(p<0.05)。 2nd positionでの内旋では,頚部正中位102.5±9.7度,頭部右側屈107.9±10.5度,頭部左側屈93.3±10.1度,頚部右側屈98.8±13.3度,頚部左側屈100.8±11.6度であった。頭部右側屈は頭部左側屈・頚部右側屈・頚部左側屈の3肢位と比較して有意に可動域が増大した(p<0.05)。 2nd positionでの外旋では,頚部正中位101.7±10.1度,頭部右側屈106.3±9.6度,頭部左側屈95.4±11.8度,頚部右側屈97.9±10.3度,頚部左側屈94.6±11.0度であった。頭部右側屈は頭部左側屈・頚部右側屈・頚部左側屈の3肢位と比較して有意に可動域が増大した(p<0.05)。 頚部左側屈と頚部右側屈では,各測定運動において可動域に有意差は認められなかった。【考察】 頭部側屈位は,頚部側屈位と比較して肩関節可動域に大きく関与していることが示唆された。頭部側屈位は環椎後頭関節や環軸椎関節の上位頚椎の運動が主であり,頚部側屈位は下位頚椎の運動が主である。頚椎の側屈には回旋が伴なう複合運動(coupling motion)があることが報告されており,頚椎の複合運動により上位頚椎および下位頚椎に付着する筋の作用が異なるものと考えられる。上位頚椎および下位頚椎に付着する筋には僧帽筋上部線維や肩甲挙筋などがあり,これらは肩甲帯へ付着する。そのため,側屈の運動様式が変わることが肩関節複合体に影響を与えたものと考えられる。以上より,上位頚椎の機能障害や位置異常が肩関節機能を最大限に発揮することを制限する一因になると考える。今後,筋硬度等も含めて引き続き検証をしていこうと考えている。【理学療法学研究としての意義】 上位頚椎および下位頚椎の動きが肩関節に関係していることが認められた。肩関節に可動域制限を有する症例に対して,頚部の評価・治療を考慮した理学療法展開が必要であると考えられる。
著者
横山 伸也 小木 知子 小口 勝也 村上 雅教 鈴木 明
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.262-266, 1986
被引用文献数
8

前報では, コナラ木粉およびアルカリ水溶液を高圧反応容器に入れて, 適当な反応条件下で加圧, 加熱することにより, 約50%の収率で液状生成物が得られることを報告した。本報では, この水相における液化法が, コナラ以外の他の樹種, 樹皮, あるいはバガスなどに対しても, 適用でき得るか否かを調べるために11種の木材, 3種の樹皮およびバガスの液化を行い, 液状油の収率と性質を検討した。すなわち, 広葉樹としてコナラ, ドロノキ, ブナ, 針葉樹として杉, ツガ, スプルース, カラ松, 赤松, 南洋材としてレッドラワン, カプール, カメレレを, 樹皮としてカラ松, 赤松, トド松を用いた。この他に比較のため, 砂糖きびの絞りかすであるバガスも用いた。これらの分析値を <b>Table 1</b>に示した。液化は, 前報で最適と考えられた条件, 温度300°C, 初圧2.0MPa, 滞留時間 (設定温度における保持時間) 0分, 木粉/触媒/水比が5/0.1/30で行った。<br>アセトン可溶分として定義した液状油の収率とCHR (CとHの回収率) は, それぞれ以下の式から求めた。<br>収率(%)=(生成油の重量/原料の重量)×100<br>CHR(%)=(生成油中のCとHの重量/原料中のCとHの重量)×100<br>この結果をまとめて<b>Table 2</b>に示した。表から明らかなように, 木材に関しては, 収率は約50%程度であり, カラ松と赤松がやや低い値を示したが, 総体的には樹種による顕著な相違は認められなかった。バガスはほとんど木材と同じ収率であったが, 樹皮の場合は20-27%と低収率であった。収率と原料の組成との関係について, <b>Fig. 1</b>に示すように原料中のリグニンと収率とをプロットすると, 木材のグループと樹皮のグループに大別されたが, それぞれのグループ内では特に一定の傾向は見られなかった。また, 収率と他の成分との間にも特に傾向は見られなかった。<br>樹皮が木材に比べて低収率なのは, 反応性が低いためではなく一度生成した液状油が repolymerization して固体の residue になるからである。<b>Fig. 2</b>に, 原料中のリグニンと発生するガスおよび固体 residue の量との関係を示した。リグニンが増加すると, 固体 residue も増加するがガス量はほとんど一定である。前報では, 反応時間が長くなるにつれて液状油収率が減少してくる現象が観察されたが, これも同じようにrepolymerizationによると考えられる。事実, Boocock ら (文献12) は, リグニンを多く含む樹皮をフラッシュ的に熱分解し急冷した場合, 通常の数10分の加熱による液化に比べてはるかに収率がまさっており, これは primary oil の repolymerization が阻害されるためであると報告している。
著者
大下 市子 鈴木 明子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, 2014

【目的】<br>&nbsp; 小学校,中学校および高等学校の家庭科学習によって,自立した生活主体としての生活実践力を身に付けさせることが必要である。布を用いた製作の経験が,生活実践力にどのように影響を及ぼしているのか,大学生の家庭科における製作体験と生活実践力との関係を検討することによって明らかにしておくことは,今後の教員養成の指導のあり方を考える上で重要なことと考えられる。 現在の大学生は,中学校での製作は選択内容であり必ず学んでいるとは言えない。また, 高校では「家庭基礎」履修の場合,被服の製作は行わないという教育課程で学んでいる集団である。日常生活でも裁縫経験が乏しい現状を勘案すると,製作体験の精査を行うことは不可欠である。<br>&nbsp; &nbsp;そこで,まず,小学校,中学校および高等学校家庭科でどのような教材を製作し,どのような意識をもって学んできたかという実態を把握した上で,生活実践力との関係を検討することを本報告の目的とした。<br>【方法】 <br>&nbsp; &nbsp;調査時期:2012年1月,2013年1,7月 <br>&nbsp; &nbsp;調査対象者:広島市私立総合大学女子大学生1年生142名,2年生53名,3年生10名,4年生6名,合計211名。広島県内出身者 約85%。 <br>&nbsp; &nbsp; 調査内容:小学校,中学校および高等学校家庭科において製作した布を用いた教材と製作への興味・関心・意欲,製作物の使用実態についての質問紙調査を行った。同時に生活を実践する力10項目について問い,製作体験や意識との関係を分析した。<br>【結果】 <br>&nbsp; &nbsp;家庭科での製作体験有りは,小学校96.7%,中学校75.4%,高等学校50.2%であった。小中高を通しての製作教材数は,3種類が最も多く28.0%,ついで4種類20.9%,2種類19.4%であった。小学校での主な製作物は,袋類(ナップサック・リュックサック・巾着など)であった。体験有りの76.0%が袋類,60.3%がエプロン類を製作していた。中学校では,小物類(クッション・ティッシュケース・刺繍など)がもっとも多く,体験有りの55.3%が製作していた。ついでズボン類(ズボン・ハーフパンツ・短パンなど)で23.9%,エプロン類17.0%であった。高等学校では,袋類(トートバック・手提げ・巾着など)が32.1%,衣服類(ジャケット・シャツ・ワンピースなど)が25.5%,エプロン類が23.6%であった。 これら製作物への興味・関心,製作への意欲は高く,いずれの校種も肯定的な回答が8割みられた。しかし,「製作物をよく使用した」は高等学校34.1%,小学校32.0%,中学校27.8%であった。その後の製作経験を問うたところ,小学校68.2%,中学校64.7%,高等学校67.4%が作っていなかった。<br> 小学校,中学校および高等学校で重複して小物類,エプロン類,袋類を作成している実態が明らかになった。それぞれの校種における教材の種類,布の種類及び製作方法などの検討を行う必要があると考えられる。小学校と中学校において,興味・関心,製作意欲が高いのは小物類であった。中学校のパンツ類製作への興味・関心,製作への意欲は他の製作教材に比べて低く,使用頻度も低い傾向にあった。高等学校では,衣服類製作への興味・関心,製作の意欲は高いものの,使用頻度は低い傾向がみられた。<br> また,小学校,中学校および高等学校を通じての製作教材数と生活を実践する力の「成果」の項目の関係をみたところ,製作数が少なくても成果がみられ,製作数が増えるに従い成果が上がっていることが明らかになった。<br>&nbsp;&nbsp;
著者
鈴木 明希子
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2012

東京海洋大学修士学位論文 平成24年度(2012) 食機能保全科学 第1611号
著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31 (Released:2012-11-27)

テキスタイル提案システム(TPS)の構築および評価実験を推進し,システムの特許申請を行なった。英語版を作成し、国際評価実験を行い、有効性と課題を明らかにした。生地種不明の生地分類法について、アイテムに基づいた分類と、目付けの重要性を明らかにした。生地画像の提示法について、目付けおよび各種感覚特性に適応する画像撮影方法を確立した。生地の新規性認知に関して、視覚と触感覚の相反例を見出した。テキスタイルシミュレーション画像による色違い生地の代替可能性を示した。触感提示システムを試作し、画像と触感の同時提示により再現性の向上を示した。アパレルの色彩を数量化し周期的な色彩変動の抽出に成功し、トレンドの数理的予測の可能性を見出した。服飾造形の国際化に関する研究を推進した。中国人の体形特徴や服飾嗜好を調査した。日仏伊間の着心地評価の差異を明らかにした。各国パターン作製方法と想定ボディ間の適合性を実証した。パターンメーカーとデザイナーの共同経験が暗黙の了解範囲を広げることを実証した。また、オートクチュールの製作実験を開始した。経営的研究として、製造小売り業態に注目し、製品の1次設計と、小売店頭で商品を識別する記号とが相互に密接な関係をもつとの認識を掲げた。設計主務者の作業はこれらの記号の推定であり、小売の「コミュニティ」を推定することとした。①コミュニティの「意思」が店の売上変動に与える影響を提示し、②POSデータを人工的に生成し、モデルを構築し、現実の店に近似するよう実験を進め、③これらのデータを総合し多店舗化の効果(事業価値)を推計する作業を行なった。製品におけるコストと工場裁量の影響解明のための調査と国際製作実験を行なった。国際テキスタイル展示会に出展回数の多い企業にヒアリングし、経営上の特質を継続して追及。繊維・アパレル産業における取引先関係に関するBigDataを分析、商社との関係性を示した。
著者
日置 佳之 百瀬 浩 水谷 義昭 松林 健一 鈴木 明子 太田 望洋
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.759-764, 2000-03-30
被引用文献数
7 3

鳥類の生息環境保全の観点を取り入れた湿地植生計画の立案手法を開発する目的で,国営みちのく杜の湖畔公園のダム湖畔湿地(面積約38ha)において鳥類の潜在的生息地の図化とそれに基づくシナリオ分析を行った。まず,鳥類の分布と現存植生の関係をGISによって分析し,類似の植生を選好する鳥類のグループ(ギルド)を,サンプルエリア内の植生の面積を説明変数とするクラスター分析で抽出した。次に,植生の面積を用いた正準判別分析により,各ギルドが選好する植生の組合せを求め,ギルドの分布予測モデルを構築した。3番目にこれを適用して調査地全域における鳥類の生息地タイプ図を作成した。最後に,人為的に植生を変化させる2種類のシナリオによって,潜在的生息地がどう変化するか予測し,これを基に植生計画を検討した。
著者
古田 幸子 鈴木 明子 木岡 悦子 森 由紀 高森 壽 菊藤 法 谷山 和美
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.49-58, 1998-01-15
被引用文献数
2

歩き始めの子どもの靴の着用実態を調査し, 着用靴にどのような特徴があるのかを, 足部形状の成長変異の結果をふまえて, サイズ, はかせやすさ等の面から, 検証することを試みた. 主な結果は以下のとおりである. (1) 調査当日の着用靴について, 保育者は「サイズ」「はかせやすさ」を主な購入動機としており, 足への適合性と同程度に, はかせる側の着脱の簡便性が重視されていた. 一方, 半年から1年の間同サイズの靴をはかせている例もみられた. また, ほとんどの者がはかせやすさについては評価の高い靴を着用しているものの, とめ具の様式によってはかせやすさの評価が有意に異なることなどが明らかになった. (2) 乳幼児靴全般を対象にしたサイズ適合に関する実態は, 約3割強が, 大きめのサイズを購入しており, 全体の約半数の者が, 足長を基準に選んだ際, 他の部位が合わない場合があるとの回答であった. 特に足先から甲を覆う部分に関して, 市販靴のゆとり量に問題がある場合が多かった. (3) 足部計測値と着用靴サイズ間の関係を分析した結果, 足高の計測値と靴サイズとの相関が低く, 靴設計において考慮する必要があることが確認された. 本調査を行うに当たり, ご協力いただいた保育園ならびに保護者の皆様に感謝いたします. 本研究の一部は日本家政学会第45回大会において発表した.

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