著者
鈴木 明美
出版者
日本オーラル・ヒストリー学会
雑誌
日本オーラル・ヒストリー研究 (ISSN:18823033)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.154-164, 2006

This paper has a purpose to analyze a collaborative work of Etsu Inagaki Sugimoto. Sugimoto wrote a book called A Daughter of the Samurai in English in 1925. The book received wide recognition both in America and Europe. Although A Daughter of the Samurai classified as an autobiography, we could clarify the book as a work of fiction. I would like to show a collaborator of this book, an American woman called Florence Mills Wilson. Sugimoto and Wilson were life long friends, worked together with their united hearts and minds. Their cross-cultural experiences led to a collaborative work of a life story of a daughter of the samurai, contained full of sympathy.
著者
峰松 一夫 矢坂 正弘 米原 敏郎 西野 晶子 鈴木 明文 岡田 久 鴨打 正浩
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.331-339, 2004-06-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
14
被引用文献数
7 5

【目的】若年者脳血管障害の頻度や臨床的特徴を明らかにする.【方法】統一形式の調査票を用い,1998年と1999年の2年間に入院した発症7日以内の51歳以上の脳卒中症例の概略と,1995年から1999年までに入院した発症1カ月以内の50歳未満の脳卒中症例の詳細を全国18施設で後ろ向きに調査した.【結果】合計7,245症例のデータが集積された.発症1週間以内入院の全脳卒中に占める若年者脳卒中の割合(調査期間補正後)は,50歳以下で8.9%,45歳以下で4.2%,40歳以下で2.2%であった.背景因子を51歳以上(非若年群)と50歳以下(若年群)で比較すると,高血圧(62.7%vs.48.5%),糖尿病(21.7%vs.13.6%),高コレステロール血症(16.5%vs.13.1%)及び非弁膜性心房細動の占める割合(21.2%vs.4.7%)は非若年群の方が高く(各p<0.01),男性(58.9%vs.62.8%),喫煙者(19.3%vs.27.3%)と卵円孔開存例(0.7vs.1.2%)は若年群で多かった(各々p<0.01,p<0.01,p=0.08).TIAの頻度に差は無かったが,脳梗塞(62.6%vs.36.7%)は非若年群で,脳出血(20.8%vs.32.1%)とくも膜下出血(7.3%vs.26.1%)は若年群で高かった(各p<0.01).若年群の原因疾患として動脈解離,Willis動脈輪閉塞症,脳動静脈奇形,抗リン脂質抗体症候群などが目立ったが,凝固系の検査や塞栓源の検索は必ずしも十分ではなかった.外科的治療は37.5%で,退院時の抗血栓療法は31.9%で施行された.退院時転帰は26.0%で要介助,死亡率は8.8%であった.【結論】全脳卒中に占める若年者脳卒中の割合は低く,その背景因子は非若年者のそれと大きく異なる.若年者脳卒中への対策の確立のためには,全国規模のデータバンクを構築し,適切な診断方法や治療方法を明らかにする必要がある.
著者
山田 浩二郎 鈴木 明人 山本 直之 須賀 啓臣 天野 尽 茅野 俊幸 杉本 一郎 速水 広樹 杉木 大輔 池上 敬一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.629-637, 2015-10-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
12

目的:平成25年9月2日,埼玉県東部地域に発生した竜巻への対応時に行われた県下初の消防相互応援を受けた警防本部活動を検証し,課題を抽出して,今後の実災害および訓練における進むべき方向を探る。対象と方法:地域MC協議会の承認を受け,各消防組織の活動報告書の収集・関係者へ聴取等を行い,MIMMSの考え方に基づき整理し,まとめる。結果と考察:初期対応;発災は119番通報の集中により認識され,その6分後に警防本部の立ち上げが開始された。一方,発災認識10分後には救急車両は全て出動していた。車両の不足を主因とし,37分後ブロック応援,101分後県下応援要請が行われた。情報収集;119番回線,一般加入電話は応需状態が約90分間連続し,また通報の整理に難渋した。指揮;当初被災地域の把握は,それが細長く形成されたことおよび119番通報応需時出動隊との交信が困難となり遅滞した。その後人員・資器材の充足および被災概要の把握が進み,機能した。指揮支援は発災地域の消防が起案し円滑に実施された。中規模災害時の受援消防本部を想定した訓練が不足していたことなどの課題が明らかになり,今後の施策に生かせるものと考える。
著者
鈴木 明宏 茂庭 優貴 石井 賢治 藤原 誠助 永富 良一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00450-16-00450, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
10

Amount of daily physical activity is strongly associated with the prevalence of lifestyle-associated diseases, and thus maintaining a certain level of physical activity is recommended. Amount of physical activity, namely energy expenditure, is commonly estimated from linear regression analysis of oxygen uptake during steady-state exercise of different intensities. Short-duration exercise, mainly walking lasting less than 3 minutes, has been reported to account for over 90% of the daily energy expenditure of healthy adults. The estimation of energy expenditure by ACSM Metabolic Equations used well, however, is based on steady-state exercise of more than 5 minutes, and energy consumption of shorter duration exercise is not commonly considered. Oxygen consumption remains elevated for some period of time after exercise. Then, the estimation of energy expenditure for short duration exercise must include excess post-exercise oxygen consumption (EPOC). The amount of EPOC change in duration exercise. Therefore, we attempted to elucidate the energy expenditure for VO2 kinetics. Ten healthy participants aged 19-54 y walked and ran for 1, 3 and 5 minutes on a treadmill at constant speed. Oxygen consumption during and post-exercise was measured using a portable gas analyzer in breath-by-breath mode. A best-fit exponential equation to estimate oxygen consumption from exercise duration and walking speed was generated. The root mean square (RMS) of estimate equations was calculated using Leave-one-out cross validation. The RMS(1.44~2.14 ml/kg/min) was lower, and the results of the Bland-Altman analysis revealed neither fixed nor proportional bias with the exception of the decent walking and running. An equation for the estimation of oxygen consumption at shorter durations of exercise was successfully generated. Accumulation of additional data may further improve the equation.
著者
小泉 武夫 忍田 憲一 石橋 信治 鈴木 雄三 鈴木 明治
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.192-196, 1975

1.飲酒に供した酒類により, 尿の臭いが特徴づけられることはしばしぽ飲酒者の体験により知られるところである。本報告では熟し香構成成分解明の手掛かりを得ようと, 清酒とそれ以外の酒類 (ぶどう酒, ピール, ウイスキー, 甲類焼ちゅう) を飲酒した場合の尿中揮発成分について比較した。<BR>2.飲酒することにより排尿中の成分は, 飲酒前に比べて複雑に増加することを知った。<BR>3.ガスクロマトグラフィー分析で, 清酒飲酒後の尿中に14成分の存在を推定したが, 他の酒類の場合でもほぼこれに近い尿成分であった。<BR>4.薄層クロマトグラフィー分析により塩基性区分を検討したところ, 飲酒に供した酒類の別により検出成分に差がみられた。特に清酒飲酒の場合特異的であり, これら尿中塩基化合物は, 清酒飲酒の際の尿の不快臭に重要な要因となっているものと推察した。
著者
鈴木 明
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.527-533, 1988 (Released:2010-07-23)
参考文献数
25

細胞骨格蛋白の中間径フィラメントは, 細胞の癌化の過程をとらえる指標とひとつとして, 最近注目を集めている. 腎癌は近位尿細管上皮細胞から発生すると言われているため, 上皮細胞由来のサイトケラチンは, 腎細胞悪性化の適切な指標と推測される. また, ビメンチンは, 中胚葉由来細胞に特徴的に認められる. 今回, 我々は腎癌患者7例の手術によって摘出された腎の組織を用い, 二次元電気泳動法および免疫組織化学的方法を施行し, サイトケラチンおよびビメンチンの癌化に伴う変化を検討した. 塩基性型サイトケラチンの亜分画を検討したところ, 腎癌はサイトケラチンNo. 4のみの存在が同定されたが, 正常部髄質ではサイトケラチンNo. 1, 2, 3, 4, 6の5つの亜分画を検出し得た. また, 正常部皮質ではNo. 1, 4の2つの亜分画を検出した. 酸性型サイトケラチンを検討したところ, 腎癌と正常部組織のサイトケラチン表現型は非常に類似していたが, 腎癌ではサイトケラチンNo. 12が欠損していた. 一方, ビメンチンは腎癌の7例全例で認められた. 免疫組織化学的に検討しても, サイトケラチンとビメンチンの存在は, 腎癌全例で確かめられた. 以上の生化学的, 免疫組織化学的な特性から, 所謂腎癌は単なる腺癌ではなく, 肉腫のもつ性格をもあわせもっている腺癌であると考えた方が, 臨床的な特性を説明するうえにも矛盾がないように思われる.
著者
一色 玲子 三村 晴香 鈴木 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
巻号頁・発行日
pp.262-262, 2008 (Released:2008-11-10)

目的 今日の家庭科における布を用いたものづくりの意義を再考し,指導方法や内容の検討に資する情報を得るために,学校教育終了後,日常生活において手芸・裁縫活動をおこなう機会があるのか,技能は役に立っているかなどの実態を明らかにしたいと考えた。ここでは,子どものために製作活動をする機会が多いと考えられる幼稚園児をもつ母親を対象に,それらの活動に対する意識と実態を探ることを目的とした。第1報では,製作技能および製作活動の意識と実態を調査により明らかにした。 方法 広島県H市内の幼稚園3園の園児の母親320名を対象に,留置法による質問紙調査を実施した。調査時期は2007年9月,有効回答率77.2%(247名,平均年齢34.3歳)であった。調査項目は,裁縫道具の所有率と使用頻度,製作技能の習得状況および習得方法,製作活動の実態,製作活動をおこなう条件等であった。 結果 (1)玉結び,玉どめ,なみ縫いなどの基本的な技能の習得率は全体の9割以上,それらの技能を家庭科で習得したと回答した者は6~7割であった。(2)「日常生活で製作活動をする」と回答した者は全体の64.8%,「技能は生活に役立つ」86.2%,「手芸・裁縫が得意であることは生活を豊かにする」69.7%であった。また,好き嫌いの意識に関わらず日常生活において製作活動がおこなわれていた。(3)製作活動をする理由は,「必要に迫られて」,「好きだから」,しない理由は,「製作時間が十分にない」,「作り方がわからない」が上位であった(複数回答)。(4)製作活動をおこなう条件として,時間の確保(55.3%)と活動できる場所や機会(44.7%)を求める回答がみられた。
著者
小泉 武夫 角田 潔和 山本 多代子 鈴木 明治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.173-178, 1979-03-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
37
被引用文献数
3 3

β-フェニルエチルァルコールとβ-フェニルニチルアセテートはバラの香気に似たもので, 多くのアルコール性飲料の香気付与のために重要な化合物である。特にβ-フェニルエチルァルコールは種々のアルコール性飲料の中にかなりの量で存在している。例えば筆者らが分析した種々のアルコール性飲料中の存在量は次の様であった。清酒40~60ppm, ウイスキー10~15ppm, ビール15~20ppm, ブランデー5~6ppm, しょうちゅう30~40ppm。本報告ではこのβ-フェニルエチルアルコールとβ-フェニルエチルアセテートの酵母による生成について検討した。その結果は次のとうりである。1.フェニルアラニンからβ-フェニルエチルアルコールの生成量には, 供試酵母間に差異があり, 清酒酵母はビール酵母, ワイン酵母よりその生成は強い。2.清酒酵母の2, 3, 5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド還元能とβ-フェニルエチルァルコールおよびβ-フェニルエチルアセテート生成能との関連は供試酵母間に大きな差異がある。その順位は赤色コロニータイプ>赤桃色コロ論一タイプ>桃色コロニータイプ>白桃色コロニータイプであった。3.β-フェニルェチルァルコールは, フエニルァラニンが酵母による脱炭酸, 脱アミノ反応にょって生じる。また我々の実験結果ではチロシンが酵母によって分解されるときも少量生じることを知った。

1 0 0 0 OA 編集後記

著者
鈴木 明子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.553, 1977-07-15

今回は,訪問指導や通園施設での理学療法士と作業療法士の体験を特集にした.病院からの延長線としてアフターケアをしている場合や親しくチームを組んで実際に在宅患者へサービスする場合も,また通園施設で働らくのもみんな「地域での医療サービス」という形に入れられる.数知れぬ受療対象者が,こちらの活動開始を待っている時代ともいえる. 高田氏は,体制づくりの重要さを指摘し,石井氏は,新しい姿をもたなければならない事態に対面し,率直に模索する気持を表わしている.大峯氏・他による家屋改造の写真もよいヒントとなったし,大村氏も新しい形の接し方を記している.宮崎氏・他は,実験的とも呼べる方法で活動する中から,協力体制づくりで幅広く,着実な仕事をし,報告してある.

1 0 0 0 OA 編集後記

著者
鈴木 明子
出版者
医学書院
雑誌
理学療法と作業療法 (ISSN:03869849)
巻号頁・発行日
vol.10, no.11, pp.892, 1976-11-15

わが国のPT・OTの歴史について特集号を組んだ.これ迄にいろいろな立場の方が,この2職種の誕生について「外来の血が混っている」とか「純枠に日本製である」とか主張されていた.前者の場合には明治20年代の軍医の橋本乗晃によって医療マッサージが,明治34年呉秀三がドイツ留学から帰国して手や足革を取り除いて裁縫などをさせることで移入したのが始まりのようである.そのまま大正を過ぎ第二次大戦終戦後,昭和24年に小池文英先生,また水野祥太郎先生が海外に出られて欧米の身体障害音のリハビリテーションを視察され,より広義の治療理念と技術を日本で発達させる努力をなさった.昭和38年に清瀬の地に養成校を建て厚生省は外人講師で教育を始めた. 後者の場合には11世紀に京都岩倉村の大雲寺へ皇女の奇行を治すために送り,観世音に祈ることで病気を治すことができ,以来時の権力者(皇族,武士,富裕な町人など)の親族が岩倉村にいき,住民の家の離れに分散して住みながら大雲寺で祈ったり,水ごおりをとったという. (鈴木明子)
著者
尾形 隆 今井 大 市毛 明彦 山川 光徳 山田 和彦 大類 広 柘植 通 新野 恵司 鈴木 明彦 角田 卓哉 湯田 文朗
出版者
日本リンパ網内系学会
雑誌
日本網内系学会会誌 (ISSN:03869725)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.319-331, 1995

The expression of adhesion molecules on human tonsillar follicular dendritic cells (FDCs) <i>in vivo</i> on cryostat sections and <i>in vitro</i> on isolated FDCs on cytospin preparations was studied. Isolation of FDCs was performed using a magnetic cell sorter (MACS). Immunochemically, FDCs were positive for Mac-1 (CD11b), sialyl-Le<sup>x</sup> (CD15s), CD22, integrin &beta;1 (CD29), CD40, VLA-&alpha;3 (CD49c), VLA-&alpha;5 (CD49e), VLA-&alpha;6 (CD49f), ICAM-3 (CD50), ICAM-1 (CD54), B7 (CD80), and VCAM-1 (CD106). These adhesion molecules, except ICAM-3 (CD50) which was weakly positive only in the light zone (LZ), were positive with a lacy pattern in all zones of secondary lymphoid follicle, especially strong in the LZ. ICAM-3 (CD50) was positive on more than half of isolated FDCs, but other molecules were positive on almost all isolated FDCs. Concerning the ligands on B cells for these adhesion molecules, the Mac-1 (CD11b)-ICAM-1 (CD54), the ICAM-3 (CD50)-LFA-1 (CD11a/18), and the VCAM-1 (CD106)-VLA-4 (CD29/49d) interactions in the LZ, the sialy-Le<sup>x</sup> (CD15s)-L-selectin (CD62L) and the VCAM-1 (CD106)-VLA-4 (CD29/49d) interactions in the mantle zone, and the ICAM-1 (CD54)-LFA-1 (CD11a/18) interaction in the entire lymphoid follicle may participate in FDC-B cell adhesion. Furthermore, above mentioned immunohistochemical evidence that FDCs were positive for fibronectin-receptor (CD29/CD49e) and laminin-receptor (CD29/CD49f), was confirmed with a frozen-section binding assay, using isolated FDCs and cryostat sections of tonsils. The numbers of FDCs binding to germinal centers (GCs) were reduced remarkably by pretreatment with monoclonal antibodies for CD29 (32.8&plusmn;4.1% of the control), CD49e (29.7&plusmn;2.5%), and CD49f (18.8&plusmn;0.8%). These data clearly indicated that FDCs bind to the reticulin or laminin fiber in GCs via either receptor.
著者
鈴木 明哲
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.21-33, 2014-03-30 (Released:2016-07-02)
参考文献数
16
被引用文献数
4

本稿の目的は、日本スポーツ界における暴力的指導に関して、体育・スポーツ史研究及び教員養成の観点からいくつかの問題提起をすることである。 本稿による提言は以下のようにまとめられる。 1)注意すべき最も重要な点は、スポーツにおける暴力的指導に対して我々が「自己反省」の意識をもつ必要があり、これらの問題に関する全ての発端が体育やスポーツの内部に由来しているという認識をもつ必要があるということ。 2)日本のスポーツ界における暴力的指導が軍隊のシステムに由来しているという説明がなされている。が、しかし、この説明は歴史的史料に基づいておらず、実際にいつ、どのようにして学校の体育やスポーツに入ってきたのか、その過程についてはほとんどわかっていない。それゆえ我々は、史料に基づいた歴史的事実の提示をしなければならない。 3)スポーツにおける暴力的指導に関する歴史的研究が進展してこなかった理由は、問題史研究という手法に注目してこなかったからであり、我々はこの研究手法に注目する必要がある。 4)体育やスポーツのあらゆる分野で暴力のない新しい、創造的な指導法を構築するために、我々は体育やスポーツについて全く知らない多くの人々と意見を交換しなければならない。 5)教員養成系大学における学生たちの受講態度に留意することは、カリキュラム改革よりも重要である。 最後に重要な点として、本稿では以下の点を強調しておきたい。日本のスポーツ界から暴力的指導を排除することはおそらく困難であろうと思われるが、我々は、そのためには、相当に長い時間を要することを覚悟しなければならないということである。
著者
一色 玲子 鈴木 明子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.26, 2007

<B><BR>【目的】</B></BR> 家庭科の調理実習は一般的にグループ活動として展開されており,その学習環境が多様な学びを構成している。実習台を取り巻く場の共有は,調理実習固有の「相互作用のある対話(transactive discussion:TD,以下TDと略記)」を誘発する。TDとは,「自分自身の考えをより明確にしたり,相手の考え方や推論のしかたにはたらきかけ相手の思考を深めたりするような相互作用のある対話(Berkowits&Gibbs,1983)」である。調理実習では調理の分担等,異なるモノや他者との関係性にもとづいた対話がみられる。本報告では中学校の調理実習を対象に,抽出班の授業過程におけるTDに着目し,対話の実態を探ることを目的とした。<B><BR>【方法】</B></BR> 授業分析の対象はF中学校の2年生2学級であった。対象授業は平成18年5月11日(1組),同16日(2組)に2時間構成の授業として実施された。実習題材は炊き込みご飯,だし巻き卵,すまし汁であった。<BR> 実習授業のVTR記録にもとづき,各学級抽出班5名のプロトコルおよび行動分析をおこなった。高垣ら(2004)の「TDの質的分析カテゴリー」にもとづき,他者の考えを引き出したり表象したりする表象的トランザクション(representational transaction)と互いの考えを変形させたり認知的に操作したりする操作的トランザクション(operational transaction)を検討した。さらに,個人意識および実習自己評価を質問紙により調査し,分析の資料とした。個人意識調査は,平石(1990)の自己肯定意識尺度をもとに対自己領域17項目(因子:自己受容,自己実現的態度,充実感)と対他者領域20項目(因子:自己閉鎖性・人間不信,自己表明・対人的積極性,被評価意識・対人緊張)計37項目を設定し,5段階評価で回答を得た。</BR><B>【結果および考察】</B><B><BR> 1.対話の量的分析および質的分析</B></BR> 抽出班一人当たりの対話平均回数は1組131.4回(対班員117.2回,89.2%),2組197.2回(対班員169.8回,86.1%)であった。そのうちTDを含む場面は1組10回,2組11回であった。両抽出班とも一人ずつだし巻き卵を焼く場面にTDが含まれていた。また,失敗や完成する場面では象徴的な表象的トランザクションが発現していた。さらに,他者の見守る中で作業する場面や他者を補助する場面等では,学習者相互に場の共有を認識したTDがみられた。<B><BR> 2.個人特性と対話との関連性</B></BR> 個人特性と調理実習の対話の質に関連がみられた。対人的積極性が高い生徒は他者評価が多く,自己受容が高い生徒は指示や指摘を与えることが多いこと,被評価意識が高い生徒は作業の確認が多く,自己閉鎖性が低い生徒は指示を受けることが多い傾向がみられた。<B><BR> 3.調理実習に対する評価と対話との関連性</B></BR> 実習後の自己評価アンケートより,「班員との協力」,実習の調理体験や他者のサポートにもとづく「役立ち感」,料理のできばえや他者からの称賛による「満足感」,先生や班員等「他者とのかかわり」から調理実習を肯定的に評価していた。これらは他者との対話に内在しており,両トランザクションによる認知的葛藤が知識・技能の習得にそれぞれ関与していることが推察できた。 具体的な調理操作を伴う調理実習において,対話におけるTDが活動や思考の方向性に影響を与えるだけでなく,学習者の認知的葛藤を引き起こすことが示唆された。中でも操作的トランザクションを含む他者間葛藤は学習者の情緒面と連動し,個々の学習評価に有用な役割をもつと考える。
著者
大下 市子 鈴木 明子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, 2014

【目的】<br>&nbsp; 小学校,中学校および高等学校の家庭科学習によって,自立した生活主体としての生活実践力を身に付けさせることが必要である。布を用いた製作の経験が,生活実践力にどのように影響を及ぼしているのか,大学生の家庭科における製作体験と生活実践力との関係を検討することによって明らかにしておくことは,今後の教員養成の指導のあり方を考える上で重要なことと考えられる。 現在の大学生は,中学校での製作は選択内容であり必ず学んでいるとは言えない。また, 高校では「家庭基礎」履修の場合,被服の製作は行わないという教育課程で学んでいる集団である。日常生活でも裁縫経験が乏しい現状を勘案すると,製作体験の精査を行うことは不可欠である。<br>&nbsp; &nbsp;そこで,まず,小学校,中学校および高等学校家庭科でどのような教材を製作し,どのような意識をもって学んできたかという実態を把握した上で,生活実践力との関係を検討することを本報告の目的とした。<br>【方法】 <br>&nbsp; &nbsp;調査時期:2012年1月,2013年1,7月 <br>&nbsp; &nbsp;調査対象者:広島市私立総合大学女子大学生1年生142名,2年生53名,3年生10名,4年生6名,合計211名。広島県内出身者 約85%。 <br>&nbsp; &nbsp; 調査内容:小学校,中学校および高等学校家庭科において製作した布を用いた教材と製作への興味・関心・意欲,製作物の使用実態についての質問紙調査を行った。同時に生活を実践する力10項目について問い,製作体験や意識との関係を分析した。<br>【結果】 <br>&nbsp; &nbsp;家庭科での製作体験有りは,小学校96.7%,中学校75.4%,高等学校50.2%であった。小中高を通しての製作教材数は,3種類が最も多く28.0%,ついで4種類20.9%,2種類19.4%であった。小学校での主な製作物は,袋類(ナップサック・リュックサック・巾着など)であった。体験有りの76.0%が袋類,60.3%がエプロン類を製作していた。中学校では,小物類(クッション・ティッシュケース・刺繍など)がもっとも多く,体験有りの55.3%が製作していた。ついでズボン類(ズボン・ハーフパンツ・短パンなど)で23.9%,エプロン類17.0%であった。高等学校では,袋類(トートバック・手提げ・巾着など)が32.1%,衣服類(ジャケット・シャツ・ワンピースなど)が25.5%,エプロン類が23.6%であった。 これら製作物への興味・関心,製作への意欲は高く,いずれの校種も肯定的な回答が8割みられた。しかし,「製作物をよく使用した」は高等学校34.1%,小学校32.0%,中学校27.8%であった。その後の製作経験を問うたところ,小学校68.2%,中学校64.7%,高等学校67.4%が作っていなかった。<br> 小学校,中学校および高等学校で重複して小物類,エプロン類,袋類を作成している実態が明らかになった。それぞれの校種における教材の種類,布の種類及び製作方法などの検討を行う必要があると考えられる。小学校と中学校において,興味・関心,製作意欲が高いのは小物類であった。中学校のパンツ類製作への興味・関心,製作への意欲は他の製作教材に比べて低く,使用頻度も低い傾向にあった。高等学校では,衣服類製作への興味・関心,製作の意欲は高いものの,使用頻度は低い傾向がみられた。<br> また,小学校,中学校および高等学校を通じての製作教材数と生活を実践する力の「成果」の項目の関係をみたところ,製作数が少なくても成果がみられ,製作数が増えるに従い成果が上がっていることが明らかになった。<br>&nbsp;&nbsp;
著者
鈴木 明彦 志賀 健司
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.116-121, 2007-11-08
参考文献数
28

トリガイFulvia muticaは,ザルガイ科に属する大型の二枚貝類である。九州・朝鮮半島・中国沿岸から陸奥湾に分布し,水深10-30mの砂泥底に生息するとされている(波部,1977;松隈,2000)。また,トリガイの軟体部は美味であるため,各地で食材としても利用されている。トリガイは,主に暖水域に分布しており,その北限は日本海側では陸奥湾付近,太平洋側では東京湾付近とされている(肥後・後藤,1993;松隈,2000)。しかし,北海道においても西南部でまれに記録されており(石川,1953;伊藤,1961;波部・伊藤,1965),2005年12月には函館湾で大量漂着が認められた(山崎・他,2007)。今回,2006年10-11月,2007年3月に石狩湾沿岸で多数の打ち上げられたトリガイを確認した。これは最北の記録になるため,石狩湾からのトリガイの産出を報告する。また,北海道の第四系から産出するトリガイ化石の再検討を行い,その古環境学的意義を考察した。
著者
川島 信吾 植田 広 佐藤 恒久 鈴木 興太 鈴木 祐二 山口 裕充 内崎 紗貴子 鈴木 明
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.816-819, 2010-09-15

麻酔科関連の学会では一つの目玉になる企画として,学術機器展示がある.機器展示場は最新機器の特徴や情報を得る絶好の場であるが,研修医や若手医師のなかにはそれぞれの企業とのやり取りが苦手で有効に活用できていない場合がみられる.ベテランの医師でも効率よく回れないブースの配置もある.そこで,日本臨床麻酔学会第29回大会では,初の機器展示場のラウンドツアーを企画・実行した.担当のモデュレータが,各企業ブースへ案内をするツアーである.参加者には高評価をいただき,今後も継続してよい企画であると考え,反省点も含めて紹介する.