著者
青木 公也 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.72-83, 2003-01-01
被引用文献数
6

本研究では人間と共存するロボット(福祉・ホームロボット)の外界認識システムに焦点を当て,その導入研究として距離情報とカラー情報を利用した3次元物体の検出について検討を行った.ステレオビジョンが任意に移動していく過程で蓄積されていく外界情報を利用し,指定された物体の位置・姿勢を検出するアルゴリズムを提案する.3次元モデルベーストマッチングに改良した遺伝的アルゴリズム(GA)を適用する.視点移動は GA に動的環境をもたらすと考え,多峰性問題と評価関数の変化に対応するために「種族」と「競争的共存」の概念の導入を図った.また,ロバストなマッチングを行うために3次元モフォロジー演算を利用した評価空間の生成手法を提案した.距離画像の各画素に距離データだけでなく,HSV カラー情報を付加することによって形状情報とテクスチャ情報を同時に評価する手法も提案する.最後に提案手法についてシミュレーション及び実画像での実験を行いアルゴリズムの有効性を示す.本アルゴリズムは探索対象とする物体形状の複雑さに柔軟に対応できること,センサによる距離情報取得の際の外乱に対してロバストであるという特長をもつ.
著者
金子 豊 滝沢 悦貞 川添 豪
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.410, pp.73-76, 1994-12-16

宇宙開発事業団では,将来の月面有人活動の実現に向けて,先行ミッションとして不可欠な無人探査ミッションの概念検討を実施している。無人探査ミッションは,月周回観測衛星によるリモートセンシング,月面移動探査機による地表面直接探査,地球に試料を持ち帰るサンプルリターンミッションから構成される。ここでは,月全体の地形及び元素,鉱物分布のデータ取得を主目的とした月周回観測衛星の概念検討の結果について報告する
著者
佐久間 健 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121, pp.79-84, 2004-11-26
被引用文献数
1

既存の群集シミュレーションでは,各集団や各人物に簡単な行動規則を与えて自然な振る舞いを生成する手法が多く用いられている.しかしながら,これらの手法では歩行者集団の密度や流動量を直接的には制御できないため,その集団的な振る舞いを正確にシミュレーションするには不向きである.そこで本研究では歩行者の行動の制御に人間の記憶と心理的なモデルを導入し,各行動に対する動作の生成にはモーションキャプチャデータの動的な処理を用いることにより,自然な歩行動作や衝突回避動作を生成する機構を提案する.この機構を用いた歩行者集団のシミュレーション結果を実測したデータと比較することにより,提案手法の精度と有効性を示す.Existing crowd simulations often introduce the control methods that give simple behavioral rules at each group or individual. These methods, however, are unsuited for exactly simulating group behaviors because of the lack of direct controls on the amount of density and flow of a pedestrian group. This research therefore proposes the method of generating plausible motions of gaits and collision avoidance by introducing human memory and psychological model to behavior controls of pedestrians, and by dynamically processing motion capture data. The accuracy and effectiveness of our method is shown by comparing the resulting simulation of pedestrian groups with measured data.
著者
向井 智彦 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.78-87, 2005-01-01
被引用文献数
2

代表的な仮想人間の動作生成手法であるキーフレーム法は,各キーフレームにおける姿勢を指定し,その関節回転角を適切な関数で補間することで動作を生成する.しかしすべての姿勢を手作業で設計するには膨大な労力が必要であり,最適な補間関数の設計には熟練を要する.一方,近年ではモーションキャプチャ法を用いて実際の人体運動を計測する手法が主流になっており,計測した動作データの効率的な再利用が重要な課題となっている.本論文では,キーフレーム法に基づく動作生成に動作データの運動学的特徴を効率的に利用する手法を提案する.本手法では,筆者らが既に提案した機械学習による動作生成法を拡張し,動作データを用いて学習の報酬関数を設計することで自然な姿勢を探索する.またキーフレームの補間関数を理論的な人体運動モデルと動作データを用いて設計することで,人間らしい滑らかな動作を生成する.本手法により動作データの自然さを反映した複合的な全身動作を効率的に生成できる.