著者
杉村 崇明 津田 知幸 鈴木 敏仁 村上 洋介
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.599-601, 1996-06-25
被引用文献数
1

口蹄疫不活化ワクチンからVirus-Infection-Associated(VIA)抗原の精製を試みた. アジュバントに吸着しているVIA抗原は, pH.7.6, 塩濃度0.3Mのリン酸緩衝液中で撹拌することによって回収できた. 牛での感染実験を行い, 感染細胞由来とワクチン由来の2種のVIA抗原を用いて抗VIA抗原抗体を測定し比較した. ワクチン由来のVIA抗原は, 抗原性, 抗体の力価および持続期間が, 感染細胞由来のVIA抗原とほぼ同一であり, ロ蹄疫清浄国で生産し得る診断用抗原として有用であった.
著者
鈴木 敏正
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
no.104, pp.249-280, 2008

2006年末の教育基本法改定以来,教育をめぐるヘゲモニーの重要な焦点が「教育振興基本計画」となり,カウンター・ヘゲモニーとしての「地域生涯教育計画」を展開することが実践上の重要課題となっている。このように見る時,まずグラムシのヘゲモニー論から教育計画論が学ぶべきことを整理しておく必要があるであろう。 しかし,これまでのグラムシ研究の限界もあり,旧来の教育計画論がグラムシを十分にふまえて理論展開をはかったとは言えない。現段階においては,グラムシ研究の今日的発展の成果もふまえて,教育計画論がグラムシから何を学び,何を発展させる必要があるかが検討されなければならない。そこでの大きな問題は,第1に,そもそも教育学の立場からグラムシをどう理解するかという研究がきわめて希薄であるということである。第2に,教育学のどの領域(論理レベル)において(したがって,グラムシのどのような理論とのかかわりで)「教育計画」を語るかが明確でないということである。 本稿では,まずIで,「グラムシと教育計画論」というテーマがいかにして成り立つかについて簡単にふれてみる。次いでIIにおいて,グラムシ理論をふまえて教育計画論へアプローチするにあたっての基本的視点を述べる。そしてIIIからVにおいて,筆者が考える教育学=「主体形成の教育学」の立場から,原論・本質論・実践論の3つの領域において,グラムシの思想を教育学としてどのように読み取ることが可能であるかについて述べ,教育学が「グラムシとともにグラムシを超えて」いく方向を考えてみる。 IIIでは,とくに人格の構造的把握と教育基本形態とくに教育労働論にかかわる議論をグラムシ理論との関連において取り上げる。IVでは,現代教育構造の把握と,それを前提にした政治的国家の諸形態と構造,現代的人格の社会的形成過程,さらにグラムシのサバルタン論とのかかわりにおける社会的排除問題について述べる。Vでは,グラムシの教育・文化活動論を現代的人格の自己教育過程として捉え直した上で,教育実践展開の論理とグラムシの知識人論との関係を論じる。 これらをふまえて,VIにおいては,グラムシの「実践の哲学」を発展させていく方向において,現代教育計画論の課題を考えてみたい。すなわち,教育計画の基本的理解,教育計画論におけるグラムシの位置,教育計画化への「別の道」とくにアソシエーションの役割を提起する。VIIでは,グラムシ的視点から教育計画論を発展させていく課題と,それまでふれられなかったグローバル・ヘゲモニー論などとの論点かかわりで,「グラムシを超えてグラムシとともに進む」課題を述べる。