著者
小泉 達寛 山田 寛喜 藤井 智史 長名 保範 宇野 亨
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.7, pp.519-520, 2022-07-01

波浪の観測を目的とした海洋レーダは,通常,垂直偏波で運用される.筆者らは,広い海域を観測できる海洋レーダの特長を生かしたマルチユース化の可能性を検証するため,偏波海洋レーダを開発した.本論文では,そのレーダの概要と実験結果を報告する.
著者
岩岡 洋 長名 保範 吉見 真聡 小嶋 利紀 西川 由理 舟橋 啓 広井 賀子 柴田 裕一郎 岩永 直樹 北野 宏明 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.287, pp.61-66, 2005-09-08
被引用文献数
6

計算機を利用した生化学反応のシミュレーションが行なわれるようになってきた。大規模なシミュレーションモデルを扱う場合、膨大な計算時間を要するため、FPGAを用いてシミュレーションを高速化する研究が行われている。しかし、これまでの研究は主としてアルゴリズムの高速化であり、ユーザの利便性は考えられていなかった。そこでシステム生物学ではデファクトスタンダードとして用いられているモデル記述言語SBMLを利用可能とするためのインタフェイスソフトウェアを実装し、その際のオーバーヘッドなどの評価を取った。
著者
長名 保範 吉見 真聡 天野 英晴
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.120(2005-ARC-165), pp.87-92, 2005-11-30

細胞内の各種物質の濃度を高精度かつ高速に測定する実験技術の進歩に伴い、定量的データに基づく数理的な生化学システムのモデルを用いた研究が盛んになっている。現在は多細胞系のシミュレーションは生物学的にも計算機の能力的にも困難とされているが、生物学的な困難さは今後10年程度の間に解決されるものと考えられる。本稿では、現在開発中の、FPGAを用いた生化学シミュレータをベースとした多細胞系、あるいは神経回路網をターゲットとしたシミュレータの可能性についての検討結果について述べる。
著者
田舎片 健太 森下 博和 長名 保範 藤田 直行 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.361, pp.205-210, 2011-01-10
参考文献数
17

近年,物理学,化学,経済学といった種々の分野で科学技術計算が用いられている.その計算には,通常多くの浮動小数点演算が含まれており,汎用CPUでは実行効率が悪く,専用計算機上で実行されることが多い.アクセラレータとして使用されるデバイスは様々であるが,FPGAというリコンフィギャラブルデバイスは,微細化による組込み素子の増大に伴い,比較的安価である点,柔軟なメモリアクセスを実現できる点から広く利用されてきた.しかし,FPGA上にアプリケーションを実装することは,アルゴリズムといった理論の研究者にとっては困難であるという問題がある.そこで,本研究では,ALUアレイを構成し,それを利用してストリーム処理を行うことができるシステムを提案,設計する.これにより,ALUへの命令とALU間の接続情報及び演算データを用意することで,ハードウェア上での実行が可能となることを目的とした.また,専用計算機上で実行した場合の性能の目安となることも同様に目的とした.MUSCLという計算流体力学のアプリケーションを用いて評価した結果,演算部分の性能は2.4GHzのIntel Core 2Duo上での実行に対して,約4.1倍が期待できることがわかった.また,パイプライン利用率が専用計算機との比較において大きな割合を占めることがわかった.
著者
吉見 真聡 長名 保範 岩岡 洋 西川 由理 小嶋 利紀 柴田 裕一郎 岩永 直樹 舟橋 啓 広井 賀子 北野 宏明 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.45-58, 2007-02-15
被引用文献数
4

確率モデル生化学シミュレーションアルゴリズム(SSA)は,定義した生化学システムの確率的挙動を厳密に計算できるアルゴリズムとして知られている.しかし,SSA の実行には膨大な計算時間が必要であり,高速な実行環境が求められている.本論文では,高速実行の一手法として,Xilinx 社のFPGA(XC2VP70-5)を用いて,SSA(First Reaction Method)を実行する回路を実装,評価した結果について述べる.高速化は,パイプライン化した演算ユニットを使い,複数スレッドのシミュレーションを同時に実行することで実現する.シミュレータ回路は,中間データをBlockRAM に保持し対象の生化学システムごとの回路再構成を要しない,実用的な構造になっている.ベンチマーク的に定義できる生化学システムTIS,D4S で評価した結果,Xeon 2.80 GHz による実行と比較して,TIS では約83 倍,D4S では約95 倍のスループット向上が可能であることを確認した.This paper discusses an FPGA implementation and evaluation of a Stochastic Simulation Algorithm (SSA) called the First Reaction Method. SSAs are widely known as rigorous methods for simulating the stochastic behaviors of various biochemical systems, but also as CPU-hogging applications due to vast repetition of the algorithm. This work accelerates the execution by achieving high throughput with concurrent simulations of highly utilized pipelined arithmetic units. For upgrading practical utility, the design stores intermediate data in a BlockRAM so that reconfiguration is unnecessary for different target biochemical systems. Benchmark results on an FPGA (Xilinx XC2VP70-5) have shown that the circuit provides throughput of approximately 83 times and 95 times compared to software execution on Xeon 2.80 GHz when it was evaluated with biochemical models called TIS and D4S, respectively.