著者
岩井 祥子 池田 華子 長谷川 智子 吉村 長久 飯田 悠人 川口 恵理 末次 仁美
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

分岐鎖アミノ酸がストレス下の培養細胞に対し、細胞死抑制効果を持つこと、細胞内ATP濃度低下の抑制効果を持つこと、が明らかになった。また、分岐鎖アミノ酸を網膜色素変性モデル動物や緑内障モデル動物に投与することによって、視細胞変性や網膜神経節細胞死が抑制されることが明らかになった。網膜色素変性モデル動物では、分岐鎖アミノ酸投与によって、網膜の機能低下が抑制されることが明らかになった。分岐鎖アミノ酸は、小胞体ストレスの抑制や細胞内ATP濃度低下の抑制、mTORシグナルタンパクの活性化を介して、細胞死抑制効果を示していた。分岐鎖アミノ酸は、眼難治疾患の新たな治療法になる可能性がある。
著者
長谷川 智子 福田 一彦 今田 純雄 川端 一光 川端 一光
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,幼児の食・睡眠と母親の育児行動との関連性を検討するため,2つのインターネット調査を実施した.1次調査では,1000名の母親を対象に,幼児の生活時刻と規則性から5クラスターに分類し(①:夜更かし朝寝坊,②やや夜更かし朝寝坊,③やや夜型,④早寝早起き,⑤週末朝寝坊),母親の育児行動,食行動等に関する違いを検討した.2次調査では42名の母親を抽出し,5日間の子どもの生活時刻と写真法により母親の食事を検討した.その結果,夜更かし朝寝坊の子どもの母親は子どもの夜更かしを促進する行動を行い,母親の外食・偏食が多いこと,極めて簡便な朝食を摂取していることが示された.
著者
長谷川 智子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.384-394, 2012

本研究の目的は,食発達における貧しさと豊かさを論じるために,生態学的な視点からマクロ水準とミクロ水準における食の現状を検討することであった。マクロ水準では,世界における貧困と飢餓,飽食と肥満の現状をとらえた上で,世界的な規模のフードシステムが生みだしている貧困と肥満を論じた。ミクロ水準では,日本での個人の食卓において,主に食における相互作用の貧しさを検討した。これらのことを踏まえて,マクロ水準とミクロ水準での食の豊かさとは何であるかが議論された。すなわち,マクロ水準での食の豊かさとは,生産と消費がより民主化されること,消費者がフードシステムの現状を理解した上で主体的に食品選択ができること,食文化が新たに創出されることであった。ミクロ水準での食の豊かさとは,子どもが家族や仲間から人間として受容されながら共食をすることだけでなく,動植物の命をいただく感謝の気持ちをもち,家族や仲間と一緒に料理をして自分たちの食べ物を作り出すことである。このような豊かな食であれば,発展途上国の貧困な食においても家族や大切な人とのつながりのなか実現できることが示唆された。
著者
佐々木 百恵 長谷川 智子 上原 佳子 北野 華奈恵 礪波 利圭
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

看護師及び乳がん患者のリンパ浮腫に対する知識,認識及びケアの実施状況を明らかにすることを目的とし,看護師 383 名及び乳がん患者 526 名,計 909 名を対象に自記式質問紙調査を実施した。質問紙は研究者が独自に作成したリンパ浮腫の認識等に対するものと, 作田らのリンパ浮腫知識スケールを使用した。その結果,有効回答数 630 名(69%)であり,看護師の 7 割以上がリンパ浮腫ケアに対し不安を感じており,そのほとんどが知識に対する不安であった。