著者
川原崎 淑子 長谷川 禎子 天川 葵
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.99-110, 1986-03-20

1.本調査の調査対象(本人)の出身地は兵庫県並びに大阪府を合わせて81.7%と最も多く, 両親の出身地は98.3%が西曰本であった。両親の東曰本と西曰本の組合わせは2.8%でこの事がらも関西風の調理法が多いことが推定される。2.すき焼きの嗜好尺度をみると86.1%の者が嫌いでないと笞えてお‰嫌いな者は13.9%であった。3.各家庭でのすき焼きの頻度は月2〜3回が56.9%で一番多く, 曰常食として食べている家庭が多いようである。この事からすき焼きは簡単に用意が出来, 調理操作にも時間がかからないので, ある意味での手抜き料理として行われているようである。4.すき焼きの材料については大体12〜13種類が平均値を示していた。殆んどの家庭で脂身を用いており, 95%以上の家庭ですぎ焼きに必らず入れる材料はねぎ類, 白菜, 茸類, 豆腐,糸こんにゃくであった。調味料に関しては関西人が多い本調査でも, すき焼かには濃口醤油を使用しているのが80%にも達していた。5.材料をどんな順に入れていくかは, 脂身→肉→調味料→野菜→豆腐のパターンが多く,肉を主体に味わう方法が43%の家庭でみられた。数値は少ないが割り下の代用か水→調味料→野菜等を加えていく関東風の変型もみられ た。6.対象は食物栄養専攻の学生であるにもかかわらず, ずき焼きを作る人は75%が母親であ り, 家庭での食事作りがほとんど母親に依存している実態を示唆していた。
著者
大江 隆子 片寄 眞木子 細見 和子 森下 敏子 入江 一恵 大島 英子 川原崎 淑子 小西 春江 長谷川 禎子 樋上 純子 澤田 参子 山本 信子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.25-39, 2001-02-20
被引用文献数
2

Tastes of Japanese dishes are formed from fermented seasonings which each contain a unique flavor. Among such seasonings, mirin and shoyu have been used for Japanese cooking since the Edo period. Mirin, which provided the characteristic flavor of Edo cooking, has become one of the key ingredients in Japanese cuisine. Cooking books and articles published during the Edo period were studied to present this report on use of mirin and its development for Japanese cooking.
著者
長谷川 禎子
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
pp.56-67, 1967-02-01

(1)ガス熱蔵庫, 電気温蔵庫, 自動保湿式炊飯器5種, ス炊飯器, 電気びつ, 電気オーブン 電気保温盆, ジャー以上12種の各種機器の温蔵機器としての性能を試験し評価検討した。(2)温蔵温度70±5℃, 相対湿度100%の飽和状態の均一化とその4, 5時間の持続を温蔵の最 適状態の必要且十分条件とした。(3)各機器の温蔵中の器内温度は, ほぼ最適温度を示し温蔵した食品の内部温度ともほぼ一致する。それを変動させる因子は, 水分量で, 同一機器内では, 含有水分量の多い食品は一 般に高温度を示し又湿熱温蔵は乾熱温蔵より通常5℃も高く, 被覆品によっても, 最高5℃の差が見られた。(4)温蔵中の開扉開蓋による器内温度並びに湿度の下降状態は急激で, その復元に特に湿度は 相当時間かかるので, そのじん速性が要求された。(5)温蔵方法により, 温蔵食品の水分は, 時間的に変化し, 又その分量や被覆品の使用や温蔵 機器にも影響される。一般に, ガス熱蔵庫の湿熱型がその変化が最も少く, アルミ箔被覆は 優れた効果を上げた。(6)温熱加熱調理食品は温熱温蔵が適し, 反対に乾熱加熱調理食品は乾熱温蔵が適当である。尚温熱用の水分調整操作には, まだ研究の余地が残された。(7)温蔵による外観上の変化は, 色, 香, 形, 固さ, 体積等と共に味覚を官能検査し, その満足度から温蔵方法や時間を定める目安とした。しかしその評価の統計的処理は, 検数不足の為省略した。(8)乾熱調理食品特に揚物の温蔵は, 時間的にもなかなか厄介であったので, その重要因子となる衣について検討し, 又その変化の成り立ちを調理科学的に解析した。(9)実験結果を総合的にまとめて, 各種食品の温蔵に最適な方法並びに, その時間及び, 限界時間を調理形態別に表にした。即ち, シチュー類, 蒸し物, 米白飯等温熱加熱食品はよく適応しその効果も大きいが, 一般に乾熱食品の温蔵は平均3時間以上は難しいことが実証された。