著者
小西 春江
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.147-171, 1989-03-20
被引用文献数
1

1.本学食文化コース1,2年次学生201名を対象に,昭和62年7月及び12月に,調理済み加工食品138種類についての利用度調査をした。2.加工食品の利用度が高かったので,昭和63年の正月の場合について,丁度その時期に正月のおせち料理,雑煮,その他お正月行事食について調査した。3.1年次生の父親の出身地は96.9%,母の95.9%が西日本であった。両親の東日本と西日本の組合せは5.2%であった。この事から関西風の料理法であると推定される。4.おせち料理は,二世代家庭88%,三世代家庭12%の集団で調査しその比較をしてみた。5.調理済み加工食品をその主原料別に20群に分類しそれぞれの代表的な製品を抽出して計138種の加工食品を選別した。6.利用度の分類は,1年に1〜2回又は全く利用しないものを×,時々利用するは,1ケ月に2〜3回位の利用度のもの△,よく利用するは,毎日または1週間に2〜3回利用するもの○,という単純な記号を付す約束で3週間の止置法で正確を期した。7.全体的によく利用する群は,乳製品,水産製品,小麦製品,冷凍食品,スパイス類,清涼飲料,菓子類,果物類であった。8.殆んど利用されていない群は,豆製品,農産製品,米製品,複合調味料,特殊栄養食品,電子レンジ食品であった。
著者
川原崎 淑子 小西 春江
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.47-65, 1996-12-30

1.調査対象については大学2学科,で171人。短大部,l学科と5専攻で532人合計703人の調査である。2.通常の昼食では学生食堂の利用者は38%であり,利用率の高いのは,日文,幼教,英文専攻であった。3.学生食堂利用の理由は,便利さ,価格をあげていた。弁当持参は便利さ,価格,栄養をあげ,学生食堂利用については,栄養をあまり重視していないようである。4.購売利用者は便利,価格,嗜好をあげていた。5.市販弁当は嗜好,価格,便利をあげ,弁当持参とちがう結果である。これは当然お金を出して購入するのであるから,嗜好を一番にあげ,よりおいしいものを求める結果がみられた。6.調査日の結果では,前項の通常の利用とちかい,弁当が35%,学生食堂が30.7%と逆の結果であった。当日の時間割によるところが大である。しかし学生食堂等生協関係を合わせても44%とは少くないのではないかと思われた。7.学生食堂利用者の食事内容については,主食 + 汁物 + 副食,主食 + 副食,主食と副食を兼ねた1品,その他について分類したところ,全体的にはそれ以外は同じような割合で食していた。専攻別では食栄に主食 + 汁物 + 副食のバランスのよい喫食が多くみられ,他の専攻とはちがう結果がみられた。8.喫食の品数は3品目が29.2%,次いで1品目の28.3%,2品目の25.2%の順に食されていたがしかし余り差は認められなかった。献立の内容の3品目は「ご飯 + 味噌汁 + 副食」の定食型,1品では,主食と副食を兼ねた一体型,2品目では一体型と副食ともう1品という結果であった。9.エネルギー量については昼食として1品目〜3品目が約465〜716kcalとなり,蛋白質13.6〜34.7%,脂肪7.0〜29.0gの範囲の摂取量であった。3品目をバランスよく食べれば良いようである。副食として油もの2種は脂肪摂取量が高くなるので慎しむべきであるが,近頃の朝食の欠食からみて,昼食で調整する事も考えなければならない。10.価格について,学生は大分重視しており,一番多く利用している主食と副食が一体化したもので平均309円,主食 + 汁もの + 副食で373円,主食 + 副食で412円となり,高いものと低いもので103円の差があった。一番高くつく組み合わせは主食 + 副食で,例えばかつ丼 + から揚げ + サラダで580円となる。11.食事に由来する考え方については,価格,嗜好,健康,便利,ダイエットの順であり,学生は学生食堂に対しては先ず,安く,そしておいしいものをと期待しているようである。しかし,生協に学生の残流量を聞いてみるとほんの少し残している人が多いらしい。それ以外には野菜類の食べ方にも工夫し,残した場合の戻し方にも,もう少し心配りが必要のようであった。
著者
小西 春江
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.233-247, 1991-01-31

1. 1989年7月4日〜31日の一般家庭の一週間の朝・昼・夕・間食の献立と使用した食品名を自由記入で食生活の実態調査をした。2.調査対象は,本学国際食文化コースの家庭97,食物栄養専攻の家庭87,一般主婦72,本学教職員家庭19で回収率は35%で,調査対象の家族像は,前回とほぼ同様であった。3.夕食の料理様式は,和洋中折衷型が45〜50%,和風37〜43%であり,調理操作は,なま物料理が22〜25%,和え物・サラダ料理が20〜22%で,夏の季節の特長を示していた。4.夕食の料理数は3品が28%で一番多く,副食に使用された食品数は8種類が多く,朝食では7種類だった。5.食事内容で目立ったことは,一世代は焼き魚やコロッケが以外に多く,二世代はみそ汁,サラダ類が目立ち,三世代は和え物,肉・野菜炒めが多く,漬物,野菜の煮物は各世代にわたってよく食べられていた。6.冷凍食品の利用度は,専業主婦・有職主婦の差は少差で,調理済み食品の利用度は専業主婦13%,有職主婦18%であった。7.朝食の主食形態は,前回とほぼ同じだがシリアル利用者が一世代に多くあった。8.朝食の米飯主食型の副食は,卵料理は一世代で,漬物やみそ汁は二世代,三世代でよく食べられ,パン主食型では,牛乳は一世代と三世代,生野菜,果物,ハムは一世代に多く,卵料理は二世代や三世代で多かった。9.卵の使用方法は,朝は米飯主食型は卵焼き,パン主食型は目玉焼き,ゆで卵,ハムエッグなのに対し夕食は揚げ物の衣,ハンバーグのつなぎ用で1人1個ずつではなかった。10.朝食の食事内容は,1986年と大きな差がみられず,また夕食の副食に現われた食品数も朝食と同じ程度の平均7.5種で,飽食日本は宴会の食べ残しだけで健康づくりのための生活指針は,一般国民には浸透していなかった。この10月にライフスタイルにあわせて見直した指針に改訂されるらしいが,毎日の食生活のつけは,何十年後の自分の健康に影響することをもっと認識させる食教育の必要性を感じた。
著者
青山 佐喜子 片寄 眞木子 川原崎 淑子 小西 春江 阪上 愛子 澤田 参子 志垣 瞳 富永 しのぶ 正井 千代子 山本 信子 山本 由喜子 米田 泰子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-34, 2004-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
39

1)76冊の江戸期料理本中のしょうゆの出現数は2808,たまりは314,いり酒は1166であった. うすしょうゆは230,きしょうゆは205であった. うす 2)うすしょうゆの表記は,うす・薄・淡・稀・色うすきがあった. きしょうゆの表記はき・生・若があった. しかし,現在使われているうすくちしょうゆという表記は見られなかった. 3)うすしょうゆ,きしょうゆのしょうゆ合計に対する出現割合の高い料理本の著者の居住地は京都,大坂など関西が多く,関東は少なかった. 4)江戸初期から次第にたまり,いり酒が減少傾向になり,一方,その他しょうゆが多くなり,うすしょうゆ,きしょうゆも出現して,しょうゆの種類が多様化した. 5)著者の居住地,しょうゆの種類と出現時期,使われ方から,関西でのうす色・うす味食文化は江戸中期から形成されたと推察された. 謝辞本研究はヒガシマル醤油株式会社からの委託研究であり,研究助成金をご供与くださいましたヒガシマル醤油株式会社ならびに貴重なご指導とご助言を賜りました同社の牛尾公平氏に厚く感謝申し上げます. また,文献検索と解読の過程で貴重なご指導を賜りました西山短期大学の余田弘実先生に厚く感謝申し上げます.
著者
大江 隆子 片寄 眞木子 細見 和子 森下 敏子 入江 一恵 大島 英子 川原崎 淑子 小西 春江 長谷川 禎子 樋上 純子 澤田 参子 山本 信子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.25-39, 2001-02-20
被引用文献数
2

Tastes of Japanese dishes are formed from fermented seasonings which each contain a unique flavor. Among such seasonings, mirin and shoyu have been used for Japanese cooking since the Edo period. Mirin, which provided the characteristic flavor of Edo cooking, has become one of the key ingredients in Japanese cuisine. Cooking books and articles published during the Edo period were studied to present this report on use of mirin and its development for Japanese cooking.