著者
上野 卓教 吉澤 利弘 町野 毅 庄司 進一 阿武 泉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.2382-2384, 2005-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

特発性低髄液圧(Spontaneous intracranial hypotesion: SIH)症候群とは誘因なく髄液圧の低下をきたすことにより起立性頭痛・悪心・嘔吐・めまいなどを呈する症候群である.症例は24歳女性.突然,座位・立位時の嘔気・頭痛が出現した.髄液検査にて圧が0mm水柱であり,ガドリニウム造影脳MRIでは硬膜の肥厚と著明なガドリニウム増強効果,さらに両大脳半球の下垂を認めたため,特発性低髄圧症候群と診断した. MRミエログラフィーにて上部胸椎レベルに髄液と同等の液体貯留を認め,同部位近傍からの髄液漏出が推定された.
著者
福林 徹 宇川 康二 新津 守 阿武 泉
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

2種類の前十字靱帯再建例に対してその筋萎縮とリハビリテーションによる回復過程をMRIを用いて検討した。1.腸脛靱帯を用いて関節内外2重再建を行い術後1年を経たスポーツ選手10名の検査結果では健側と比較して大腿四頭筋の体積は平均97%、大腿屈筋の体積は102%と膝伸筋に萎縮が見られた。大腿四頭筋の中でも内側広筋は健側の92%と最も萎縮が強く以下中間広筋、外側広筋、大腿直筋の順であった。また靱帯再建のため腸脛靱帯を採取したことにより大腿四頭筋全体に外旋傾向が見られた。外旋は外側広筋に一番強くまた末梢に行くほど増加し、平均として健側に比較し40%程度増加していた。CYBEXによる筋力測定では60deg/sec、180deg/secとも10〜15%程膝伸展筋筋力は健側より劣っていたが、屈筋筋力に差はなかった。MRIにより等尺性筋収縮時と筋弛緩時を比較すると筋収縮時は大腿四頭筋の外旋傾向は減少していた。2.半腱様筋腱と薄筋腱を用いて前十字靱帯の再建を行い1年以上経た33例では、大腿の外旋傾向は見られなかったものの、やはり内側広筋や中間広筋を中心として5〜9%程度の筋萎縮があった。靱帯再建のため採取した薄筋と半腱様筋はまだ正常な筋力ボリュームの60%と71%を維持しておりTagging Snapshotにて筋肉収縮が確認された。半膜様筋と大腿二頭筋のわずかな肥大が半数に観察された。薄筋腱と半腱様筋腱の再生は見られなかった。大腿筋群のこれらの形態変化は、膝関節伸展と屈曲のピークトルクと軽度の相関があった。