- 著者
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高木 加奈絵
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育学会
- 雑誌
- 教育学研究 (ISSN:03873161)
- 巻号頁・発行日
- vol.85, no.3, pp.296-308, 2018 (Released:2019-10-12)
本稿は、日本教職員組合(以下、日教組)が、教育公務員特例法の作成過程で存在した教員身分法案作成に関する闘争をどのように行ったのかを、日教組の内部史料を用いて明らかにした。文部省の「秘密主義」の壁の厚さは、教員の身分保障の重要な場面で日教組が有効な運動を組織できなかったことを示している。つまり、労働三権を持ち、戦後最も有利に諸闘争を行いえた時期でさえ、日教組の運動は大きな制約を受けていたといえる。