著者
関谷 芳正 松田 太志 高橋 真理子 村上 信五
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.639-646, 2002-06-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
22
被引用文献数
3 2

Although Tinnitus Retraining Therapy (TRT) is becoming very popular all over the world, it is still not well known in Japan. In this paper, we will introduce and discuss the theory and practice of TRT.TRT is based on the theory of Jastreboffs neurophysiological model, which postulates that a number of systems in the brain are involved in the emergence of Tinnitus and the auditory periphery plays only a secondary role. The purpose of this method is habituation by using low level sound and directive counseling.Though this therapy is thought to be a powerful methods for Tinnitus, there are some uncertainties regarding the roles of sound and counseling.Larger scale control studies are nescessary to conform its effectiveness and rationalize the theory.

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著者
小島 あゆみ 高橋 真理子
出版者
日本科学技術ジャーナリスト会議
雑誌
日本科学技術ジャーナリスト会議 会報 (ISSN:24364525)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.103, pp.4, 2022 (Released:2022-06-30)

ZOOM井戸端会議 医療ジャーナリズムの日米比較 第13回ZOOM井戸端会議は3月16日に開催され、新会員で、日本医学ジャーナリスト協会(MEJA)会長の浅井文和さんが「医学ジャーナリズムの現状と課題」と題して話題提供した。 (会員 小島あゆみ)2年ぶりに科学ジャーナリスト塾 9月から開催 JASTJの看板事業の一つである科学ジャーナリスト塾を2年ぶりに開講する。第20期となる。世の中がDX化に大きく動いているのに合わせ、通常の講義はオンデマンド配信し、2週に1度のライブZOOM講義では双方向のやりとりを重視、これらにリアル講義や取材実習も組み合わせるというきめ細やかなカリキュラムを考えている。講師、アドバイザーに多くの会員の協力が得られており、9月開講に向けて精力的に準備を進めている。 (第20期塾長 高橋真理子)
著者
高橋 真理子
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-114, 2020-04-28 (Released:2020-05-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨: 2019年5月に日本ではじめて耳鳴診療ガイドラインが発刊された。この耳鳴ガイドラインでは, エビデンスに基づき推奨されており, 認知行動療法は強く推奨されている。しかし, 日本ではうつ病などに対して認知行動療法は行われているが, 耳鳴に対してはまだ行われていない。 日本で耳鳴に対する認知行動療法が行われていない理由の1つに, 海外では精神科医も耳鳴治療を行うという治療者の違いがある。また, 本邦では認知行動療法を行う精神科医も少なく, 認知行動療法が保険適応されているのは, うつ病など限られた精神疾患であることも要因であろう。現在, 慢性疼痛などへの効果など認知行動療法は注目されてきている。今後本邦においても耳鳴に対して認知行動療法が行われることを期待するとともに, 耳鼻咽喉科医ができる耳鳴の認知行動的介入 (アプローチ) として, 教育的カウンセリングや認知行動療法的アプローチをしっかり行っていくことが重要である。
著者
渡邉 暢浩 高橋 真理子 宮本 直哉 村上 信五 井上 ひとみ 出口 正裕 関谷 芳正 井脇 貴子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.354-359, 2006-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
9

HiRes 90K® Bionic Ear implantは米国アドバンスト・バイオニクス社の新しい機器であり, 米国食品医薬品局の承認を受け, 本邦以外の世界で採用されている。特徴として柔らかくしなやかで, 薄い形状であり, 手術侵襲が軽減されていることやこれまでの8チャンネルから16チャンネルに倍増していること, 新しいコード化法を取り入れていることなどが挙げられる。今回4名の中途失聴成人 (男性3名, 女性1名, 年齢64歳から74歳) に本機器を手術する機会を得, 特に術中, 術後に問題はみられなかった。軽度の浮遊感が続いた患者が1名みられたが, まもなくそれも消失した。4名のうち2名においてMAIS (Meaningful auditory integration scale) を行ったところ, 従来のプログラムであるContinuous Interleaved Sampler (CIS) やPaired Pulsatile Stimulation (PPS) よりもHiRes-SやHiRes-Pにおいて明らかに高い値を示した。結果として4名の患者はすべて新しいHiRes® sound processingを選択され, 従来のコード化法を選んだ患者は一人もいなかった。短期観察期間ではあるが, HiRes 90K® Bionic Earimplantは, 欧米での評価もあわせて効果の面でも安全性の面でも現在認可されている人工内耳より優れていると考えられた。