著者
名倉 正剛 高田 眞吾 土居 範久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.588-603, 2007-02-15

近年,ユーザに意識させずにソフトウェアの動作する機器を自動的に連携させるために,"シームレスコンピューティング" という概念が注目されている.分散コンポーネント技術をシームレスコンピューティングに適応させるためには,コンポーネントが動作する機器をネットワークに接続するだけで,ネットワーク上のその他の機器と自動的に連携するという,いわゆる"Plug and Play" ができる必要がある.そのためには,満たさなければならない要件がいくつかある.本研究ではそれらのうち,コンポーネントを発見するための方法と,発見したコンポーネントを利用する際にコンポーネントの異種性を吸収するための方法に着目する.それらの要件を満たし,異種分散コンポーネントの存在するサーバやそれを利用するクライアントをネットワークに接続することによって,Plug and Play で動作させる環境を提案し,この環境を実現するシステムを実装する.Recently, "Seamless Computing", which is a concept for automated integration of appliances executing many software, has attracted a great deal of attention. To accommodate technologies for distributed components to Seamless Computing, it is necessary to be able to "Plug and Play" appliances that execute component software through integrating automatically with other appliances attached to the network. Many requirements need to be satisfied to make this possible. In this work, we focus on the discovery of components and the integration of heterogeneous components. We propose an environment where servers with heterogeneous distributed components and clients using those components can be executed through Plug and Play. We implement a system to realize this environment.
著者
安村 通晃 高田 綾子 青島 利久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.1169-1176, 1987-11-15

汎用大型機上で動く Common Lisp の最適化コンパイラを設計・試作した. Common Lisp は 人工知能等の分野における実用的な応用に必要な機能を十分に備え かつ関数性を従来 Lisp 以上に取り込むことを目的とした近代的な Lisp 言語である.一方 従来の Lisp 処理系のユーザは 実行性能の点などで必ずしも満足していなかった.このため 我々は Common Lisp に準拠した高速の処理系 HiLISPとそのコンパイラを設計・試作した.ここでは HiLISP コンパイラの設計と最適化の方式を中心に述べる.HiLISPコンパイラは 高速性と移植性を考慮して 仮想 Lisp マシン語である Lcode を中間語として生成する.最適化の方式として 関数呼出しの最適化 型判定の最適化 局所最適化の各々の課題に対して それぞれ 自己再帰展開 コンパイル時の型判定・型推定 パイプラインを意識した命令列の並べ替えなどの方式を設計し 試作した.試作した HiLISP コンパイラに対して Lisp コンテスト代表12題ベンチマークにより 各最適化項目の性能を評価した.この結果 組込み関数展開の効果が最も大きく 次いで型判定・型推定の効果が大きいことがわかった.再帰関数展開 命令列の並べ替えなどの効果も確認できた.ここで提案する最適化方式は Lisp コンパイラ 特に Common Lisp コンパイラに有効な方式である.
著者
高田 政明 飯田 幸雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J86-C, no.12, pp.1342-1349, 2003-12-01

FDTD法において表面インピーダンス境界条件を用いた実用的な導体境界処理法を提案している.本方法では,導体の表面インピーダンスを集中定数回路の入力インピーダンスで近似する.その近似は広帯域において高精度であることが示されており,本方法の有効性を数値的に確認している.
著者
足立 由美 高田 茂樹 雄山 真弓 松本 和雄
出版者
関西学院大学
雑誌
教育学科研究年報 (ISSN:02889153)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.7-14, 2003-03-25
被引用文献数
1

近年,コミュニケーションメディアの多様化やその普及・影響について論じられているが,携帯電話の急速な変化・普及とそのことが与える影響については研究・議論が追いついていない感さえある.本稿では,2回の調査によって携帯電話コミュニケーションの実態から見えてきた大学生の対人関係について考察することを目的とする.特に携帯メール利用についての実態を報告するとともに,性別分析の結果も報告する.調査は関西学院大学の学生に対して,質問紙調査を行った.1回目の調査(以下調査1)では携帯電話の所有率や利用実態について,2回目の調査(以下調査2)では調査1の結果に基づき,携帯メールの利用実態についてより詳細に尋ねた.調査1は2000年6月中旬から8月末にかけて,調査員5名が大学内,または大学周辺で個別に調査を実施した.収集したデータ数は197名分であり,有効回答数は195名(男性94名,女性101名)となった.調査2は2002年1月中旬から1月末にかけて,調査員2名が学部の講義に出席していた学生を対象に集団または個別に調査を実施した.収集したデータ数は305名分であり,有効回答数は302名(男性161名,女性141名)となった.調査結果から,大学生にとって携帯電話は単なる情報伝達手段ではなく,最も身近なコミュニケーションメディアであることが明らかになった.特に携帯メールによる文字コミュニケーションは同世代の対人関係の絆や依存意識を高めるものとして機能していると考えられる.本研究から携帯電話の通話相手および携帯メール相手と普段の依存対象との正の相関が示された.携帯電話によるコミュニケーションの対象を見ると,音声通話ではほとんど出てこないきょうだいや先生が携帯メールでは挙げられている.このことは携帯メールコミュニケーションが対人関係を広げる可能性を示唆したものだと言えるだろう.その反面,不特定相手とのEメールへの希望は減少してきていること,恋人との音声通話および携帯メールの頻度の高さ,そして恋人への依存度との高い正の相関などから,狭い選択的人間関係の中で絆を深めるのに携帯メールが使用されていることも読み取れる.また,携帯メールは男性よりも女性に利用頻度が高いという先行研究の結果が再確認された.男性にとって携帯電話は積極的に新しい人間関係(特に異性関係)を広げるもの,女性にとっては親しい仲間(特に同性の友人と)の絆を強めるものとして機能する可能性が考えられる.携帯電話というメディアが対人関係に与える影響についてさらなる研究が期待される.
著者
高田功 著
出版者
農業教育会
巻号頁・発行日
1925