著者
宇都 浩三 風早 康平 斎藤 元治 伊藤 順一 高田 亮 川辺 禎久 星住 英夫 山元 孝広 宮城 磯治 東宮 昭彦 佐藤 久夫 濱崎 聡志 篠原 宏志
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.257-270, 2001
被引用文献数
7 13

To understand the eruptive mechanism of the 2000 Miyakejima volcanic activity, we conducted intensive geological, petrographic, and mineralogical studies on the pyroclastics of the August 18 eruption. Volcanic ashes, which were rich in accretionary lapilli, covered most of the islands. Cauliflower-shaped bombs and lapilli were ejected along with accidental lava blocks. Black-colored angular scoriaceous particles with abundant vesicles 10 -100 μm in diameter are found among ashes, comprising about 40 wt. % of total constituents. These bombs, lapilli, and black ashes have identical bulk chemical compositions and constituent mineral compositions, suggesting a common origin. Existence of oxidized ashes and accretionary lapilli attached to a large flattened bomb and chemicallyreacted anhydrite particles trapped in the voids of bombs suggest that bombs were still hot and ductile when they were emplaced on the ground. We, therefore, conclude that the August 18 eruption was a phreatomagmatic eruption and cauliflower-shaped bombs and black ashes were essential magmatic materials. Significant SO<SUB>2</SUB> emissions from the volcano after August 18 also suggest convective upwelling of magmas to a shallower level beneath the volcanic edifice. We propose a magma-ascending model in which vesiculating magmas continuously ascend through the wall of subsided piston-like blocks.
著者
高田 知実
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は以下のとおりである。(1)利益と純資産における保守主義の関連性を検証したことで保守主義の位置づけを明らかにした。そして、次の2つを明らかにすることで、企業会計における保守主義の経済的機能を解明した。すなわち、(2)市場環境の変化に伴って保守主義に対する需要も変化するという関係を実証的に示し、(3)監査法人の規模の違いによって、監査人の保守的行動に相違があることを明らかにしたのである。
著者
綿貫 豊 佐藤 克文 高橋 晃周 岡 奈理子 高田 秀重
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

海鳥の移動と体組織の汚染物質をつかって汚染分布をモニタリングする新しい手法を開発した。ミズナギドリ類2種130個体以上をバイオロギング手法で追跡した。繁殖期において、尾腺ワックス中の残留性有機汚染物質濃度は異なる海域で採食する個体毎に異なり、PCBs,DDTs,HCHsでそのパタンが違った。越冬中に生える羽の水銀濃度にも、異なる海で越冬期を過ごす個体毎で差があった。これらの地域差は汚染物質の放出源と拡散によって説明できた。この手法によって海洋汚染を海洋区プラニングで必要とされる空間スケールで測定できる。
著者
喜田 宏 岡崎 克則 迫田 義博 河岡 義裕 高田 礼人 伊藤 壽啓
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

新型ウイルスの亜型予測に資するため、鳥類および動物インフルエンザウイルスの疫学調査を実施した。ロシア、モンゴル、中国および北海道で、渡りカモの糞便3,987検体を採取し、亜型の異なるインフルエンザAウイルス212株を分離した。宮城県のブタからH1N2ウイルスを分離した。北海道大学を含む動物インフルエンザセンター5機関で25株のH9ウイルス株を交換し、解析を共同で開始した。渡りカモのウイルス遺伝子を比較解析したところ、日本で分離されたH9インフルエンザウイルスと1996年に韓国でニワトリに被害をもたらしたウイルスが近縁であった。1995~1999年に中国のニワトリから分離されたH9N2ウイルスの遺伝子解析の結果、渡りカモのウイルスと異なる亜群に分類され、ノイラミニダーゼに欠損が認められた。内部蛋白遺伝子は1997年の香港の強毒H5N1ウイルスに内部蛋白遺伝子を供給したH9N2ウイルスの系統とは異なった。香港のブタ、カスピ海のアザラシの抗体調査を行い、インフルエンザウイルスが感染した成績を得た。インフルエンザウイルスの異種動物間伝播機構を明らかにするため、ニワトリ雛の気嚢継代によって得たニワトリ馴化株の遺伝子再集合体を作出し、ニワトリ肺における増殖性を調べた。HA遺伝子を入れ替えた遺伝子再集合体の増殖性に変化はなく、他の因子が関与することが示唆された。新型ウイルスの出現に備え世界の動物インフルエンザの疫学調査とワクチン候補株を系統保存・管理するプロジェクトをWHOに提案し、各国とのネットワーク形成に支援が得られることになった。
著者
松浦 慶総 高田 一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

最近の製造拠点の海外移転の加速により,製造業の空洞化が懸念されている.ものづくりの高度化による高付加価値製品の生産が必要であるが,熟練労働者の不足や熟練技能の継承問題が大きな問題となっている.そこで本研究ではアーク溶接技能を対象とし,技能動作と熟達度との関係について3次元動作情報と筋電位情報から抽出し,さらに熟達者の判定基準から熟達度を定量的に評価する方法の提案を行った.
著者
安藤 聡彦 古里 貴士 平塚 眞樹 高橋 正弘 小栗 有子 関 啓子 宮北 隆志 境野 健兒 土井 妙子 高田 研 岩川 直樹 原子 栄一郎 石井 秀樹 片岡 洋子 広瀬 健一郎 小寺 隆幸
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、①1960年代以降世界各国において教育の「環境化」過程が生じてきたが、日本の公害教育運動は他国の社会批判的な環境教育運動と比較して、教育の目的・内容及び担い手の面でユニークであること、②チェルノブイリ原発事故後ベラルーシ共和国では放射線生態学教育が組織的に取り組まれ、日本でも福島原発事故後放射線教育が活発だが、公害教育運動の経験をふまえたアプローチも求められること、③ベラルーシ共和国において見られるリハビリ健康増進施設が日本においても有効であり、そのために公害教育研究の対象の拡大が求められること、④公害教育論の社会批判的アプローチの批判的再構築が求められること、が明らかとなった。
著者
菊地 栄治 池田 賢市 亀田 温子 栗原 真孝 白川 優治 高田 研 高橋 亜希子 永田 佳之 仁平 典宏 丸山 英樹 宮古 紀宏 椋本 洋 吉田 敦彦 吉本 圭一 和井田 清司 平塚 眞樹
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究を通じて、私たちは現代日本の若者たちが力を奪われている実態について共通認識を得た。とはいえ、具体的な事例の協働的研究を通して、さまざまな難題に直面しつつも多くの若者たちがエンパワーされていく可能性が明らかになった。総じて、〈一元的操作モデル〉にもとづく施策と実践はかれらの力を奪い取りがちである。これに対して、〈多元的生成モデル〉はかれらをエンパワーできる。多くの事例において、かれらを〈若年市民層〉へと育む実践に共通するのは、相互的主体変容を促しているという特徴であった。〈多元的生成モデル〉は、エンパワメントの実践に共通する本質的特徴であり、今後の教育改革のあり方を示唆している。
著者
高田 滋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

凝縮相の相変化によって起こる気体の非定常1次元流を気体分子運動論によって調べ主に次の成果を得た.(1)凝縮相に隣接する薄層(境界層)の構造解析から広い適用範囲を持つ線形化問題における相反性に関する一般定理群を発見した.(2)一定の条件を満たす初期状態からは互いに逆向きに進行する2つの膨張波が生じるが,それらの間に真空に成長する高度希薄領域が現れうることを示した.この領域は極めて非平衡で気体温度が強い非等方性を示すことを明らかにした
著者
高田 宜武
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.157-172, 2001-09-30
被引用文献数
4

九州天草の傾斜の緩やかな転石地潮間帯において, 同所的に生息する9種類の藻食性貝類の日周期活動を観察した。観察は夏期に4回(うち2回を大潮時, 2回を小潮時に)行った。3種類の巻貝類(スガイ・アマガイ・タマキビ)では, 転石上面で移動中の個体を「活動中」, 転石上面で停止しているものを「停止中」として記録した。5種類のカサガイ類(コウダカアオガイ・クモリアオガイ・アオガイ・ホソスジアオガイ・ヒメコザラ)と1種類のヒザラガイ類(ケハダヒザラガイ)では, 移動の有無に関わらず, 転石上面に出現している個体を「活動中」として記録した。昼夜および潮汐の状態と関連して, 活動パターンの種間変異が認められた。アマガイとタマキビは, おもに夜間の干出状態で活動した。ケハダヒザラガイとアオガイ類は, おもに夜間の干出状態と波に洗われている状態で活動した。スガイとヒメコザラは夜間によく活動し, 潮汐とは無関係であった。このような活動パターンを2つに類別すると, 活動期が限定されている種(ケハダヒザラガイ・アオガイ類・タマキビ・アマガイ)では貝の排泄した糞中の無機質含有量が少なく, 活動期が広範囲な種(ヒメコザラ・スガイ, およびイシダガミガイ)では糞中の無機質含有量が多い, という関連性が見出せた。活動期が広範囲な種は, 限定されている種と比較して, 冠水中の活動時に転石上面に沈殿した無機質粒子を摂食する機会が多いものと推測される。
著者
高田 篤 松本 和彦 毛利 透 西 平等 福島 涼史 近藤 圭介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

現在ドイツにおける「ケルゼン・ルネッサンス」の進展・成果の把握と、「ケルゼン」を通じたドイツ公法学の布置の把握を行った。前者について、1)方法論、2)民主制論、3)グローバル化・ヨーロッパ化をめぐってケルゼンが「有用」であるとして「再発見」されていることを確認し、その分析を論文、報告、報告書としてまとめた。後者については、ドイツ公法学転換をめぐる「戦線」が「連邦裁判所批判」をめぐって先鋭化しており、その構図、担い手が「ケルゼン・ルネッサンス」のそれらと重なることから、『越境する司法-ドイツ連邦憲法裁判所の光と影』の翻訳を完成させ、上記1)、2)、3)をめぐって、その意義を分析・解明した。
著者
高田 康民
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

通常のグリーン関数法と密度汎関数超伝導理論(SCDFT)との対応を考え、SCDFTにおける対形成ポテンシャルの新汎関数形を構成し、それを用いて擬クーロンポテンシャルの決定を含めて超伝導転移温度を第一原理的に計算する枠組みを提案した。また、それをグラファイト層間化合物に適用し、その超伝導機構を明確にした。さらに、この物質系も含めて、高温超伝導体合成に向けて理論的観点から思索し、強いフォノン媒介引力とクーロン斥力との相殺系の重要性を示唆した。
著者
吉井 直子 高田 雅美 城 和貴
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.258-259, 2011-08-20

幼児が効果的に形の学習を行うためには,適切な教材が必要である.そこで,本稿では,物体の輪郭を取り出すエッジ抽出が施されたエッジ画像を用いて実験を行い,幼児の奥行き知覚に関する特徴を考察する.実験結果から,5歳児男子は5歳児女子より奥行きをよく知覚していること,5歳児女子は個人差が大きく,平行に並ぶものより重なりがあるものをよく知覚できるということが検証できた.
著者
一場 利幸 森 孝夫 高瀬 英希 鴫原 一人 本田 晋也 高田 広章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.3, pp.387-399, 2012-03-01

複数のプログラムが並列若しくは並行動作する環境では,プログラムの実行順序に依存してパスが定まる分岐が存在することがある.ソフトウェアテストでは分岐を網羅することが求められ,プログラムを繰り返し実行する手法が考えられるが,特定のパスを決定的に実行することができない.また,プログラムの実際の実行順序を知ることが困難であるため,実行順序に依存する分岐に関するテストを効率的に行うことができない.本論文では,テストプログラムからプロセッサの実行を制御することで,プログラム中の特定のパスを決定的に実行する機構を用いたテスト効率化手法を提案する.提案手法により,マルチプロセッサ向けリアルタイムOSであるTOPPERS/FMPカーネルにおけるプロセッサの実行順序に依存したパスを全て決定的に実行することができ,テストの効率化が可能であることを確認した.
著者
大塚 眞理子 大嶋 伸雄 平田 美和 新井 利民 大熊 明 高田 玲子 井口 佳晴 小川 恵子 加藤 巳佐子 藤井 博之
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.131-137, 2002
被引用文献数
2

本研究の目的は、ケアマネジャーとサービス提供者による質の高い介護サービスを利用者に提供するためにITを活用したWEBケアフォーラムを開発・試行し、その効果を明らかにしてWEBケアフォーラム活用の可能性を検討することである。3事例に試行し利用者から好評をえた。3名のケアマネジャーからは【孤立性や不安の軽減】と【ケアマネジメント技術への支援を得る】が得られた。参加したチームメンバーが得た成果は、【援助感の変化】【他職種のイメージの転換と理解の促進】【利用者に対する理解の変化と援助の自信】であった。フォーラムの利点は【情報共通化の促進】【利用者の状態把握の促進】【サービス提供時の安心感の増進】【擬似カンファレンス機能によるチーム意識の向上】などであった。WEBケアフォーラムは在宅ケアにおけるチームの連携・協働を促進する効果があり、活用の可能性と課題が示唆された。
著者
高田 久美代 高辻 英之 妹尾 正登 KUMIYO TAKATA HIDEYUKI TAKATSUJI MASATO SENO 広島県立総合技術研究所保健環境センター 広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター 広島県立総合技術研究所保健環境センター Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Fisheries and Marine Technology Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.78-80, 2008-01-15
参考文献数
15
被引用文献数
5

麻痺性貝毒により毒化した養殖マガキの無毒化を目的として,貝毒原因プランクトンAlexandrium tamarenseによって毒化したマガキ(26~30MU/g)を,ろ過して貝毒原因プランクトンを除去した海水を流下させた水槽で垂下蓄養し,毒の減少過程を調べた。供試したマガキの毒力は,5日後には規制値(4MU/g)以下となり,毒化したマガキを,ろ過海水中で数日間飼育することで,毒力が規制値以下となって生鮮貝としての出荷が可能となることが示された。