著者
齊藤 智樹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.281-296, 2021-03-10 (Released:2021-03-15)
参考文献数
78
被引用文献数
3

本研究は,STEM/STEAM 統合の本質である構成概念のシステムをもとに,統合的なSTEM/STEAM 教育の各類型についてレビューし,それぞれの類型において成される研究と,その課題を検討した.歴史的に示された類型に加えて,統合がどこで起こるのかに焦点を当てた研究を基に,ディシプリンを中心に考えるDisciplined Approach と,学習者のあらわれ(Appearances)を中心に考えるCreative Approach を提示した.
著者
齊藤 智樹 熊野 善介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.51-56, 2015 (Released:2018-04-07)
参考文献数
19

著者らは,科学教育研究における科学的な研究方法論についての研究の手始めとして,NRC(National Research Council, 2002)が示した科学的原則や研究デザイン(計画)の原則を示し,それがいわゆる自然科学と何ら変わらないことを示した.同様に,混合研究法(Creswell・Plano Clark, 2007)にまつわる哲学から,量的な検討や質的な検討のどちらを採用しているかといった方法論が,研究を科学的なものにしている訳ではないことを指摘し,プラグマティズムの基礎となる可謬主義から,現代的教育課題とその実践的・実証的研究との関連性を述べた.また,アクション・リサーチ(Action Research)とデザイン研究(Design-based Research)の比較から,これらを理論的枠組みと捉え,議論可能な文法を持った方法を構築し,その方法論を議論していくという,これからの科学的な教育研究の方向性について考察した.
著者
森田 裕介 下郡 啓夫 辻 宏子 竹中 真希子 瀬戸崎 典夫 江草 遼平 大谷 忠 北澤 武 木村 優里 齊藤 智樹
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究課題では,探究と課題解決・デザイン活動を融合したSTEAM教育カリキュラムの考案,ならびに,STEAM教育教材の開発を行う.そして,DBR(Design Based Research)による実践授業と評価を行う.考案するSTEAM教育カリキュラムは,幼稚園,小学校,中学校,高校,高等専門学校,大学を対象とし,教科横断型でかつ文理融合的に統合した学びのフレームワークである.「探究型」の学びである理数系(理学系)科目,「課題解決型」の学びである技術・情報系(工学部系)科目,「デザイン型」の学びであるアート・ものづくり系(芸術系)科目を融合し,STEAM教育プログラムの事例を作成する.
著者
齊藤 智樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
1

本研究では,Next Generation Science Standards(NGSS, 2013)における,領域横断的な概念(Cross-cuing Concepts: CCs)と米国でのその歴史的な扱いに着目し,STEM教育の統合的・領域横断的な学習を支える分析的な枠組みの在り方について,基礎的な研究を行った.特に,NGSSにおけるこれら概念が,領域の核となる概念(DCIs)や科学とエンジニアリングの体験的・経験的活動(SEPs)と効果的に統合されることを目指す,3Dラーニングモデルにおいてどのように扱われているか,それぞれの概念と領域がどのようにつながれているか,またCCs同士がどのように連携するかといった点を明らかにし,領域横断的なカリキュラムの結節点として,期待される機能について考察した.
著者
齊藤 智樹
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.15-20, 2022-12-03 (Released:2022-12-01)
参考文献数
24

This study aimed to depict the structure of integrative STEM education. Referring to literature from the period when discipline-based education was actively discussed, the paper argues the nature of the structure, its three-dimensional view, and the differences depending on the structures of teaching and learning. As a result, it is shown that there is a need to reconsider the boundary between Inter- and Trans-disciplinary STEM education and to redefine the classification.
著者
齊藤 智樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.235-238, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
5

本研究では,1)STEM教育における教育研究の成立を期し,一般科学の本質からの類推により,STEM教育の教授と学習の基礎理論を綿密化すること,2)NGSS が提案する3D ラーニングモデルにおいて,領域横断的な概念と科学とエンジニアリングの体験的・経験的活動がいかに関係づけられているかについて把握することを目的とし,次世代科学スタンダードにおける関連する記述を分析した.結果,示された関係はいわゆる「プロセススキルズ」と呼ばれている技能の行使によって関係づけられていることが示唆された.
著者
内ノ倉 真吾 石崎 友規 齊藤 智樹 Rahma Suwarma Irma 今村 哲史 熊野 善介 長洲 南海男
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.87-92, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
23

現在アメリカでは、科学、技術、工学、数学(Science, Technology, Engineering, Mathematics;STEM)の教育が推進されている。アメリカでの訪問調査と関連文献と Web 公開資料の分析に基づいて、STEM 教育の推進に関わる主体の具体的な活動事例と相互の関係を把握した。そこでは、州政府、教師教育団体、大学、K-12 教育段階の諸学校が、連邦政府の財政的な支援を基盤として、相互に協力・連携して、子どもの STEM 系教科の学力および興味・関心の向上と教師の職能開発の促進を目指した STEM 教育の推進活動が行われていた。