著者
笹山 郁生
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.199-203, 2003-02-10

同一人物の顔のパーツ配置を,子どもの顔の特徴と大人の顔の特徴とにそれぞれ再配置した刺激写真を,大学生80名に提示して,印象評定を実施させた。その結果,全般的傾向として,童顔は,親しみやすいが積極的でなく,思慮深くもないという童顔ステレオタイプに基づいた印象が形成された。結果から,印象形成の際の顔のパーツ配置の重要性が考察された。
著者
中村 俊哉 中島 義実 倉元 直樹 中村 幸 Antartika I Kadek
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.223-240, 2005-02-10

福岡,沖縄,インドネシアのバリ島地区,インドのベンガル地区の4地域において,国際比較のための死生観尺度を用いて調査を行い,これらの尺度の英文,インドネシア語における信頼性を検討するとともに,4つの地域の間の死生観の比較を行った。その結果,魂の行方を決めるもの,祖先との対話などでは,大きな地域差があった。死者,祖先への働きかけは日本で高く,神への働きかけはバリ島,ベンガルで高かった。また輪廻観などはゆるやかだがヒンドゥー地域の方が高かった。同じヒンドゥーでもベンガルとバリ島の間には,様々な差(たとえば神との合体や魂の消滅について)があった。
著者
植村 善太郎 松岡 恵子
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.9-15, 2020-03-10

In recent years, there has been an increase in social interest in maltreatment for children, but there are not many studies on maltreatment in facilities such as kindergartens and nurseries. The purpose of this study was to explore organizational factors related to maltreatment in early childhood education and care facilities. We conducted an online survey of 200 kindergartens or nurseries workers (56 men, 144 women, average age 41.84 years) regarding “maltreatment”, “teamwork” that meant harmony in the organization, and “openness of the organization”. As a result of analysis of variance with “teamwork” and “openness” as independent variables, and “maltreatment” as a dependent variable, a significant main effect of “teamwork” was detected. It suggested that higher teamwork produced lower maltreatment. Based on the results, discussions were made on the mechanism by which maltreatment occurs in the facility and future research issues.
著者
劉 陽 中村 俊哉
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.141-146, 2009-02-10

日本と中国の大学生を対象に、アノミー尺度、自殺観尺度を使って調査を行った。日本に比べて中国の方が規範意識の葛藤が強かったことが分かった。経済が急激に発展している中国社会の状況は、アノミー状態に陥る状況と言える。また、アノミー尺度得点が高い者ほど、自殺に対して黙認する傾向が高いことが示される。なお、中国の女性は「女性でなければよかったのに」と思うほど、自殺念慮の経験を持ち、自殺を黙認する傾向が強いことが明らかになった。中国は女性の自殺率が男性より高い唯一ともいえる国であるが、一人っ子政策の下での女性の置かれた状況がうかがわれる。
著者
生田 淳一
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第4分冊, 教職科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. 福岡教育大学 編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.67, pp.49-55, 2018

本研究の目的は,学生の質問力を育成するための授業法などの開発に向けた実践研究として,自己発問を 求める授業を計画・実施し,その効果を検討することである。大学の講義(モチベーションの心理学)の受講生112名を対象に,質問力の変化について分析した。その結果,文章を読み質問を生成する事後テストにおいて質問を記述する学生が増加するが,効果は限定的であることがわかった。しかし,質問を促進するような認識的信念の変化が一部で見られたことから,自ら生成した質問に対して,その問いに答える(自問自答)の活動を通して,さらには,その自問自答を授業の中で共有し価値づけていくフィードバック活動を充 実させることを通して,学生の質問力を育成することができる可能性が示唆された。
著者
川口 俊明
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.59, pp.1-10, 2010-02-10

本稿は、(1)異なる学校に通うことで、子どもたちのあいだにどの程度の学力差が生じるのか、(2)どのような学校が効果的なのか(=学力を大きく向上させることができるのか)、という2つの問題について、ある市で行われた学力調査をもとに分析している。分析には、日本の社会科学領域で昨今注目を集めているマルチレベルモデル分析(Multilevel Model Analysis)を用いている。公立小学校・中学校で行われた学力テストをもとにした分析の結果、以下の2点が明らかになった。第一に、学力の差は、小学校・中学校を問わず、きわめて小さいということである。第二に、「効果的な学校」と「そうでない学校」のあいだに、決定的な違いは見いだせないということである。これは、こと学力テストの点数に限って言えば、現行の教育システム内で個々の学校・教員の努力でできることは限られているということを意味している。教育研究・教育行政に携わる人々は、この知見を真剣に受け止めて検討していく必要があろう。
著者
平田 宗史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.32, pp.109-120, 1983-02-10