著者
黒田 慶子
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.205-214, 1996-07-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
44
被引用文献数
1
著者
酒井 温子 岩本 頼子 伊藤 貴文 佐藤 敬之
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.69-79, 2008 (Released:2011-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
6 4

窒素雰囲気下で熱処理されたスギ辺材およびアカマツ辺材の耐朽性, 耐蟻性および吸湿性を検討した。熱処理の温度は140~240℃で, 熱処理の時間は24時間とした。スギ辺材の熱処理木材から木口断面20mm×20mm, 繊維方向10mm の試験片を切り出して, オオウズラタケおよびカワラタケによる12週間の強制腐朽試験を実施したところ, 処理温度が高いほど腐朽による質量減少率は低下し, 220℃および240℃の処理で質量減少率は1%以下となった。また, ファンガスセラー試験においても, 12カ月経過時点で, 無処理試験体の腐朽度が5となっても, 220℃および240℃処理試験体の腐朽度は0のままであった。一方, 室内耐蟻性試験では, 240℃処理試験体のイエシロアリ食害による質量減少率は11%であり, 耐蟻性は十分ではなかった。JIS K 1571: 2004に準拠した野外試験の結果, 奈良県森林技術センター明日香実験林におけるスギ辺材熱処理材の腐朽とヤマトシロアリによる被害も, また鹿児島県日置市吹上浜におけるアカマツ辺材熱処理材のイエシロアリによる被害も, 処理温度が高いほど軽減されることが明らかになった。高い生物劣化抵抗性を示す熱処理木材は, 吸湿性も大きく低下しており, 両者に密接な関係があることが示唆された。
著者
山名 成雄
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.2-17, 1992-01-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
15
著者
手塚 大介 森若 専太
出版者
日本木材保存協会
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.20-26, 2011-01-25
被引用文献数
1

木造家屋の土台が設置される床下環境に則した条件を想定した試験装置を考案した。イエシロアリ(Coptotermes formosanus)およびヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)が混在して生息している野外試験地において、乾式防腐・防蟻処理薬剤ニッサンクリーンCIで加圧注入処理した集成材、LVLに対する防蟻性能試験を実施した。乾式防腐・防蟻処理薬剤ニッサンクリーンCIを耐久性区分K3で処理した試験体は、5年目が経過してもシロアリの食害を受けなかった。一方で、同条件の無処理試験体は、3年目が経過したころから食害を受け始め、5年目では食害が進行していた。また、試験体材表面の蟻道形成においても、無処理材と比較して遅延していることが確認できた。以上の結果から、ニッサンクリーンCI処理された土台は劣化促進した非暴露の条件下において、その防蟻性能を5年間以上保つことが示された。
著者
栗﨑 宏 藤井 義久 簗瀬 佳之 西川 智子 中野 ひとみ 瀬川 真未 清水 秀丸
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.256-263, 2015 (Released:2016-02-01)
参考文献数
7

寺社,木橋,古民家といった日本の伝統的木構造物では,擬宝珠,端隠し,根巻き,釘隠しなどと呼ばれる銅製金物が,防水の目的で施工されてきた。これら銅金物を施工した建築物では,金物の下方の木材部材の生物劣化が強く抑制されているものがある。これは,金物から溶出した銅が部材に移行し,木材保護効果を発揮したのではないかと考えられる。銅の溶出を検証するために,三条大橋高欄の銅擬宝珠付き木柱や釘隠し付き横木の表面と,橋のたもとに設置された防腐処理支柱の表面を,ハンドヘルド型蛍光X 線分析装置を用いて分析した。得られた蛍光X 線強度値から,FP 法に基づいて各元素の含有率を算出した。その結果,擬宝珠付き支柱表面では14の全測定点から銅が検出され,うち12点では防腐処理支柱表面で検出された銅含有率0.4%を上回った。今回の調査により,銅金物からは銅が溶出して周囲木材へ移行すること,また,その銅の量は木材の生物劣化抑制に十分寄与しうるレベルであることが確かめられた。

1 0 0 0 OA 深浸潤処理法

著者
茂山 知己
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.140-141, 2018 (Released:2018-08-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2
著者
土居 修一
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.172-179, 2013 (Released:2013-09-04)
参考文献数
8
被引用文献数
3 1
著者
石川 敦子 片岡 厚 松永 正弘 小林 正彦 神林 徹 川元 スミレ 木口 実
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.72-80, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

2009年に市販されていた木材保護塗料43種類(水性6種類:各2色,油性15種類:各2色,油性1種類:1色)をスギ(Cryptomeria japonica D. Don)心材に塗装し,屋外暴露試験(つくば市,南面45度傾斜)を4年間実施して,各塗料の耐候性能を比較した。その結果,撥水度については,暴露12ヶ月目までは全ての塗料が塗替え目安の80%を上回っていたが,24ヶ月目までに全43種類中19の塗料が80%を下回ること,また,含浸形と半造膜形塗料は撥水度の低下傾向や劣化の形態が比較的似ていることが明らかになった。屋外暴露期間中の変色について統計的に解析したところ,明色系(ライトカラー)の塗料の方が濃色系(ダークカラー)の塗料よりも変色が大きい傾向が示された。さらに,今回測定した2009年市販塗料は,2004年に購入した市販塗料よりも,屋外暴露による変色と撥水度の低下が少ない傾向があること等が明らかになった。
著者
片岡 厚
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.58-68, 2017 (Released:2017-06-03)
参考文献数
68
被引用文献数
11 7
著者
原田 寿郎 上杉 三郎
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.262-271, 1996-09-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

コーンカロリーメーターを用い,難燃薬剤で処理された1類合板及びラワン材の発熱速度及び発煙量を明らかにするとともに,現行の防火試験方法のひとつである表面試験結果との比較を行った。難燃処理に使用した薬剤はリン酸一アンモニウム,リン酸ニアンモニウム,臭化アンモニウム,ホウ砂・ホウ酸,スルファミン酸アンモニウム,スルファミン酸グアニジン,塩化ナトリウムであった。コーンカロリーメーター試験により,処理薬剤の種類と注入量から燃焼性状を予測することが可能であることがわかった。また,表面試験の指標のうち発煙係数を除く指標についてはコーンカロリーメーター試験の結果と相関があることが明らかとなった。