著者
木村 吉晴 松本 崇 若菜 繁 勝沢 善永 安井 弘之 樋田 淳平 金城 一彦
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.196-203, 2017 (Released:2017-10-04)
参考文献数
5

基礎断熱工法の普及と共に,土中から基礎断熱材内部を這い上がり土台や柱等の木材をシロアリが食害する被害が発生している。断熱材内部からのシロアリ這い上がりを防止する為,押出法ポリスチレンフォーム保温材の原料に防蟻剤を添加して製造した防蟻断熱材と防蟻断熱材の目地や基礎貫通配管回りなどの防蟻措置のため,防蟻剤入り接着剤を上市した。これら防蟻材料の防蟻性能が長期的に維持されることを確認する為,実際の使用状況に近い試験棟に防蟻材料を設置して長期にわたり防蟻性能を確認した。本報では(公社)日本木材保存協会の認定品である防蟻断熱材スタイロフォームAT について,屋外に設置した基礎外断熱を想定した試験棟の10年間に亘る観察結果とその試験棟より設置5年後及び10年後に採取した防蟻断熱材スタイロフォームAT の防蟻剤残損量測定及び室内防蟻試験を行い,防蟻性能が施工後10年以上経過しても有効であることを確認した。
著者
松永 浩史
出版者
日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.66-70, 2020
被引用文献数
2

2021年の5月9日~13日にかけて,国際木材保存会議(IRG52)日本大会が沼津で開催される。2001年の奈良大会(IRG32)以来,20年ぶりの日本開催となる。日本木材保存協会は,IRG52大会組織委員会とIRG52大会実行委員会を立ち上げ,久方ぶりの日本開催を円滑に進める観点から,ここ数年のIRG大会参加への渡航助成や大会参加ツアー,発表プロシーディングの文献抄録紹介(当協会発行の木材保存に掲載)といった機運を高める取組を進めている。この総説もこういった取組の一つである。奈良大会以降のIRG大会を幾つかの期間に分け,各大会の概要を学術的な面や技術開発の側面からおさらいして,世界の木材保存研究の潮流を見渡すことを目的としている。今回は,前報(IRG33(2002年)~IRG37(2006年))に続いて,IRG38(2007年)~IRG40(2009年)を整理する。なお,2008年は本大会とは別にアメリカ地域大会が別途開催されたので,これについても整理する。
著者
今村 祐嗣 藤井 義久
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.61-69, 1995-03-25 (Released:2009-12-08)
参考文献数
9
被引用文献数
4 3

木材加害昆虫の摂食活動がアコースティック・エミッション(AE)の発生とリアルタイムに対応していることが明確になったので,この原理を用いてイエシロアリの食餌活動に伴う行動様式を追跡し,解析した。容器内に一定頭数のイエシロアリと木材を設置すると,試験開始後,数時間~数十時間でAE事象数は急増し,その後一定値まで低下するが,数日経過後再び上昇した。その後,この増減のリズムを繰り返した。兵蟻を全く移入しない場合,移入区より明らかにAE事象数は少なく,これに対応して木材の摂食量も少なかった。また,兵蟻の割合が標準より多い場合においても,AE事象数は少なくなったが,経過日数につれて増加し,この傾向は野外で採取したシロアリで著しかった。周囲の温度によって事象数は変化し,27℃付近より低下するにつれて減少し,12℃ではAEの発生は停止した。再び温度を上昇させるにしたがいAEの発生は増大し,さらに,試験を開始した27℃より上昇させると38℃付近までは増加する場合も認められるが,その後は一般的に減少し40℃を越えるとAEの発生は停止した。その後は,温度を下げてもAEは再び発生しなかった。また,イエシロアリの食害活動は明らかに光の照射によって影響を受け,AEの発生も一旦停止ないし低下した。しかし,その後時間の経過とともに光の照射下であっても食害活動は再び回復した。
著者
芝本 武夫
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.13, pp.8-13, 1979
被引用文献数
1
著者
山本 幸一 川上 敬介 上杉 三郎
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.166-173, 2007-07-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
20

木や竹の伐採時期と得られた木材・竹材の生物劣化に対する耐久性との間の明確な関係を論じたものはない。伐採の時期と木材・竹材の耐久性を明らかにするために,森林総合研究所千代田試験地苗端のクローンである28年生のスギ(Cryptomeria japonica),及び同一林地に生育している3年生前後のモウソウチク(Phyllostachys heterocycla)を,2003年2月から12月にかけて12回に渡って伐採して試験に供した。伐採は,木・竹の伐採には適さないと言われている十干十二支(干支:えと)の選日の一つである「八専:はっせん」の期間中と,近接する「八専」でない日に,それぞれ行った。伐採後,直ちに玉切りした試験体を,野外に地上10cmの高さで水平に暴露し,カビの発生程度,目視による腐朽の程度,ピロディンによるピンの貫入深さ,キクイムシの被害の有無を3年間にわたって経時的に調べた。その結果,試験体木口面へのカビの発生程度はスギ,モウソウチクともに,伐採された時期とは明確な関係を持つが,「八専」との関係は認められなかった。腐朽に関してもスギ,モウソウチクともに,「八専」との関係は認め難かったが,冬期に伐採された試験体では,それ以外の時期に伐採された試験体に比較して,腐朽の程度が「八専」,「非八専」の何れにおいても高かった。ピンの貫入深さは,スギでは,腐朽度と関連性が見られたが,モウソウチクでは,腐朽度と関連性が見られず,目視による腐朽度は低く評価されたものの,大きな値となった。キクイムシの誘引は,2月伐採と4月伐採の皮付き丸太で見られたが,「八専」と「非八専」の間で,誘引頭数に相違は見られなかった。
著者
岩崎 克己
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.1977, no.7, pp.12-18, 1977-05-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3
著者
片岡 厚
出版者
日本木材保存協会
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.58-68, 2017 (Released:2017-07-28)
著者
黒田 慶子
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.2-6, 2013 (Released:2013-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1
著者
長谷川 益夫
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.246-253, 1996-09-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
18
被引用文献数
6 4
著者
門田 賢一
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.219-223, 2012 (Released:2012-11-07)
参考文献数
4
被引用文献数
1