著者
小谷 康敬
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.917-924,a1, 1991

平成2年における主要な災害としては,<BR>(1) 6月2日から7月22日にかけて九州地方を中心とした地域に被害を与えた梅雨前線豪雨<BR>(2) 瀬戸内海地方を中心とした地域に被害を与えた台風19号 (9/11~9/20) および秋雨前線による豪雨<BR>(3) 九州および関東地方を中心とした地域に被害を与えた台風20号 (9/26~10/1) による豪雨<BR>の3災害が挙げられる。<BR>これら3災害をふりかえり, その概要と被害の内容を述べる。
著者
若杉 晃介 藤森 新作
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.785-788,a1, 2005-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5
被引用文献数
3

農村の生物多様性低下の要因に乾田化の増加が挙げられている。そこで, 乾田化が水田に生息するトンボ幼虫の生息環境に与える影響を調べ, それに対するビオトープ整備の指針と対策を検討した。通年湛水を行った水田では一年中生息が確認されたが, 非灌漑期に用水供給がないと多くのトンボ種が採取されなくなった。中でも乾燥に弱いアオモンイトトンボ幼虫は湛水深がなくなってから砂質土で4日, 重粘土で8日, 関東ロームで23日後に死滅した。また, 土壌硬度を測定した結果, 土壌によってはコンバインの走行に必要な硬度を得た時も生息していたことから一般的な水稲栽培管理とトンボの保全が両立する可能性が示唆された。
著者
太田 信介
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.215-220,a1, 1988

農村総合整備事業の中で農業集落排水施設の整備が行われるようになって15年が経過した。この間に, 農業用水の水質汚濁の原因に占める生活雑排水の割合は年々増加し, 昭和60年には全体の8割を占めるに至っている。これに対応して, 農業集落排水事業に対する実施要望も年々高まってきている。<BR>ここでは, 農業集落排水事業の概要, 特質, 実施状況, 今後の整備の方向等について行政的な観点から論じた。
著者
棚橋 康人
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.475-476,a1, 2005-06-01 (Released:2011-08-11)

木曽川沿いの中濃可茂地域は, 自然環境の豊かな地域である。岐阜県はこの地域のメインテーマを 「環境」 としており, 可児市の 「世界一のバラ園」 では,「愛・地球博」 と連携して 「花フェスタ2005ぎふ」 を開催する。本報では, 可茂農山村整備事務所の環境保全事業から,「農村環境パビリオン事業・送木地区」 でのビオトープの創造と,「棚田地域水と土保全基金事業・北山集落地区」 での花植えによる棚田保全活動の2事例を紹介する。いずれも, 住民の結束力=「地域力」 を高揚し, 地域への貢献を具現化しつつある。NN事業の目指す一つの方向として, 自然や環境のために行動できる人を育成し,「地域力」 として高める取組みが必要であろう。
著者
藤井 秀人 堀川 直紀 中 達雄
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.163-169,a1, 1998-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

水田農業が地域水環境に与える影響について実態を把握するため, 米国の調査を行った。カリフォルニア州の代表的な用水事業であるCVP, SWP, グレン・コルサ水管理区等での聞取り調査をもとに, 同州の厳しい水事情と水環境を保全するためのさまざまな水田農業に対する規制の実態について紹介する。具体的には, 水田を冬季の間湛水させ, 生態系, 特に渡り鳥の生息地として利用させる試みとその急速な普及, 農薬散布後は圃場水を28日問田面に保留する規制, CVP改革法により, CVPの水の一部が環境用水へ振り向けられること, CVPの利水権者は水を転売することが可能になったこと等について報告する。
著者
相川 文明
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.243-246,a1, 1978

軟弱地盤上に設置する機場基礎工事の盛土中に円弧スベリ現象が生じ, ヘドロ状態のシルトおよびその下層に地盤の乱れが起きて, 粘着力ではほば半分に低下したため, 生石灰グイにより地盤改良を行った。この工法の特徴は化学的脱水, 膨張圧密の効果により, 粘着力の増加が数値的に確かめられることであり, 本工事ではこの作用によりヒービングの防止に努めた。
著者
増野 途斗 中村 好男
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.121-124,a2, 2005

花宗川における春水通水慣行は非灌漑期の春先において, 矢部川から分水する花宗川を瀬替して通水し, クリークに用水を貯水する慣行である。この通水期間は「四月上旬から八十八夜までの一ヵ月間」において実施されていたが, 現在では約20日間遅れで継続されている。このような慣行に関し, 旧通水期間と瀬替部分の横断水路敷設を視点に, 慣行の成立過程を検討した。その結果, 旧藩時代の初期に田中吉政氏の農業振興対策の一つである麦栽培の導入・奨励が契機となって, 瀬替水路は開削され春水通水慣行が成立したことを明らかにした。
著者
岩本 彰
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.225-229,a2, 1994

学生会員の中には新社会人としての出発を控た方や, 来年度の就職に対する活動を開始された方もおられると思う。最近, 幾つかの大学の就職説明会に, 企業側の立場で参加させていただく機会があり, 学生のコンサルタント業務に対する興味の高さを実感した。とくに, 1989年に日本が世界一の政府開発援助供与国となり, 開発途上国に対する援助が身近となったこともあって, 海外の農業・農村開発に対する数多くの質問が寄せられた。<BR>このような状況に鑑み, 本報文は, コンサルタント業務の概要と海外における農業・農村開発プロジェクトの実状について述べるとともに, コンサルタントの将来の課題について考察を加えたものである。
著者
浦 良一 木村 儀一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.299-304,a1, 1976-05-01 (Released:2011-08-11)
被引用文献数
1

日本建築学会では八郎潟干拓地計画に関する特別委員会をつくって, 干拓地の全体計画, 中心地計画, 住宅計画, その他地域施設計画に関する研究を行ってきた.その成果は八郎潟干拓企画委員会建設部会を通じて八郎潟干拓地の建設に反映されていった。本稿ではその過程で検討された諸点について述べ, そこでの検討結果がその後の農村計画, 地方都市圏計画にいかに影響していったかについてもふれている。
著者
柚山 義人 日下部 正徳 阿部 邦夫 中澤 幸介
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.7-10,a2, 2006

千葉県香取郡山田町では, バイオマス利活用推進の気運が高まりつつある。本報では, 自治体の戦略, 地元に密接した農事組合法人和郷園や農業工学研究所の視点や関わり方を紹介した。町は, 農林水産省のプロジェクト研究「農林水産バイオリサイクル」におけるバイオマス多段階利用実証研究の舞台となった。町は, 実証研究の企画段階から参画し, バイオマス利用推進協議会を立ち上げ, バイオマス利活用計画策定に役立てようとしている。こうした山田町における取組みは, 農業をより魅力的なものにし, 地域資源を保全し, 環境を守り, 新たな人の交流をもたらそうとしている。縁ができた研究機関やマスコミは, 応援団になりたいと考えている。
著者
向井 章恵 村本 明子 渡辺 紹裕 荻野 芳彦
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.957-961,a2, 2001-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

生態系の保全を考慮した水田圃場における水管理・水利用が求められている。本報では, 水田生態系における高次の捕食者である鳥類を取上げ, その水田利用の概況を整理した上で, 湛水を中心とする圃場の条件とその生息条件に関する国内外の事例を整理して, 鳥類の生息と水田の利用管理や整備の課題を考察した。とくに, 収穫後の湛水によって冬の渡り鳥に生息場を提供することを取上げ, カリフォルニアと宮城県蕪栗沼など国内外の「冬季水田湛水プロジェクト」と, また, 湖北地区におけるコハクチョウ飛来水田の条件調査の成果概要を紹介した。

1 0 0 0 OA 浮稲

著者
山田 登
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.76, 1983-01-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2