著者
河野 英一
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.115-116,a1, 1997

現在の「私学の大学院」について, 思うところを私学・日本大学の大学院を例にしつつ述べた。<BR>それは, 私学大学院と博士前期 (修士)・後期課程の設置の目的, 農業土木学に関わる分野を基幹にする各私学大学院の研究科・専攻・専門分野・入学定員・入学試験科目等の内容紹介, 私学大学院の改組の計画, 私学大学院で培われる諸能力・得意科目の活かし方等への進学者における心構えについてであった。
著者
須藤 良太郎 坂本 貞 加藤 昌平
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.129-133,a1, 1981-02-01 (Released:2011-08-11)

概算的であっても一定精度を確保したうえで, 工事費を簡単に把握できれば次にとるべき手段, 方法の選択を容易にするなど工事費概算式はいろいろな分野で便利に利用され得るものである。現在一連の工種について概算式の作成作業を進めているが, 今回フィルダム工事費の概算式が一応実用の領域に入ったものと判断し, ここに報告し参考に供するものである。

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著者
卜藏 建治
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.594-594,a2, 1988-06-01 (Released:2011-08-11)
著者
元杉 昭男
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.179-184,a1, 1989
被引用文献数
1

土地利用型農業の生産性向上には経営規模の拡大ばかりでなく, 新技術を駆使した大区画圃場整備も重要な意義を有する。大規模農家は経営規模に対して意欲的であるとともに, 圃場の大型化に興味をもっている。<BR>事業を推進してゆくためには, 農地の流動化を促進し, 新しい施行技術・営農技術の開発を急ぐとともに, 技術吸収力と経営感覚にすぐれた担い手農家の育成が大切である。<BR>また, 今後の課題として, 小規模農家を事業の中にどう組入れてゆくかが技術開発の課題となるものと思われる。
著者
中村 則彦
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.967-972,a1, 2003

磐梯朝日国立公園の名峰朝日岳のブナ原生林に源を発し, 村上市の農村地帯を潤しながら日本海に注ぐ清流三面川は, 世界で初めて鮭の回帰性を利用した「種川の制」を考案して, 天然増殖を図った, 歴史の深い自然豊かな川である。<BR>農業農村整備に伴う当市の環境保全対策は, この母なる三面川に鮭が永久に遡上し稚魚が育つ環境を将来に引継ぐために, 基本方策を「鮭の子のふる里づくり」と名付けたマスタープランの内容紹介と, 環境に配慮した取組みとして, 県営ほ場整備事業区域内のホタル等貴重生物の保護のための人工水路の整備からホタルの飛翔まで, 当市独特の育成方法を解説し, その取組み事例を記した。
著者
井谷 昌功 半田 修弘 小林 秀匡 谷 茂
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.265-269,a2, 2000

「ため池防災データベース」は, 溜池の防災に資する基本的なデータの集積を図ることを目的として, 平成7年度, 全国の45自治体, 7農政局および北海道開発局の委託により整備を実施した。その後, 溜池防災関連情報の蓄積が継続的に行われ, 現在, 登録されている溜池数は8万件以上に達している。本データベースの震央検索を利用して, 96年6月以降に震度4以上の地震があった山口県や岩手県などにおいて, 迅速な点検作業に有効利用されたという実績を得ている。<BR>平成10年度にバージョンアップした内容および緊急時の活用事例について説明し, たあ池防災データベースの今後の展開について報告した。
著者
安中 誠司 山本 徳司
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.881-885,a1, 2003-10-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

合意形成をめぐる近年の状況の変化を踏まえ, ワークショップ形式による住民参加型の合意形成支援の手法的な側面に焦点をあて, 意義や問題点, 今後の課題を提示した。濃密な人間関係と優れたリーダーの存在を前提とする個別説得型の伝統的合意形成を代替するものとして注目を集めているワークショップは, 集落点検やTN法等の様々な参加型手法を活用する。それらは住民参加支援という点で大きな意義を持つ反面, 意見収集の手法として形式的に適用される危険性も内在させているとともに, 合意の促進という面でも発展途上にある。実効性を高めるためには, 手法論的な観点から様々な点に留意し, 将来に向けてさらなる進化を図る必要がある。
著者
後藤 高広 加藤 史郎 飯野 陽一郎 齋藤 洋一 渡部 英敏
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.589-592,a2, 2005-07-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

国営会津農業水利事業は, 喜多方市を中心とした会津北部地区 (昭和47年着手), 会津若松市を中心とした会津南部地区 (昭和52年着手), 会津高田町を中心とした会津宮川地区 (昭和55年着手) の3地区, 総計13, 6000haに及ぶ国営かんがい排水事業であり, 会津盆地の平坦部のほとんどを包含する一大事業であった。本事業も平成17年3月に会津宮川地区の完了をもって完全に終了することとなっているが, 本報では, 先に完了した, 会津北部, 会津南部両地区を含め, 会津盆地に見られる農業水利の歴史的な背景に触れながら国営事業実施までの経緯や事業概要, さらに事業の実施に伴う効果や課題等について述べる。
著者
高木 東 宮崎 毅 中野 政詩
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.313-318,a2, 1989-04-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
24

農地斜面上の水の移動, すなわち降雨によって生じる表面流および雨裂内の流れについて述べ, さらにそれらの流れによって生じる土壌の流亡すなわち面状侵食および雨裂侵食について, それらの現象を記述する基礎方程式を中心に水理・水文学的な解説を行った。次に, それらを踏まえて, 耕うん, 等高線栽培, 有機物の施用そしてマルチングなど農地における土壌の管理が土壌の流亡の制御に果たす役割について解説した。
著者
中野 政詩 宮崎 毅 田渕 俊雄
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.525-530,a1, 1989-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

フィールドで土中の物質移動をみると, 特異的に,(1) 長く続く大間隙を通る移動,(2) 斜面における土中の移動,(3) 深い土層中の移動,(4) 表面に亀裂が発達した土中の移動, こうしたものをよく知ることが必要である。その特徴として, 大間隙中の移動は極めて早い速度をもち,深い所の土塊中の水分を素早く補給する。斜面では水流の方向が独特な向きをとり,成層土では各土層でその方向がまちまちになる。深い土層中では,通年鉛直下向の移動を起こし地下水を涵養する。また,亀裂が形成された土地では,亀裂に囲まれた土塊中で個々に移動が異なる。こうした点を解説して,講座のまとめとした。
著者
粕渕 辰昭 中野 政詩
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.237-241,a2, 1989-03-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

土中の物質移動が,太陽放射を源とするエネルギの移動と深く結びついていることに焦点を当てて解説した。まず,地表におけるエネルギの流れとそれに連携した土中の熱伝達の特徴を述べ,重力とは逆の方向である下から上に向う流れが重要であることを指摘した。次に,土中におけるエネルギ移動と物質移動との相互関係について,水分不飽和領域における温度勾配下の水移動の特徴を述べた。さらに,視野を拡大し地球レベルでの土中のエネルギと物質移動を生物圏の中で位置づけ,今後の農地管理にもこの視点が必要であることを述べた。
著者
石田 朋靖 中野 政詩
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.421-428,a1, 1989-05-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27

従来, 植物に対する土中水の有効度は, pFに代表される土中水の状態によって静的に判断されることが多かった。しかし, 植物の生長は植物体自身の水分状態によって決まるものであり, その水分状態は根に向かう水移動と大気の蒸散能との相互関係の中で動的に決定されている。本章では土壌, 植物, 大気を連続的にとらえた系 (SPAC) における水移動について解説し, 系内の各部位での水分変化の特徴を述べ, こうした水移動の中で決まってくる植物の水分状態と植物生長, あるいは生産物の品質との関係についても若干の説明を加えた。
著者
宮崎 毅 中野 政詩
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1225-1230,a2, 1988-12-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7

土壌中の微生物の生態について, ごく初歩的な知識をまとめた。土壌による水の浄化機能など, 水循環や物質循環の中での土壌微生物の役割の重要性は, 従来から指摘されては来たが, そこにはどのようなメカニズムが働いているかについてわかりやすい説明はなかなか見出し難い。本講では, 土壌微生物の基礎知識をでき得る限り簡略に記述し, 後半において微生物の生存と増殖が間隙サイズのレベルでどのように生じているかを示す代表的なモデルとして, モルツのモデルとマクラーレンのモデルを解説した。微生物の消長と物質移動の現象も質量保存則に基づいて記述できることを示した点に, 本講の特徴がある。
著者
大井 節男 岩田 進午
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1115-1121,a2, 1988-11-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
8

化学物質は, 土中の複雑な間隙の中を, 移流と拡散との結合した運動により移動する。そのため, ミクロに見ると, きわめて複雑な移動現象に見える。しかし, マクロ的には, 平均流速と分散係数のみで表される非常に単純な現象となり, この分散現象の理解こそが, 物質移動を解くカギとなる。分散現象に関連した概念は, 現在かなり混乱しており, 本講では, 分散の理論的背景と概念の整理が行われている。まず, 拡散現象について, 拡散とは何か, 拡散のスケール効果, 拡散速度を明らかにした上で, 次に, 移流と結合した分散現象を, 毛管中の分散, 粒子層中の分散, 土中の分散に分けて述べている。