著者
遊佐 陽一
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.398-405, 2019 (Released:2019-09-11)
著者
真坂 一彦
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.518-533, 2016-05

北海道における代表的な蜜源はニセアカシア,シナノキ,そしてクローバーであり,それにアザミ,キハダ,ソバ,トチノキと続くなど,蜜源の多様性が高い。この主要7蜜源植物だけでみると,樹木蜜源は66.6%を占め,さらに森林性のアザミを加えると75.6%に達することから,北海道では森林が重要な蜜源となっているといえる。道内における蜜源植物の分布には,植生や土地利用の在り方を反映した地域性がみられる。ニセアカシアは道央の旧産炭地に多く,シナノキを対象とした蜂群数は原生的な森林が残っている道北やオホーツクで多い。蜜源の多様性や地域性を生む背景には,明治まで過度な山林利用がなかったことや産炭地だったという歴史的要因,そして冷温帯林~北方林に特有の樹種構成などの気候的要因が指摘できる。日本全体でも蜂蜜生産量が多いニセアカシアは,侵略的外来種として外来種問題の俎上に載ったが,ミツバチが果樹野菜のポリネーションに欠かせないことから,2015年,産業管理外来種に指定された。シナノキは林業上,重要な樹種でもあり,戦後,広葉樹林の伐採が進んだことで蜂場の小規模化・分散化がすすみ,ヒグマ被害を誘発したと考えられる。
著者
川瀬 成吾 小西 雅樹 上原 一彦
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.93, no.9, pp.808-822, 2018-09

淀川流域は日本最古の湖・琵琶湖を主水源に持ち,広大な氾濫原環境を有するという地質的・地理的要因から,生活史のすべてを淡水域で過ごす純淡水魚類の種数が河川としては日本でもっとも多いことで知られる。当流域には,天然記念物のイタセンパラやアユモドキParabotia curtus,固有のヨドゼゼラBiwia yodoensisやヨドコガタスジシマドジョウCobitis minamorii yodoensisなどの河川の氾濫によって生じた河川本流の周囲に広がる水域を好む魚類(=氾濫原性魚類)が多く生息し,上流の琵琶湖流域とは異なったユニークな生態系を有している。しかし,淀川の在来魚類は1960年代から水質汚濁,1970年代から河川改修による河道の水路化,ワンドやタマリの消失などによって激減している。さらに,2000年代に入り,オオクチバスMicropterus salmoidesやブルーギルLepomis macrochirusを中心とした外来魚類が急増し,イタセンパラやヨドゼゼラなど在来魚類の激減に拍車をかけている。1970年代から10年に1度実施されている淀川全域調査によると,1990年代までは総採集個体数に占める外来魚類の割合は2%未満だったものが2000年以降30%前後まで激増し,在来魚類の数は激減している。大阪府および京都府版レッドデータブックにリストアップされている淀川流域産魚類から減少要因を抽出すると,外来魚類がそれぞれ3番目および2番目に多く挙げられる状況となっている。私たちは川瀬ほかで淀川流域の外来魚類について網羅的に調査し,近年の分布や生息状況について初めて包括的に報告した。コクチバスMicropterus dolomieuの分布拡大やチャネルキャットフィッシュIctalurus punctatusの淀川での初報告,アリゲーターガーAtractosteus spatulaの生殖腺の発達が確認されるなど,従来のオオクチバス,ブルーギルに加えて新たな脅威が迫っている。
著者
樋口 太重 宮坂 典利
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.427-432, 2013-04

近年,家畜排泄物およびその堆肥化過程で発生する悪臭は,周辺住民の猛烈な反発を招き,畜産業の存続を左右しかねない深刻な問題にも発展する。悪臭は他の環境問題と異なり,人間の臭覚で判断されることから,ひとの思考や体調などの影響を受けやすい厄介な問題である。畜産から発生する悪臭成分は,悪臭防止法で定められる22物質のうち,アンモニア,トリメチルアミン,低級脂肪酸(プロピオン酸など4種類),硫黄化合物(硫化水素など4種類)が主体となろう。今後,悪臭成分の除去など畜産排せつ物の適正な処理は,地域住民に安心・安全の生活環境を与えるばかりでなく,有機物資源の有効利用など地域の物質循環に役立つと考えられる。本稿では悪臭成分除去の視点から,人間による悪臭成分の感知,アンモニアの無臭化と微生物,完熟堆肥を利用した無臭化堆肥の試みについて,若干の知見に基づいて述べる。
著者
佐藤 充克
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.296-308, 2018 (Released:2018-06-15)
著者
野口 弥吉
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, 1956-01
著者
野口 弥吉
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.81-84, 1954-01
著者
野口 弥吉
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.1357-1360, 1953-11
著者
米本 仁巳
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.549-553, 2008 (Released:2011-01-20)

パッションフルーツ冬実中の酸含量を低下させる温度および土壌水分。パッションフルーツは、ブラジル南部からパラグアイ、アルゼンチン北部が原産で、トケイソウ科、トケイソウ属のつる性多年生草本である。和名ではクダモノトケイソウ、紫果物時計草、食用時計草などと呼ばれる。主要生産国はブラジル、ペルーなど南米地域の国々である。しかし、近年ではオーストラリア、ハワイ、ニュージーランドの他、ケニア、タンザニア、インド高原地域、東南アジアの亜熱帯性気候の地域で広く栽培されている。主産県は鹿児島県、沖縄県と東京都の3県である。また、パッションフルーツの果汁には、リン、ビタミンA(カロテン)、アスコルビン酸、ナイアシンなどが多く含まれ、タンパク質分解酵素も2種類含まれ、消化機能を高めることが知られている。さらに、他の果汁にはない特有の芳香成分が含まれ、アロマセラピーにも効果のあることが認められている。
著者
高木 正見 中平 賢吾 岩瀬 俊一郎
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.1071-1079, 2016-11

レンゲは,明治から大正・昭和にかけて,水田の裏作緑肥作物として,わが国の近代稲作農業に大きく貢献してきた。また,緑肥としての効用や飼料作物として利用できるだけでなく,養蜂業にとっては,春季の蜜源植物として,レンゲは重要な存在である。レンゲ蜜は,国産蜂蜜の中でも代表的な蜂蜜なので,"はちみつの王様"と呼ばれ,現在では希少性も伴って,国産レンゲ蜜は最も高価な蜂蜜の1つであり,その一方で,ピンク色に染まったレンゲの絨毯は,1960年代以前,わが国の春の田園風景にとって,欠かせないアイテムであった。ところが,わが国におけるレンゲの作付面積は,1960年以降急激に減少した。その原因としては,化学肥料の普及や,わが国の畜産が農家の役畜的飼育から畜産専業の用畜的飼育,とりわけ企業的多畜化へ変貌し,飼料としてのレンゲの利用価値が低下したことが大きかった。さらに,レンゲ作付面積の減少に追い打ちをかけたのが,1982年に海外から侵入した,アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica,以下「アルタコ」と略)であった。養蜂家は,レンゲ栽培農家の減少に少しでも歯止めをかけようと,稲作農家にレンゲの種子を無料で配布し,水田裏作として播種してもらうという努力も行ってきた。しかし,アルタコによる被害は激甚で,稲刈り後に播種したレンゲが,開花する前に全滅するという事態が,九州から西日本全体に広がった。アルタコは,現在では全世界的な害虫であるが,もともとは,中東および中央アジアからヨーロッパにかけて分布する,マメ科牧草の害虫であった。わが国には,1982年に九州と沖縄に侵入し,分布を拡大し,現在は本州北部を除く日本全域に分布し,レンゲの害虫として問題になっている。しかし,米国から導入された寄生蜂,ヨーロッパトビチビアメバチ(Bathyplectes anurus,以下「Ba」と略)の効果が現れ始めた福岡県を中心にした西日本では,レンゲの花が回復しつつある。そこで本稿では,このアルタコのレンゲ害虫としての生態と,天敵である寄生蜂の導入の経緯,さらに,その寄生蜂を使った生物的防除を核にした本種の総合的害虫管理(IPM)について解説する。
著者
福岡 正信
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, 1962-06
著者
福岡 正信
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, 1962-05
著者
北山 敏匡
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.154-158, 2009 (Released:2011-03-05)
著者
樋口 太重
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.29-33, 2014 (Released:2014-05-30)
著者
池羽 智子
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.271-277, 2007 (Released:2011-03-05)
著者
真木 太一
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.761-765, 2010 (Released:2011-03-28)
著者
佐藤 充克
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.296-308, 2018 (Released:2018-06-15)
著者
徳山 倫子
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.712-722, 2017 (Released:2017-11-16)
著者
後藤 隆郎
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.890-893, 2006 (Released:2011-03-05)