著者
安田 仲宏 久下 謙一 小林 孝治 青木 直和 長谷川 朗 熊谷 宏
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.87-91, 2001-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いることにより, イオン粒子線飛跡の3次元情報を得る新しい手法を開発した。市販のカラーフィルムに粒子線を照射した。飛跡の深さの違いがカラー像として現出し, 3次元情報をカラー情報から得ることができた。また, 最少電離粒子に対して感度を有する原子核乳剤に3種類のカプラーを混ぜて, 3層に塗布したカラー原子核乾板を作製し, 粒子線を照射してカラー現像を行った。飛跡の深さの違いによる, 3色の発色が確認された。この手法の優位性と限界について原子核乾板における飛跡と比較して考察した。
著者
大倉 恵美 石井 仁美 高本 祐子 高山 幸宏 牧平 清超 熊谷 宏 佐々木 正和 田地 豪 二川 浩樹
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会誌 (ISSN:18844421)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.258-265, 2012
参考文献数
10

本研究では市販口腔保湿材13種類と試作品3種類を用いて,その粘性,湿潤度と香り,味,舌触り,潤いについて物性評価および官能評価を行った.粘性は粘度の低い口腔保湿材で数mPa・sから高い口腔保湿材で数千mPa・sと口腔保湿材の間で大きな差があった.口腔保湿材の粘度は温度が高くなると低くなり,常温で粘度が高くても口腔内では粘度が低くなると考えられた.湿潤度は,フィットエンジェルジェルタイプで最も高くなり,ついでバイオティーンマウスウォッシュ,試作品(ウメ,グリーンアップル)が高くなった.官能試験ではVAS法を用いて,香り,味,舌触り,潤いを評価した.口腔保湿材ごとに特徴があり味や香りに対する好みなども分かれていた.これより,口腔保湿材には粘性や湿潤度などの物性に加えて味や香りなどの好みもあり,それぞれの特徴を理解し,患者に合わせて選択する必要があると考えられた.
著者
鈴木 哲也 熊谷 宏 内田 達郎 吉富 信幸 渡邊 竜登美 石鍋 聡 水口 俊介 関田 俊明 平野 滋三 宮下 健吾 小林 賢一 長尾 正憲
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.476-484, 1994-04-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
40
被引用文献数
2 4

The distribution of occlusal support of 366 aged patients of over 70 years was surveyed and analyzed in this study. Their masticatory abilities were also evaluated by the questionnaire on the masticatory aspects of 20 kinds of foods, and their maximum occlusal forces were measured with the pressure sensitive foil. The relations among masticatory ability, maximum occlusal forces and the distribution of occlusal support were analyzed.The results were as follows.1. 52.8% of the upper and lower dentulous patients had less than 5 occlusal tooth contacts.2. Posterior tooth contacts were less than anterior ones, and even in posterior areas, occlusal contacts tended to be less from the second molar to the first premolar.3. 61.2% of the upper and lower dentulous patients had no occlusal support or only unilateral occlusal support. It is evident that occlusal support is extremely ill-conditioned in elderly patients.4. It was found that if the aged have more occlusal tooth contacts and wider occlusal support areas, they would show better masticatory ability and greater maximum occlusal forces.5. In thier initial visits to our clinic they had poor occlusal support with their dentures.6. It is suggested that occlusal tooth contacts and occlusal support areas should be important for maintaining a healthy oral function in elderly people.
著者
西村 正宏 牧平 清超 二川 浩樹 浜田 泰三 中居 伸行 熊谷 宏
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

根面齲蝕の発生・進行に関与する微生物学的要因として、微生物の根面への付着、定着、酸あるいは酵素の産生による基質の分解が必要であり、我々は、カンジダアルビカンスは他のカンジダや齲蝕原性細菌と比較してコラーゲン及び変性コラーゲンへの付着能、定着能が著しく高いことを見出した。次にコラーゲンスポンジをカンジダアルビカンスと共培養すると、スポンジが完全に溶解することを見出した。このコラーゲン分解能をより定量的に検討するために、アゾコラーゲンやコラーゲン様配列をもつ合成ペプチド(FALGPA)による分解活性測定を行い、このコラゲナーゼ活性の性質について様々な検討を行った。その結果、1.アゾコラーゲンの分解能は嫌気的中性状態で血清アルブミン存在下の時に最も高かった。2.カンジダアルビカンス周囲のコラゲナーゼ活性の検討としてFALGPAの分解能を検討すると、同一ATP当たりではストレプトコッカスミュータンス、アクチノマイセスよりは弱く、ラクトバチラスよりは高かった。また血清アルブミンが存在するときに活性が高かった。3.FALGPAの分解活性はEDTAによって抑制されたが、セリンプロテアーゼインヒビター(APMSF)やアスパラギンプロテアーゼインヒビター(ペプスタチン)では抑制されなかった。また熱によって失活した。4.ゼラチンザイモグラフィーによる分子量検索の結果、培養上清中には約116kDa,150kDaの2本のバンドを検出し、このバンドはサンプルの熱処理によって消失したがEDTA処理では消失しなかった。以上の結果から、カンジダアルビカンスは細胞周囲と培養上清中に少なくとも2つ以上の異なるコラゲナーゼ様の酵素を産生し、この活性は他の細菌と比較して十分に強力なコラーゲン分解能を持つことが示された。したがって、カンジダアルビカンスは根面齲蝕におけるコラーゲン分解に十分に関わりうることが示された。