出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.738, pp.90-95, 2003-02-17

新たな試みに挑戦する際,必ずといっていいほど経験するのが「失敗」だ。しかし,その失敗が技術者にとって大切な財産となる。「自分の失敗が,より良い建築物をつくる際の参考情報になれば」という本誌の企画に賛同していただいた3人の技術者に,不具合が生じたディテールとその改善策を語ってもらった。今回,「失敗」が起こってしまった場所はトップライト,ブラインド,傘立てだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.921, pp.46-48, 2010-03-08

サッカー場のスタンドを支えるPCa(プレキャストコンクリート)製の段梁から、重さ3.5kgのコンクリート片がはく落した。スタンドを構成する段床が温度収縮し、接合部を介して段梁に水平力が加わったとみられる。 さいたま市のサッカー場「NACK5スタジアム大宮」で、東側のスタンドを支えるPCaの段梁の側面上部にひび割れが見つかったのは2009年10月31日のこと。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.956, pp.34-39, 2011-07-25

東京都が沿道建物の耐震診断を義務付ける特定緊急輸送道路を指定した。今後、旧耐震建物の耐震改修需要が高まることは確実だ。特に、民間マンションの補強技術の提案が活発になってきている。 うぐいす色の外付けフレームを大きな樹木のような形で取り付けた外観は、南側の高架を走るJR総武線の車窓からも見える。東京都江戸川区北小岩、蔵前橋通りの南側に立つクラウンハイツだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.786, pp.68-71, 2004-12-27

わさは本当だった。小粋なカフェに小学生たちが吸い込まれていく。まるでなじみの駄菓子屋や学童保育所に入るように、2人、3人と連れだって……。「いつも来てるの?」と問いかけると、「毎日!」という威勢のいい声が返ってきた。平日の夕方や休日の昼間、ここは近所の子どもたちの憩いの場となる。 カフェの名は「Salon de AManTOサロン・ド・アマント」。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.722, pp.87-89, 2002-07-08

週末などに出かける物販店──。できれば量販店の様子を思い浮かべてほしい。高く積まれた商品やそのパッケージ,値札や貼り紙などが空間のイメージを支配しているはずだ。設計者にはコントロールできない,そうした要素を不純物と感じるか否か。それは,商業施設のデザイナーたりうるかの資質に大きく関係するところだ。
著者
岡本 藍 小谷 宏志
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.963, pp.16-31, 2011-11-10

太平金融大厦(上海)は、高層オフィスビルが立ち並ぶ上海・浦東地区の中心部で、金融関連企業が集まる陸家嘴に建つオフィスビルだ。日建設計が特命で受注した。 太平金融大廈の周囲には、金茂ビルや環球金融センターなど有名な超高層ビルがそびえ立つ。日建設計の陸鐘驍氏は、織物のように折り重なるカーテンウオールを提案した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.665, pp.74-81, 2000-05-01

Okinawa Prefectural Peace Memorial Museum / Architect : Shunji Fukumura・team DREAM 「平和の礎(いしじ)の横にへんな建物を造ったら許さんからね!」——福村俊治氏は沖縄出身の義理の母からこう言われて目が覚めた。沖縄で知り合った設計者たちとチームを組み,新平和祈念資料館のエスキースコンペに参加した1996年のことだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1018, pp.86-89, 2014-02-25

日経BP社は2月5日、新たに創設した「ECHOCITY製品大賞」の受賞製品を発表した。大賞はタイルカーペットの再生材比率を77%まで高めた住江織物のECOS(エコス)シリーズが受賞。ほか5製品に特別賞を授与した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.681, pp.122-125, 2000-12-11

「最初に足を踏み入れた時,まるで大きなリンゴ箱の中に入ったようだった」。麻生木綿子さんは,内覧会の時の印象をそう振り返る。室内の至る所が,節もあらわなむくのスギ板張り。玄関を上がった瞬間に,ツーンと木の香りが漂ってくる。確かに巨大な木箱のような空間だ。 ここは昨年秋に完成した大規模マンションの1室。他の住戸はごく一般的なマンションの仕様だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.823, pp.24-26, 2006-05-22

ユニバーサルデザイン(UD)には「これが正解」という解決方法はないといわれる。社会システムの変化や利用者の属性などによって多種多様な解答が用意できるからだ。設計者の考え方しだいで、建物はユニバーサルデザインにより近づくことができるだろう。このクイズは、「どのくらい優しい気配りで設計しているか」をテーマに作成した。質問はすべて三者択一方式。
著者
細谷 陽二郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.898, pp.130-132, 2009-04-27

久しぶりに国立京都国際会館を訪れた。最後に来たのは学生時代なので、もう20年ほど前になる。今回、地下鉄の駅を降りて会館に向かい建物が見えてきたときに「おや」と思った。以前はなかった「アネックスホール」が増築されていたからだ。 本誌では1977年に、開館から11年を経過した同館をリポートした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.895, pp.3-5, 2009-03-09

中国・北京市のCBD地区で2月9日、OMAが設計したテレビ文化センター(TVCC)が全焼した。北京市消防局によると、消防士1人が死亡。旧暦の正月に当たる春節を祝う花火が原因だった。建設中の事故とはいえ、超高層建築物での大規模火災はまれ。「対岸の火事」として見過ごすことはできない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.766, pp.18-21, 2004-03-22

に設置してあるエスカレータをわずか2日間で交換した。エスカレータ全体を大きく三つのブロックに分割して1日目に撤去、2日目に二分割した新しいエスカレータを設置した。それぞれ、実質的な作業時間は、終電後の送電停止から始発前の送電開始までの2時間半。従来の方法では、現場で解体してから組み立てるまでに1〜2カ月の工期が必要だったので、大幅な短縮を実現した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.922, pp.52-55, 2010-03-22

環境共生を前面に打ち出す民間の集合住宅はまだ少ない。2009年5月に完成した東京都杉並区の賃貸マンション「トレステージ浜田山」は、通風を促す配置計画や、外断熱などの基本性能の確保に、積極的に取り組んだケースだ。 昨年秋、最上階の3階住戸に入居した住まい手は、「見学したのは真夏の8月だったが、室内の風通しがよく、暑さが気にならなかった」と感想を語る。
著者
木村 駿
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.897, pp.22-27, 2009-04-13

幾重にも連続する開口部を通して、光や中庭の木々だけでなく、同じ建物内のテナントの息遣い、さらにはその先に広がる山並みまでもが、室内に飛び込んでくる。 UID一級建築士事務所代表の前田圭介氏が広島県福山市で手掛けたオフィスビルは、南北の間口が約10m、東西の奥行きが約45mの「うなぎの寝床」のような敷地に建つ。敷地は西側で前面道路に接している。建物は東側に寄せた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.687, pp.8-17, 2001-03-05

屋という概念のない建築——。仙台市が建設した図書館やギャラリー,シアターなどの複合施設「せんだいメディアテーク」は,こんなユニークな特徴をもつ。 設計者の伊東豊雄氏は「部屋をつくると,そこに特定の機能が与えられてしまう」と話す。使い方が固定されると,創造的な行為が妨げられるというのだ。メディアテークのデザインは明快だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.673, pp.82-91, 2000-08-21

函館市内から車で約20分。公立はこだて未来大学は,市街地を挟んで函館湾と函館山を望む,小高い丘の上に,この4月開学した。 校舎は16万6000m2の敷地のほぼ中央に位置する1棟形式。南側の全面開口に面した吹抜け空間には,「スタジオ」と呼ばれる学習スペースがひな壇状に配されている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.803, pp.8-14, 2005-08-22

平行に並ぶ8枚のメッシュ状の格子壁が建物を支える。格子壁はスチールフラットバーの垂直材と斜材で構成され、平行四辺形の格子部分には三角形のスチールパネルやガラスブロックがはめ込まれている。ところどころ向こうが透けて見え、三角形が幾重にも連なる様子は壮観だ──。今年3月に竣工した公立はこだて未来大学研究棟に格子壁を用いた狙いを、設計者の山本理顕氏はこう説明する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.645, pp.49-51, 1999-07-26

昨年9月の台風で周囲の木が倒れかかり庇が全層に渡って折れた国宝・室生寺五重塔では,その修理が始まっている。被害の大きな五重と四重を解体し,それ以下の各重も,破損した部材を取り替える。難関となるのは心柱付近まで差し込んだ隅木。上重の柱が載っているからだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.644, pp.86-90, 1999-07-12

レム・コールハースが教鞭を執っていたことで知られるオランダのデルフト工科大学は,これまでに優秀な建築家を数多く輩出してきた名門。1984年の事務所設立から今年で15年目を迎えたメカノーのコアメンバー4人も,同大学の卒業生だ。彼らが設計を手掛けた母校の図書館を紹介する。