著者
畠中 克弘 岡 泰子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.680, pp.30-51, 2000-11-27

施工図の作成を専門に手掛けるA氏はある日,先輩のB氏から一通の電子メールを受け取った。B氏は二十数年のキャリアを持つ施工図管理のベテラン。メールには,B氏が出向している大手ゼネコンの現場の近況が記されていた。こんにちは,○○です。暑い日が続きますが,元気にお過ごしですか。私の方は,やっと現場に入りましたがよく分からない現場です。設計班は13人もいます。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1021, pp.78-80, 2014-04-10

現在は富山市で活動する濱田氏だが、1993年に事務所を設立してからの約1年半の間は東京・池袋の小さなワンルームをオフィスにしていた〔図1〕。8畳程度(約14m2)の面積で間に合ったのは、「下請け仕事からコツコツ始めよう」と考え、オフィスは実務作業を行う…
著者
佐野 由佳
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.881, pp.12-23, 2008-08-25

1937年生まれの伊丹潤氏が韓国で今、大ブレイクしている。ソウルはもちろん、各地で計画が目白押し。いずれもリゾート開発のような巨大プロジェクトが大半を占める。伊丹建築の何がクライアントたちの心をくすぐるのか。その魅力の背景に迫る。(佐野由佳=フリーライター) 「自分の人生に、こんな事態が起ころうとは思ってもいなかった」。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1014, pp.56-59, 2013-12-25

敷地の奥行きは約16m。その長さを生かしたひとつながりの空間が特徴の住宅である。ほとんど間仕切りのない室内を快適に保つため、ソックダクトと呼ぶ布製の筒を用いたユニークな全館空調を導入した。 敷地は東西に長く、南面は隣家が近接している。
著者
橋本 夕紀夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.800, pp.90-93, 2005-07-11

仕上げ設計の内容を、代表的な場面(写真)を使って一目でわかるような誌面構成で紹介する。第3回は、インテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏が設計した「喜代鮨 恵比寿店」を取り上げる。懐かしい老舗のような店にすることを狙った仕上げ設計のポイントを橋本氏が解説する。
著者
谷口 りえ
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.918, pp.14-17, 2010-01-25

驚異的な"軽さ"が伝わってくる建物だ。しかし、薄い壁には似合わず、仕上げは石張り。鉄骨造の建物の下には大きな地下空間が存在する。コンペで設計者に選ばれた乾久美子氏(乾久美子建築設計事務所代表)は「重厚になりがちな石を使いながら、軽く・薄くして重厚さを中和した。都市と公園の狭間に建つ特殊な立地と、様々な与条件を生かした」と話す。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.656, pp.113-115, 1999-12-27

神奈川県横須賀市の湘南国際村は,三井不動産が開発した複合都市。その中心に位置する約290戸の戸建て分譲住宅地は,相模湾を見下ろす丘の上にある。 95年から分譲を開始した同社では,約2年前から建築家の起用を販売の目玉にしたシリーズを展開してきた。これまで3回のプロジェクトに分けて4区画ずつ,12戸の住宅を5人の建築家が設計。いずれも即日完売と,好評を博している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.940, pp.34-37, 2010-12-13

新幹線開業の果実をつかみ取れ─。巨大な「集客装置」である駅を観光や市街地活性化の起爆剤にしようと、沿線の自治体は周辺開発に余念がない。そんな期待とは裏腹に、ハコモノ頼みの限界も見えてきた。 12月4日に開業したばかりの東北新幹線の新青森駅。約800席ある一番列車の切符は、発売からわずか30秒で売り切れた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.980, pp.66-69, 2012-07-25

JRの平泉駅(岩手県平泉町)を降りて、歩き始める。ビルや住宅が間隔を空けて建ち、背後に山が間近に迫っている感じは、東京近郊の新興住宅地を歩いているような感覚だ。そういえばここは、中世に開発されたニュータウンだったな、と思い至る。 平泉の歴史は、12世紀の初めに奥州の豪族、藤原清衡が江刺(岩手県中南部)から拠点を移してきたことに始まる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.853, pp.72-81, 2007-07-23

世界中の注目を集めている経済都市が中東にある。アラブ首長国連邦(UAE)の首長国の一つドバイだ。埼玉県と同程度の面積を持つ都市を舞台に、目を見張るばかりの急速な開発が進んでいる。 ドバイで進行中のビッグプロジェクトの多くは、情報・通信や金融、スポーツなどといった業務内容や用途ごとにゾーニングしたエリアを、まとめて開発する形態をとっている。
著者
浅野 祐一
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.853, pp.70-96, 2007-07-23

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで進行中の建設プロジェクトでは、国外から起用された建築設計者による奇抜な建築デザインが目白押しだ。既に工事が始まっている建物も多い。一方、UAEのアブダビやカタールのドーハでは、安藤忠雄氏や磯崎新氏など日本の建築家がかかわるプロジェクトが進んでいる。中東の主要都市で話題のプロジェクトの現状を追った。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.666, pp.64-70, 2000-05-15

横浜市の港北ニュータウンの中心,横浜市営地下鉄センター北駅を出ると,観覧車を頂に冠した建物が目に入る。阪急百貨店が100パーセント出資したデベロッパーのモザイク開発が運営するSC,モザイクモール港北だ。都筑阪急はその核テナントとなる百貨店。専門店街を挟んで駅ビルと対置する形に都筑阪急を配し,専門店街を貫く横方向の人の流れを引き起こそうとしている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.890, pp.60-63, 2008-12-22

どっしりとした柱と梁。構造材がそのまま露出した見上げるような小屋裏。その大空間に守られるように、居間、食堂、台所がひと続きにある。新しい床、壁、新しい家具。けれどもそこは、家族の誰にとっても懐かしい場所だ。 福岡市城南区に建つこの住宅は、建て主の祖父の代に建てた築約100年の民家を改修したものだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.731, pp.70-73, 2002-11-11

銀色に輝く巨大な曲面の屋根を見上げると「都市部に建つ近代的な建築物」というイメージが強い札幌ドーム。意外にもその外構のほとんどは,のどかさが漂う野原のようなつくりだ。草地が広がり,林がぽつぽつと散在する。人の手が加わっていないような池もある。9月に訪れたときには草地で蝶々が舞っていた。 「"生きている"という感じの自然だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.963, pp.42-51, 2011-11-10

20年越しの計画で段階的に再開発する高松丸亀町商店街。今年3月、北側の3街区を覆うアーケードが完成した。通りから建物3層分を見渡すために考えられた構造が、街ににぎわいをもたらしている。 香川県高松市で江戸時代から続く丸亀町の商店街では、足かけ20年になる再開発計画が進行中だ。今年3月に完成したアーケードは、従前のおよそ倍の高さである約21m。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.641, pp.128-137, 1999-05-31

野尻湖ホテル,強羅ホテルなど,歴史ある有名ホテルが,この二年ほどの間に立て続けに休業に追い込まれた。これらは昭和初期,外国人観光客の誘致を目的としたホテルブームのなかで誕生したもの。これらのホテルのなかには,間一髪で解体を免れた所もある。受難の時代を迎えたクラシック・ホテルの現状を取材した。 3月31日,強羅ホテルの60年の歴史に幕を引く最後の朝がやってきた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.762, pp.72-76, 2004-01-26

「なべが空になった。こっちにカレーを持って来て」。2003年12月13日午前、修道院に集まったボランティアの人たちが、ホームレスへの炊き出し用の弁当をつくっていた。修道院を所有する「神の愛の宣教者会」の修道士や主婦など20人余りが机を囲む。日本語や英語で会話を交わし、てきぱきとトレーに詰めていく。 東京都台東区日本堤——。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.735, pp.60-63, 2003-01-06

「○号室に入る○○ですけど」。マンションの販売センターで行われたクリスマスパーティーで,そんな会話が交わされる。契約者たちをもてなすスタッフは,地元の主婦たちだ。 千葉・JR我孫子駅前で販売中の分譲マンション「シティア」。事業を総合監修するのは,デザインショップ・アーキテクツの染谷そめや正弘代表だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.690, pp.18-22, 2001-04-16

長いルーバーを連ねた縦のラインを特徴とするこの建物は,JR高崎駅西口に出現した自走式の立体駐車場だ。立体駐車場といえば,車が移動する水平方向,つまり横のラインで構成した外観になりがちである。外装デザインを手がけた隈研吾氏は「いかにも立体駐車場と思われる立面を避けることで,街並みとの調和を図った」と,縦を強調した狙いを説明する。
著者
Pearson Clifford A.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.837, pp.70-74, 2006-12-11

見晴らしの良い所から眺めると、それはまるで地表に姿の一部を見せる階段状のピラミッドか、マヤ遺跡といった太古の遺物のようだ。カサ・トーロはポルトガル北部ヴィラ・レアルの急峻な斜面に半ば埋まった状態で建っている。 それは、ファサードというより、はるかに山並みを見渡す傾斜33度の斜面の端に突き出した、コンクリートのデッキに過ぎない。