著者
柴田 文明 長沢 博
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.808-818, 1971-09-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
伊庭 幸人
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.677-699, 1993-09-20
被引用文献数
1

ベイズ統計の"有限温度の情報処理'としての側面を物理の研究者向けに解説し、関連する自分の研究を紹介した。とくに、1.ベイズ統計の枠組と統計物理との類似。2.'有限温度'での推定の最良性。3.'自由エネルギー'の情報処理における重要性。4.有限温度での推定を行なうためのアルゴリズム。について述べた。付録では、spin glassにおけるNishimori lineとベイズ統計の関連について、hyper parameterの推定という観点から考察した。
著者
中込 照明
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.p146-147, 1983-04

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
伏屋 雄紀
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.537-597, 2008-07-20

ビスマス研究の歴史は古く,固体物理のそれとほぼ重なる.これまでにいくつもの重要な発見がビスマスから発信され,固体物理の重要事項として幅広い分野に適用されている.一方最近では,グラフェンやα-ET塩などの新物質を含めて,固体中ディラック電子という観点からの研究が新たに発展しつつある.磁場によってバンド間を行き来する電子の運動,反磁性電流とホール電流の知られざる関係,特異なホール係数のふるまい,などが明らかになってきた.本稿では,ビスマス研究のこれまでを振り返り,最近の展開を紹介する.
著者
大橋 洋士
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.748-777, 2008-03-20

2004年にフェルミ原子気体^<40>K、^6Liで相次いで観測された超流動では、フェッシュバッハ共鳴と呼ばれる機構により、クーパー対形成に必要な引力相互作用を自在に制御することができる。この画期的な特徴を活かして実現されたのがBCS-BECクロスオーバーであり、そこでは相互作用を強くするにつれ、金属超伝導で実現するBCS状態から、超流動転移温度以上で形成された分子ボソンのボーズアインシュタイン凝縮(BEC)への連続的な移行が起こっている。これにより、従来別々に研究されできたフェルミ粒子系超流動(超伝導や液体^3He)とボーズ粒子系超流動(液体^4Heや希薄ボーズ原子ガス)を統一的に扱うことが可能になった。強結合領域で実現する超流動転移温度はフェルミ縮退温度の20%程度にまで達しており、これは金属超伝導の場合に換算すると室温をはるかに超える"超"高温超伝導の実現に匹敵している。また、ここで実現している超流動現象の物理的構造は金属超伝導のそれと本質的に同じであり、この系の研究は高温超伝導研究にも大いに資するところがあると考えられている。この講義では、BCS-BECクロスオーバーという極めて興味深い現象について、粒子の統計性、ボーズ凝縮、BCS理論といった基本的な話題から出発して詳しく解説する。併せて最新の話題についても触れ、現在爆発的勢いで研究が進むフェルミ原子ガス超流動研究の面白さを伝えたいと考えている。
著者
山上 浩志
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.328-353, 1999-11-20

相対論は高エネルギーの分野だけではなく、物質の世界でもさまざまな顕著な効果を与えている。原子核の近傍に束縛されたランタノイドやアクチノイド系化合物の4f及び5f軌道には、相対論的効果が強く働き、電子状態や電子分布に特徴的な変化を生み出す。さらに、その変化は外殻の広がった伝導電子にも影響を及ぼし、固体のエネルギーバンド構造に反映する。よく知られた相対論的効果のひとつにスピン・軌道相互作用がある。この効果は広がった電子分布をもつ半導体のpバンドにも重要な補正をもたらす。このように相対論的効果は局在的な電子分布をもつf軌道に特有なものではなく、固体電子論の一般的な効果としてみなすことができる。また、磁性体の磁気的性質に関してもスピン・軌道相互作用を媒介としたスピンの自由度による軌道の自由度の制御に対する処方箋を与える。このサブゼミでは、固体の電子構造の第一原理計算として相対論的スピン分極密度汎関数理論とディラックの相対論的1電子方程式を基礎においたバンド理論の定式化、及びそれにより解明される電子構造の特性を紹介する。ド・ハースーファン・アルフェン効果から得られたフェルミ面の形状や角度分解光電子分光によるバンド構造の分散が自己無撞着相対論的バンド計算によりはじめて説明できる場合が多い。いくつかの化合物に関する解析結果を紹介する。f電子系の磁性化合物は、多くの場合、軌道モーメントがスピンモーメントよりも大きいため、3d電子系とは対照的にf電子系の磁性は軌道モーメントが支配的である。相対論的アプローチによるスピン及び軌道モーノントの基本的な性質を説明するとともに、ノンコリニアーな磁気構造をもつ化合物に対する相対論的バンド理論の一般化にもふれる。
著者
奥村 雅彦
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.617-656, 2011-09-05

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
初貝 安弘
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.684-712, 2002-01-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。講義
著者
若林 克法
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.977-1004, 2012-02-05

グラフェンは一原子層の炭素原子膜である.炭素原子が蜂の巣格子状に配列した結晶構造をもつために,その電子構造は通常の二次元電子系と大きく異なる.種々の電子物性をつかさどるフェルミエネルギー近傍の電子状態は,質量ゼロ形式のディラック方程式によって記述される.このため,後方散乱の消失効果クライントンネリング効果,半整数量子ホール効果など,特異な伝導現象が現れる.また,グラフェンは,驚異的な高移動度をもつこと,さらに透明でやわらかい材料特性をもつことから,工学応用の観点からも強い関心を集めている.本講義では,グラフェンの電子状態および伝導特性に関する基礎を,理論的な側面から概説する.後半には,二層グラフェンの電子状態,ナノスケールグラフェンの電子状態について触れる.
著者
小栗 章
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.449-462, 1998-12-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
倉本 義夫
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.727-755, 2007-02-20

単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。
著者
楠瀬 博明 大槻 純也
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.404-439, 2010-07-05

近年,多体摂動論に基づく連続時間量子モンテカルロ法のアルゴリズムが提出され,強相関電子系の動的平均場近似における有力な不純物(クラスター)ソルバーとして広く用いられるようになってきた.本稿では,不純物Anderson模型を主な題材として,相互作用および混成(運動エネルギー)項に関する展開アルゴリズムを解説する.また,実際にプログラムを作成する際の注意点や計算効率について述べる.電子-格子相互作用系への適用など,最近の発展についても簡単に紹介する.
著者
小形 正男
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.929-950, 2012-02-05

この講義では、電子相関の強い電子系を取り上げ、その基本的な問題、用いられる手法、得られる物理的な結果や描像について述べる。対象となる物質は、高温超伝導体と、強相関の状態ではないかもしれないが比較の対象としての鉄系超伝導体、有機導体における超伝導体などである。モット絶縁体とそこにおけるスピン自由度・電荷自由度の振舞い。モット絶縁体にキャリアを導入した場合に予想される状態などについて考える。さらに超伝導状態の一般的な議論とともに、強相関電子系において超伝導となる場合に、どのような特徴があり得るのか、相図上でどのような状態が可能であるか、超伝導発現のメカニズムとしてどのようなものがあり得るかなどについても考える。いくつかの典型的な式や状態を見ながら、その絵解きを試みる。絶縁体などにおいては実空間描像がよいが、一方、金属や超伝導では波数空間描像がよい。両者の間をどのようにつなげればよいか考える。
著者
吉森 明 木村 明洋 鳥飼 正志 後藤 振一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.357-390, 2004-06-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
勝木 渥
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.39-51, 1974-10-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
Baym Gordon 市ノ瀬 慎一 佐藤 紘為 村井 忠之 山内 淳 岩淵 修一 馬場 久也 黒田 義治
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.245-268, 1980-06-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
Baym Gordon 真部 知博 伊藤 正和 寺中 久男 高木 春男 松井 哲男 乙藤 岳志 上羽 牧夫
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.315-333, 1980-07-20

今まで高密度物質についていろいろと話をしてきました。物質を圧縮すると何がおこるだろうか。密度が10^4g/cm^3に達するとイオン状態になる。すベての電子は伝導状態にはいり,裸の原子核と電子のプラズマになってしまう。つづけて圧縮すると,核物質密度で原子核はくっつきはじめて核子の流体になる。この核子はそれぞれ3つのクォークから構成されている。更に圧縮されて核子同士がくっつきはじめると,ばらばらのクォークからなる液体になる。それはクォーク物質と呼ばれる。