著者
青山 千彰 日本山岳レスキュー協議会
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-58, 2004-10-30
被引用文献数
1

我が国における山岳遭難事故者は,1994年より増加し始めて以来,右肩上がりに増加し続け,2003年には1666人まで達した.この増加の背景には中高年の登山ブームがあると言われている.事故の全体的な傾向については警視庁の事故統計以外は分からず,加えて本調査データの大部分は公表されないため,事故者数の増加に関する分析ができない現状にある.そこで,三団体(日本山岳協会,日本勤労者山岳連盟,東京都山岳連盟)の山岳遭難保険請求時に事故調査を行い,2002年よりデータベースを作成した.その内容は事故者の基礎情報(体力,経験),計画・装備,事故発生時と発生前後に関して約150に及ぶ項目から構成される.警視庁データと併せて,山岳遭難事故の実体,原因,発生のメカニズム等について言及し,知見を得たので報告する.
著者
久保田 賢一
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.3-14, 2021-01-30

本稿は,最終講義の内容をもとに,構成主義と学習環境デザインの概要について紹介をする.従来の学校教育では,個人に焦点を当て,知識やスキルを個人に蓄積することをめざすが,構成主義の学習では,個人ではなく,まわりとの関係性に焦点を当て,人や人工物との関わりのなかで,学ぶことを重視している.具体例として,アフリカの仕立屋の活動を取り上げ,徒弟が仕立屋という実践コミュニティに参加し,周辺的な仕事から次第に十全的な活動をになうようになり,一人前の仕立屋として成長していく過程を紹介する.また,活動理論は関係論的な観点から,学習者が一つの活動システムから越境して,他の活動システムとの交流を通して,発達していくプロセスを紹介する.大学のゼミにおいても,異質な活動システムとの交流が学生の学びに大きく影響していること明らかにした.構成主義の学習では,⑴主体的な知識構成,⑵状況に埋め込まれた学習,⑶異質な人との相互作用,⑷道具の活用の4つのガイドラインを提案している.
著者
桑原 尚史
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.95-107, 2022-01-30

本稿は,ヒトの進化過程におけるヒトの情報行動の形成を概観することを目的とした.その結果,本研究においては,ヒトの進化および情報行動の形成を方向付けた要因として次の2つの要因が指摘された.ひとつは,乾燥化および寒冷化という環境の変化の要因である.もうひとつは,ヒトの生態学的地位の低さという要因である.ヒトは,この生態学的地位の低さを,道具の使用および集団の形成という2つの行為で克服し,環境の変化を生き延びた.そして,本研究においては,道具の使用および集団の形成は,発声器官を変化させ,言語を複雑化させ,社会的知性を発達させ,ヒトの脳を進化させたとの考察がなされた.
著者
亀井 克之
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-17, 1995-10-30

In Europe, bancassurance, sales of insurance products through bank branch networks as a channel of distribution, have been increasing since the 1980s. Presently in France, more than fifty percent of life insurance products are sold at the bank branch networks by the bank-owned insurance subsidiaries. From the beginning of the 1990s, French banks began to enter the non-life market. However, they still don't show the same degree of competitiveness as they show with sales of life insurance products. The banking system differs a lot from a non-life insurance business. It is necessary for banks to set up a customer-oriented service including the treatment of accident and claim adjustments. Otherwise their strategy to enter non-life market would be unsuccessful. This is what we have deduced from an observation of the bancassurance in non-life markets in France.
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.39-52, 2011-01-21

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the field of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientific discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I find that people believe ads’ science claims and have trusted science blindly since 1980’s, where as before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also find that scientific words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientific words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientific association with natural images.
著者
松本 渉
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.81-93, 2022-01-30

データサイエンスが注目されている.しかし,データサイエンスが語られる際,データの分析手法へ目を奪われがちである.データには収集されるプロセスがあり,データサイエンスの真の理解には,収集プロセスの理解も重要である.本稿では,あらためてデータのサイエンスとは何かについて,林知己夫が提唱した「データの科学」の意義を確認することを通じて,分析手法バイアスともいうべき,データ分析手法へ傾倒しがちな風潮に警鐘を鳴らす.さらに,選挙情勢調査と世論調査の現状を検討することを通じて,データ収集プロセスへの真摯な取り組みが必要であることを主張する.
著者
岩田 年浩 大石 太郎
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-31, 2002-08-20

ランダムに見える株価や経済データの変動に対する予測の可能性は,長く研究者の関心事であったが,それを分析する有効な手段は存在しなかった.ランダムな変動においては要素間の複雑な相互作用が関係しており,従来の回帰分析という近似では妥当し難い.近年, カオス研究の重要性については,自然科学や社会科学という枠組みを超えて議論がなされている.この新しい見解は,株価や経済データの分析においても新たな予測の可能性につながるものであるといえよう.本研究では,数値データそのものを定性的に分析する実証的カオス分析という新しい手法を用いて,株価や経済データの持つ独特の性質を抽出し,それが示す規則性から予測の可能性について検証した.
著者
植原 亮
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.41-56, 2018-10-15

本稿の目標は,徳と人間本性をめぐるアリストテレス的な主題に関連する現代的な議論の見取り図を描き出すことである.そのために,この主題を構成する要素のうちの三点を取り上げて批判的に検討を加える.第一に,卓越した性格特性としての徳という見方に関する状況主義論争を手短に振り返る.第二に,人間本性にもとづく特定の徳のセットやそれがもたらす繁栄という概念の抱える困難を指摘する.第三に,人間本性という考えそのものを発生システム論などの現代の理論的枠組みから吟味する.
著者
江澤 義典
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 = Journal of informatics : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.49, pp.3-10, 2019-01

わたしたちは日常的な知的活動において,手元の電子機器(パソコン,タブレット端末,スマートフォンなど)にアクセスすることが多い.ところが,都合の悪いニュースなどを「フェイクニュースだ」と決めつける政治家の発言やSNSへの匿名の無責任な書き込みなどに,多くの市民が迷惑している.インターネット利用が普及した現代において,わたしたち市民にとって十分に信頼できる情報を得るにはどのような工夫が必要なのであろうか.すなわち,知的な装置をわたしたちの生活空間で活用するために検討すべき情報倫理の課題にも多くの関心がよせられている.ここでは,具体的な個々の問題解決が必要なときに,適切な相談相手(バディ)を得るためには社会的な知のネットワークの構築・維持が欠かせないことを明らかにする.
著者
伊藤 俊秀 宮澤 樹 山本 恭輔
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 = Journal of informatics : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.1-10, 2020-01

二酸化炭素の排出が地球温暖化にどの程度影響しているかは議論の余地の残るところではあるが,現時点で商用化されている水素自動車(燃料電池車)は走行時に二酸化炭素を排出しないので,地球温暖化防止に有効であると広く認識されている.しかし,水素は,工業的には天然ガスから製造されているので製造時点で二酸化炭素が排出される.そこで,水素自動車が実質的に排出する二酸化炭素量を推計し,ガソリン車,ハイブリッド車,電気自動車が排出する二酸化炭素量と比較して考察した.ここで,電気自動車については発電時の排出量であるので,各国の電力ミックスに大きく依存する.比較考察した結果,日本の場合,水素自動車と電気自動車の二酸化炭素排出量は,現時点ではほぼ同量であるが,政府が2030年に目標としている電力ミックスで考えるとむしろ電気自動車の方が少なくなることがわかった.したがって,水素ステーションなどに膨大な設備投資を行って取り扱いが難しく非常に危険な水素で走行する水素自動車の普及を推進するより,現時点でもかなり普及している電気自動車の更なる普及を促進する方が合理的である.本稿では,最後に,水素の製造や発電の際に排出される二酸化炭素の地中への貯留手法であるCCSの現状と実現性についても言及した.
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.37-59, 2012-09

本論文は,美容整形や美容医療(プチ整形)が普及する現代社会において,それらの施術を受けたいと思う人々の①属性,②身体意識を明らかにする.また,以前行った調査で,美容整形を希望する理由に「自己満足のため」が最も多かったという結果をうけ,③美容実践が,身体を自分の所有物と感じてアイデンティティを再定義するような主体的な経験なのかも明らかにする.25~65 歳の男女800 人に調査票調査を行い,分析した結果は次の通り.①美容施術を望むのは男性よりも女性である.性別以外の,年代,世帯年収,学歴,既婚・未婚といった属性では有意差が見られなかった.②美容実践はあくまでも第一義的に「自分の心地よさ」(=自己満足)のために行われる.自分の心地よさという理由は,美容実践でない行為においても,美容実践を望む人が,望まない人より使用している.ただし,美容実践を望む人ほど「他者」の評価も求める傾向ももつ.③美容実践は,性別と世帯年収に規定される.また自己アイデンティティの再構築を目指すような主体的な行為というより,むしろ「外見の老化を感じる」こと,「身体に関する社会の常識を守るべきという考えを持たない」ことに規定される行為でもある.したがって,美容実践は,第一に「自分」という位相で語られる行為である.ただし,自分の心地よさの背後には「他者」の評価期待が含まれる.そして身体に関わる常識という意味での「社会」的影響は後景に退いている行為である.\nThis paper analyses people intending to undergo cosmetic surgery or cosmetic medical care in contemporary Japan. It aim to explore (1) their attributes, and (2) their body consciousness. The study found that the most popular motivation for cosmetic surgery was "self-satisfaction". ーFollowing this, the study investigated (3) whether cosmetic practices can be regarded as subjective experiences, which promote the re-definition of identities. The results of this later survey (involving 800 informants) as follows.First, more women want to have cosmetic interventions than men. Other attributes, including age, academic background, income, and marital-status, did not show any significant influence on motivations. Second, some people want to have cosmetic interventions because of a sense of self-satisfaction, however, they tend to want positive evaluations from "others" too. Third, "awareness of aging" and "lack of a conviction to maintain common sense in relation to one's body" are more likely to inderpin a desire to undergo cosmetic intervention than "the intention to reform self-identity."Therefore, cosmetic interventions should be understood in terms of "the self," positive evaluations by "the other," and "self-comfort." Although cosmetic practices are social practices, they are not significantly influenced by "the social."
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.34, pp.39-52, 2011-01

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the fi eld of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientifi c discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I fi nd that people believe ads' science claims and have trusted science blindly since 1980's, whereas before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also fi nd that scientifi c words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientifi c words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientifi c association with natural images.
著者
植原 亮
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.41-56, 2018-10-15

本稿の目標は,徳と人間本性をめぐるアリストテレス的な主題に関連する現代的な議論の見取り図を描き出すことである.そのために,この主題を構成する要素のうちの三点を取り上げて批判的に検討を加える.第一に,卓越した性格特性としての徳という見方に関する状況主義論争を手短に振り返る.第二に,人間本性にもとづく特定の徳のセットやそれがもたらす繁栄という概念の抱える困難を指摘する.第三に,人間本性という考えそのものを発生システム論などの現代の理論的枠組みから吟味する.
著者
松本 渉
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.85-105, 2014-08

調査を複数回行う場合や複数の既存の調査の結果を比較して利用しようとする場合,関心のある質問の結果を比較しやすいように同一の質問文を常に使用できるとは限らない.自らの調査の改良のために質問文を改訂する場合もあるし,既存の調査の結果を比較検討する場合,同じ趣旨だが厳密には表現が異なる質問文を用いた調査の結果を利用せざるを得ない場合もある.既存研究の多くは,質問文を変更して結果が大きく変わることを示しているが,そこで示される例は,変更によって結果に影響がでることが理論的に明らかなものが多い.影響が出ることを期待して質問文のワーディングを違えてあるといってもよい.しかし,質問文の改善のためにワーディングや構造をやむをえず修正したような場合では,どの程度の影響があると考えられるのだろうか.本稿では,日本人の国民性調査を含む4つの調査の比較を通じて,質問文のワーディングや構造の変更を行った場合に調査の結果に与える影響の程度について検討した.具体的には,まず相対度数分布の変化という観点から, 4つの調査における似て非なる質問文による結果の類似性を検討した.その結果,ワーディング・時期がほぼ同一で調査条件が似ている調査AとBの間のほかに,モードや構造が大きく異なる調査CとDの間でも度数分布の差が小さく,調査A・Bと調査C・Dの間の方が度数分布に乖離が見られた.これは,改訂する前の質問の回答分布に無回答が多かったためであった.次に,性・年齢・学歴といった項目とともに多重対応分析を行った結果,細かい点では各調査間に異なる特徴がみられるものの,大まかな傾向としては4つの調査の結果の間で共通性があることがうかがえた.以上から,質問文の変更といっても,変更による直接の回答分布への影響よりも無回答による誤差を小さくする場合があることと,属性変数との関連性などの構造的な特徴においては全体的には安定した結果を保つことができる場合があることがわかった.Many previous studies have shown that changes to questions influence results; however the examples at those studies were usually prepared in the hope of proving that the changes will exert a certain effect on the responses. On the other hand, questions used in real comparative surveys often use different wording or structure to minimize the nonresponse error on the results although having essentially the same meaning.This paper addresses influences on the results of the surveys where wording or structure of questions have been changed for the improvement in expression. Specifically, this paper examines the similarity in the relative frequency distribution produced by four surveys that used close but not exactly the same questions, and confirms stable structural feature among the four survey results using multiple correspondence analysis (MCA). First, an examination of the distribution revealed that any discrepancy of the distribution was relatively small when the item nonresponse error was small, while it was relatively large when the itemnonresponse error was large even if both wording and structure were the same. Second, MCA showed that there remained rough commonality in the structural feature, such as associations with the demographic variables, among the four surveys despite different expression. Therefore, it was found that modification of the wording and structure of questions can reduce itemnonresponse error rather than directly influence relative distribution of its response, and that rough commonality can be broadly preserved despite such the change.
著者
加藤 隆
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.22, 2005-03-15

<特集>矢島脩三教授定年退職記念